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シャドークイーン
「やだ触らないで毒が移る」
この紫はひと一倍のアントシアニンなのだと耳を貸す者はなく、独りだった。
南米から欧州、日の本へも早くに伝来した原種の末裔。
同じ系譜を持つ姉は花のようなピンクの肉だというのに。
ほめそやされる芋たちを暗いところから眺め続けた。
(居場所が欲しい、つないでくれる手が!)
夢から醒めた闇女王の顔は、アイシャドーを落としたせいか、いつになく幼げであった。
「ホワイトバロン」
肩で息をした後、陰に向かって命じる。
-ここに
男爵瓜二つのホムンクルスは音もなく跪いた。
「来なさい」
なんのためらいもなく白い指が闇の手を取り、握る。
「今夜、王城へ」
-御意
姫と王子のような影絵芝居が壁に映し出されていた。
シャドークイーンについて
じゃがいも擬人化SS
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