【公認会計士(短答式試験)】働きながら独学で5⇛8合格した私が実践した効果的勉強法(計算科目)


閲覧いただきありがとうございます。

前回記事からだいぶ時間が経ってしまいました。

私は社会人で働きながら独学で5⇛8で論文式試験を合格しました。
そのため、8月の論文合格もしっかり見据えた短答式試験の勉強法についてお伝えできるかと思います。

私の簡単なプロフィール等は、以下の記事で記載しておりますので、そちらを御覧ください。


ここにも記載がありますが、
短答式試験は、学生時代に何度か独学で受験しましたが、失敗しております。
そのため、1発で短答式に合格された方々と違って、非効率な勉強をしていたことは事実です。
ただ、社会人になってブランクが5年程ある状態から勉強を開始してからは5ヶ月程の勉強で短答式試験に合格することが出来ました。

そのため、落ちる勉強法・受かる勉強法のいずれも体験(実践?)しており、
今振り返ればこの勉強法はかなり非効率だった、という苦い体験もしているからこそ、今回お伝えする内容は、有益であると考えております。

短答式試験は特に計算問題をいかに制するかが重要かと思います。
ぜひ、社会人の方のみならず、学生の方も参考にいただければ嬉しいです。

ちなみに短答式試験は、以下の点数でした。
(当時の記憶が薄れきているので正確には若干ずれているかもしれません)
財務会計論:156点
管理会計論:44点(笑)
←一応弁明させていただくと管理会計論の足切り基準免除されるほど難化していた時の試験でした。
企業法:80点
監査論:75点

では早速参りましょう。

【計算問題は受動的に解かない】


ここで私が強調したいのは、
日頃の勉強において、機械的にただ問題を解くだけで終わらせないでほしい
ということです。
これは、短答式の問題が無味乾燥となりがちなために陥ってしまう罠です。

短答式試験の問題は、論文式試験と違い、
計算問題は数分で解けるような単問(以下、「総合問題ではない」という意味でこのように呼ばせていただきます)がメインとなっております。
これの特徴として、解答に必要な要素が問題文の中から探しやすい、というのが特徴です。

もし以下のような勉強をしている方は、
たくさん問題を解いて勉強した気にはなっているだけど、実力はさほど着いていないかと思われます。
(これはまさしく、私は学生時代に行っていた非効率な勉強方法です)

・計算問題は、短答式用の単問ばかり解く。
・問題文を見たらとりあえず条件の数値を何となく使って計算する。合っていたら次の問題へ行く。

この勉強法の問題点は、応用力がつかない、ということです。
つまり、本試験で自分が解いたことのある問題と少しでも違う切り口で出題された場合や、総合問題で多くの情報記載されている場合に、間違える可能性が高くなってしまいます。

この原因としては、「あるべき処理」の理解度が不足していることが考えられます。

「あるべき」を理解している問題の解き方として、
連結会計(財務会計論)を例にとって見ましょう。

例えば、連結会社の資本金を答えさせる問題があったとします。

何も考えずに機械的に解くならば、
問題文記載の事象に関する全ての仕訳を切った上で、
資本金に関連する部分を集計すれば、答えは導出できます。

ただ、理解している人であれば、
「子会社の資本は全て投資と消去されるから、親会社の資本の変動だけに注意すれば答えが出せるな」
とまず連結の基礎にある考え方から、あるべき処理を頭に浮かべた上で、
問題文の中から、親会社の資本変動に関する記載を探しにいくことが出来ます。
(もし記載なければそのまま親会社の資本金額が答えとなります)

この解き方の方が、仕訳をいちいち全部切る必要がないので、
早く解くことができますし、問題文に自分が分からない仕訳が出てきたとしてもあるべきを理解しているので、それに惑わされることなく、正解にたどり着く事ができます。
(例えば、子会社の第三者割当増資に関する仕訳を忘れてしまったときでも、子会社の資本勘定は結局消去されることを理解していれば、問題なく答えが出せます。)

簡単な例をとってお話しましたが、これは全ての論点において当てはめることができる考え方で、今後の実務を経験していく上でも重要です

このように、問題文の論点をまず把握したのちに、あるべき姿を想像した上で(この際に解答プロセスを思い浮かべます)、必要な条件を自ら探しにいく解き方を、「能動的に」問題を解いている状態と言えます。

逆に、問題文の記載の条件をなんとなく組み合わせながら、計算してみるような解き方を、受動的に問題を解いている状態と言えます。

例えば、借り手におけるファイナンス・リースの支払利息を求める問題があった場合、与件文に利率が1つしか与えられていなければ、特に何も考えずにその利率を用いることで正解にたどり着けてしまうでしょう。
しかしながら、もし「借り手の追加借入利子率」「貸し手の計算利子率」が与えられていた場合には、きちんと理解していなければ、正しい利率を選ぶことができず、正解できなくなってしまいます。

このように、受動的に問題をただひたすら解きまくって勉強した気になっていても、会計処理を理解しているとは言えず、結果として、本試験で点が取れないくなってしまいます。
※ここで、一応断っておきますが、あるべき処理をしっかり理解し、解答プロセスを明確にした後であれば、あとは機械的に解くことは何ら問題ありません)

では、普段の勉強において、どのように問題を解けばよいでしょうか。

私の場合は、以下2つを意識して計算問題対策をしておりました。

①総合問題を演習のベースとする
総合問題を解くことは、以下のようなメリットがあります。

・論文試験対策になる
・BS/PL上の表示(ex.販管費or売上原価等)も理解できる
・管理会計であれば、特に流れを意識できる
・解答したい勘定数値はどの仕訳を集計すればいいかの勘を養える

最終的に論文試験が目標となり、いずれは総合問題を解く必要があるため、
短答式対策のうちに総合問題を中心に演習することをオススメします。

②あるべき処理・解答プロセスを明確にした上で解く

まず問題文を読んだら、その会計論点の原則処理・例外処理を頭の中で思い浮かべ、必要な情報が何かを自問自答することを日頃の問題演習に取り込むことです。

大事なのは、問題文をさっと読んだら、
まず、必要な情報・解答プロセスを明確にした上で、解くこと、です。

最初は時間がかかり非効率に思われるかもしれませんが、
慣れてくるころには、頭が整理される上に、最悪電卓を叩かなくても解答プロセスさえ合っていれば良いので、電車等の隙間時間を活用して計算問題演習を行うことができます。

実際、私は短答式試験合格後の論文試験対策の3ヶ月程において、
財務と管理会計論の計算問題の演習は一切行っておりません。
(厳密には模試は2回分解きましたが)

知識のメンテナンスとして、計算問題集をパッと見て頭の中で解答プロセスを思い浮かべられるかをチェックする、ことだけを行うことで、かなり時短できたと考えております。

【まとめ】


別記事の論文試験試験対策勉強方法でも記載いたしましたが、
この試験は、「みんなが取れる問題をいかに正答できるか」という試験です。
短答式試験なので、
「細かい知識まで覚えないと合格できない」と考えてしまいがちですが、
それは間違った考えです。
いわゆるABランクの論点について、しっかり理解し暗記できていれば、
合格できます。

短答式試験だからといって、細かい知識を覚える暇があれば、
「ABランクの論点について、理解できているか」
(初学者の人にやさしい言葉で教えれるレベルか)

を自分に問うてみて下さい。
そのレベルでもないのに、Cランクレベルの膨大な基準を覚えるのは非効率ですし、いつまでたっても合格にも近づけれません。

かくいう私も、学生時代は、「多くの基準を覚えさえすれば合格できる」と信じていたため、多くの参考書に手をだし、たくさんの問題を解きましたが、
結局ABランクの知識も理解も中途半端なまま、合格できずにかなり非効率だったと感じております。

短答・論文、いずれも共通して重要なことは、「理解」です。

理解していれば、短答式の問題は解けますが、
短答式の問題が解けたからといって、本当に理解しているとは限りません。

その点を意識して、常にあるべきを理解しようと思考する(頭を使う)ことが、
遠回りに見えても着実に実力をつける方法かと思います。

「あるべき」を理解することで、自分の中に常識が形成されていき、その常識と照らすことで、正誤が判定できるようになります。

ただひたすら解く、のではなく、理解しようと努めながら解く、ことを心掛けて
勉強していただくことが、合格への近道になると思います。

ここまで閲覧いただきありがとうございました。


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