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投資と・・・戦争?

 投資を行う上で、避けられないこと・・・

 もちろん、投資は損をするリスクがありますので、思わぬ形で損
をすることは避けられません。

 しかし、リスク以外に投資をしているとどうしても目を向けなければいけないものがあります。

それは、「戦争」です。

遠くの戦争は買い

 2023年12月時点で、ウクライナや中東パレスチナ地区で戦闘が続いています。

 投資の世界では、戦争が起きると相場が大きく動きます。

 投資の格言でも「遠くの戦争は買い」というものがあります。とても不謹慎ではありますが、戦争=儲かるチャンスなのです。

 「投資家はやっぱり金の亡者だ!人でなしだ!」と思われた方もいらっしゃるかと思います。もちろん、世界中の多くの投資家は、戦争は望んでいません。私もです。

 なぜ、戦争が起きると「買い」なのでしょうか?

大きなお金が動く

 最大の理由は、動くお金の金額の多さです。

 戦争が起こると、武器を使います。それは戦車や戦闘機などの通常兵器はもちろん、それらが使用する砲弾やミサイル、レーダーシステムやドローンなど武器や兵装の種類も多岐にわたります。

 砲弾やミサイルは原則使い捨てです。一方で被弾して壊れてしまった場合、戦車などの兵器の場合には直せればできるだけ直して使います。

 そうなれば、そういった武器などを製造している企業には注文が増えますから、製造工場は稼働率が上がり、業績にも影響します。

 ニュースで戦争と聞くと、普通はここまでですが・・・

 戦争で潤うのは、悲しいことに軍事関連企業だけではありません。兵士が負傷した場合、治療をする必要がありますし、戦場でも食糧は必要です。橋や建物などのインフラが破壊されれば、もちろん直さなければなりません。

 さらに、今の戦争ではドローンなどの無人兵器も台頭しています。兵器にもコンピューターが装備されており、スマートフォンなどのようにシステムのアップデートも必須です。そうなると、大量の電気も必要ですね。発電だけでなく、兵器の稼働にも燃料が必要ですので、燃料の需要が急拡大して値段が上がります。

 戦争が起きた場合、当事国に限らず多くの国の軍事・インフラ・金融・医療・ITなど様々な業界の企業が、何らかの対応をして関わっているのです。

 また、戦争が起これば投資家は一部の資産を売却して戦争中でも価値が落ちにくい(リスクの低い)別の資産に買いなおします。いわゆるリスクオフと呼ばれる波が起こります。

 投資の世界では、波が大きい方が何もないときよりも儲けやすいタイミングになります。

 近くで戦争が起きてしまうと自分自身が直接被害に遭う可能性がありますが、遠くであればその可能性も低く、それ以外の波だけは来るため「遠くの戦争は買い」なのです。

戦争は需要の急増や市場の大きな波を引き起こすトリガーになるのです。

武器の値段 戦争の値段

 みなさんは、武器の値段はいくらくらいだと思いますか?

 例えば、自衛隊が装備している10式戦車は一台で約10億円と言われています。(自衛隊の装備は世界的に見てもオーダーメイドのようなほぼオリジナル品なので、高めの値段になりがちです。)

 空を飛ぶ航空機はさらに高額です。現在、アメリカや日本を含めた西側諸国で導入が進んでいるF-35ステルス戦闘機はグレードによって差はありますが、一機84~110億円です。
 東側(いわゆるロシアや中国系)の機種は、西側より安いといわれており、経済的に余裕がない途上国でも採用例が多くみられますが、それでも一機50~70億円といわれています。(兵器も買い手が増えれば値段は原則安くなります!)

 兵器の値段は、戦車のような修理して使用可能な兵器に限らず使い捨てのものも高額です。ウクライナで歩兵がロシア軍に向けてミサイルを発射している映像をニュースで見た方もいるのではないでしょうか。あの携帯式のミサイルは一発400万円します。肩からまるで新車を打ち出しているようですね。

 もちろん、戦車などと同じく使い捨ての兵器であっても大きく高性能になればなるほど桁が大きくなります。

 今年も日本へ向けて北朝鮮が衛星と称して弾道ミサイルの発射を行っていますね。あの長距離弾道ミサイルは、射程が数千キロにも及び宇宙空間に一度出てから超高速で大気圏に再突入するという恐ろしい兵器です。わずか数分で着弾します。

 そんな弾道ミサイルは一発で3億円以上、射程距離が長ければ一発で10億円とも言われています。

 もちろん、物の値段は為替やその国の物価状況などにも左右されるため、一概には決まりませんが・・・

 しかし、世界的に見ても兵器の値段は高いことに間違いありません。兵器は、勝つために作られていますので、常にその時代の最先端技術が投入されています。(値段と比較してダウングレードさせたり調整はしますが・・・)値段が高額になるのは避けられないのです。

 また、ここまでは武器の話しでしたが、戦争になれば必要なのは武器だけではありません。

 治療に必要な医薬品も大量に必要となりますし、武器を運用するためのソフトウェアのアップデート作業も必要です。戦闘をしていない状態でも敵の動きを監視する各種警戒センサーは稼働したままですので電気を消費します。武器は単体で値段がありますが、このような周辺への影響による経済効果は莫大です。

 武器以外のものも、一個や二個といった単位で購入では間に合いませんし、大量の燃料や電気も消費されるため、波が経済全体に波及するのです。

戦争は経済に直結している

 いかがでしたでしょうか?

 今回は、投資と戦争の話しでした。戦争は反対です。

 しかし、様々な分野への波及効果の大きさ故に投資をしている上では無視できない(無視してはいけない)ことは確かだと思います。戦争は経済に直結しているのです。

 投資をすると、嫌でも戦争と向き合わなければいけないときがあるのです。(もちろんどんな情報を仕入れるかはそれぞれの自由ですから絶対ではありませんが…)

 どんなに見ないようにしていても、実際に起こってしまえば下落に備えて売却を検討したり、リスクのより少ない資産へ移したりと対応をとる必要性が出てくるために避けては通れないのです…

 

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