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ラムリンピック2021ホワイトラムを語る(限定品編)

🥇金メダル ラ ファヴォリット ブラン リビエール ベレール リコルト 2019 (フランス マルティニーク🇲🇶)

マルティニークで小規模家族経営で作られるアグリコールブラン。
このフランスのラムRHUMにはワイン造りの思想が取り入れられている。
病原菌に掛かると地下茎で繋がるサトウキビは全て引き抜く事になる為通常は混穣するのだか、このラムは糖度が高くなるレッドケーンという単一品種を使用。
理想的な日当たりを備えたテロワール「リビエール・ベレール」で育ったサトウキビのみで収穫し更にヴィンテージを入れている。
まるでブルゴーニュの特級畑で栽培されている様なサトウキビは、長い発酵期間を経て、フレッシュなサトウキビやシトラスフルーツを伴った複雑な味わいが楽しめる様に蒸留される。文句無しの金メダルだと思う。
個人的にはスタンダードのソーダ割りを日常からかなり飲みます。

ラファボリット ブラン

🥈銀メダル ラペルレ ミレジム 2017フランス マルティニーク🇲🇶)

2015年に設立されたマルティニークで最新の蒸留所。自社畑で収穫、蒸留、瓶詰めまで行うプロプリエテールで造られる。潮風の影響を受ける畑で収穫されたサトウキビにより独特の岩ノリの様なヨード香のするラム酒である。但し最近リリースされたラペルレ2019はヨード香は影を潜めアグリコールブラン特有のシトラス香が支配的。ビンテージによる違いがこれだけ顕著なラム酒も珍しいと思うが、今後も楽しみな蒸留所である。
シャンパーニュのフリーランジュースにあたる一番搾りのシュガーケーンジュースのみを蒸留した 「ダイアモンド ロック 」が別キュベであるのもフランスっぽいね。

シモン ハビテーション ダイアモンド ロック ホワイト ラム

🥉銅メダル サバンナハイエステル57°(フランス レユニオン🇷🇪)

インド洋に浮かぶ火山の島、フランス海外県レユニオン島で作られている。
一つの蒸留所で、トラディショナル(糖蜜原料)、アグリコール(サトウキビジュース原料)、グランアローム(専用酵母を使い1〜2週間の発酵)、ハイエステル(蒸留廃液を加え、3ヶ月もの超長期発酵)と、違うタイプの原酒を作り分けているのが特徴である。同じく今年リリースされた「アグリコール クレオール ストレート」との飲み比べするのも面白いと思う。

左 サヴァンナで1番好きなブラン ラメゾンドウイスキ60周年記念lontan
右 サヴァンナ アグリコール クレオールストレングス

4位 クレラン ソンソン (ハイチ🇭🇹)

正確にはラムでなく「クレラン」と言うシュガーケーンスピリッツです。
クレランとの呼称を使用するためには、
原料はハイチ産のサトウキビのみを使用し、その収穫は全て手作業で、なんと収穫したサトウキビの蒸留所までの運搬は動物のみ(水牛等)
サトウキビジュースに存在するナチュラル酵母のみで発酵して瓶詰めはもちろんハイチ国内のみとなっています。
ヴェリエ社のルカガルガーノ氏が発掘し世界に紹介しました。
先行してカシミール、サジュー、ルロシェ、ババルの4蒸留所からリリースされていましたか、2021年新たにソンソン蒸留所からリリースされました。ハイチには約500のクレランの蒸留所があるとされています。今後も目が離せませんね。
ソンソンは直火によるポットスティルで蒸留されています。
アグリコールxポットスチルの組み合わせ最強です。

日本代表 イエラムサンタマリア蒸留所限定(日本🇯🇵伊江島)

ラムリンピック2021ラム酒友の会のオフ会として東京オリンピック2020開催前の2021年7月に目黒のバーロマニで開催される予定でした。コロナ禍で開催を諦めたのを忘年会にスライドしました。その7月に渡航が制限されていた伊江島から特別に送って頂いたホワイトラムです。
ラム酒の分類にインダストリアルラム、アグリコールラム、ハイテストモラセスと言う分類法があります。
このイエラムサンタマリアは正確には、アグリコールラムでは無くハイテストモラセス製法(サトウキビの絞り汁をシロップに煮詰めてから発酵、蒸留)になります。この製法のメリットは収穫期以外も蒸留出来る事にありますが、此れもラム酒を複雑にしている要因だと思いますので、ラムリンピックではアグリコールラムに分類し端折ります。
限定品は蒸留所に訪問する以外にもふるさと納税の返納品として入手することが出来ます。
それ以外なら通常販売されている「イエラムサンタマリア スプリム」がかなり美味しいので試してみて下さい。

イエラムサンタマリア スプリム50°

まとめ
ラムラバーやラムバーの選んだホワイトラムはインダストリアルラム(サトウキビの絞り汁から砂糖を抽出し、残った糖蜜から造る製法)でなくアグリコールラムに人気が集中した。
個人的にはジャマイカのインダストリアル製法のホワイトラムも好きである。

バカルディの様にクリアでどちらかと言うとウォッカに近いラム酒より
小規模生産のクラフトラム、サトウキビの出来の良い年にリリースされるビンテージラム、長期発酵により独特の香味のラムに今後もっと人気が集中すると思う。
日本でも沖縄のワンラムプロジェクトからのリリースや、千葉県房総でのアグリコールラムの製造開始、愛媛県や鹿児島指宿での新しい蒸留所の始動と来年は新しい動きが目白押し。日本のラム酒ブームの夜明け前だと認識しワクワクしながらラムライフを過ごしたいと思う。

ワンラムプロジェクト第二弾 ヨナグニラム

大山甚七商店 ACOUラムプロジェクト

宜しかったら定番品編もご一読下さい。

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