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老後2,000万問題解決?リバースモーゲージのこれから

リバースモーゲージの概要


リバースモーゲージとは

リバースモーゲージとは簡単に言えば、「持ち家を抵当に入れてお金を借り、死ぬまで返さなくていい」仕組みであり、元の家に住み続けながらまとまった資金を得られる点に特徴があります。
リバースモーゲージは、その商品の特徴から、高齢者を対象としたサービスになっています。多くの場合55歳〜80歳を対象に提供されています。

リバースモーゲージの仕組み

リバースモーゲージを直訳すると「逆向きの住宅ローン」です。
住宅ローンは一般的に、購入する住宅を担保に住宅購入資金を借入れ、毎月返済していくことで、最終的に完済すれば住宅の抵当権が外れる仕組みです。
リバースモーゲージはその「逆向き」であり、すでに所有している住宅を担保に資金を借入れ、借入人の死亡後に住宅の売却益で残高を一括返済します。

保健チャンネル「リバースモーゲージの仕組み」

リバースモーゲージ利用の利点

リバースモーゲージを利用することの利点には、以下があります。
安定した収入が見込めない老後に、住む場所を失うことなく資金を確保する手段であると言えます。

  • 毎月の支払いが利息のみであり、返済の負担を少なくしながら老後の生活資金を確保できる

  • もとの住宅に住み続けることができ、住み慣れた環境で老後を過ごすことができる

  • 夫婦どちらかの老人ホームへの入居など、まとまった資金が必要な場合にも住宅を確保しながら対応できる

  • 多くの金融機関では配偶者への引き継ぎを可能としており、借入人の死亡後も配偶者が住居を確保できる

リバースモーゲージ市場の将来性

利用の拡大

リバースモーゲージは、貸出残高、取扱行ともに拡大を続けています。
住宅金融支援機構の調査によると、2022年度末の貸出残高は1,803億円で、2013年の456億円と比較すると3倍以上になっています。
一方で、取扱行数についても、2022年度は115行となっており、これは2013年の20行と比較すると5倍以上の伸びであると言えます。
(調査票の送付に対して回答のあった金融機関の合計であり、市場全体を表すものではないことに注意)

住宅金融支援機構「2023年度 住宅ローン貸出動向調査結果」

認知度の低さ

一方で、日本では「リバースモーゲージ」という概念に対する認知度は非常に低いものとなっています。
2023年に実施されたアンケート調査によると、老後資金の対策としてリバースモーゲージを知っていると答えた回答者は持ち家層で20%、賃貸層で9.7%にとどまります。
借入残高・取扱行の拡大と認知度の低さを鑑みると、リバースモーゲージ市場は将来性があると言えるのではないでしょうか


ハウスドゥ「第2回老後の住まいとお金に関する調査」

金利上昇

2024年3月、日本銀行はマイナス金利政策の終了を発表しました。これは、政策金利がマイナスだった状態から正常化に向けて動くということです。
それに伴って、住宅ローンなど私たちがお金を借りるときの金利も上昇することになります。
金利が上がると、変動金利で住宅ローンを借りていて想定外に利払い負担が増えて、定年退職時に住宅ローンが残ってしまう人が多く発生するでしょう。
以下のロイターの記事によれば、このような状況を受けて、「リバースモーゲージ」に組み替えて支払い負担の軽減を図る動きも予想されます。
今後ますます深刻になることが予想される老後の資金問題とこの金利上昇により、リバースモーゲージはこれから注目の金融商品であると言えます。






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