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【決算】ロイヤルティ・ファーマ 24年1~6月期 減収減益もロイヤリティ収入伸長

 医薬品投資会社、ロイヤルティ・ファーマ(NASDAQ:RPRX)の2024年1~6月期決算は減収減益。売上高は前年同期比9.6%減の11億500万㌦、営業利益は73.1%減の1億9600万㌦、純利益は81.2%減の1億700万㌦。事業の収益力を示す調整後EBITDAは21.1%減の12億1600万㌦。

 同社は医薬品の特許権に投資し、その使用料などで収益を稼ぐ。2020年に大型IPOとして注目され、以降もそのユニークで底堅いビジネスモデルで投資家の視線を集めてきた。

 今回減収減益という結果となったが、この落ち込みは今期のみの一過性な要因によるものが大きい。というのも、前第1四半期に医薬品メーカーのバイオヘブン社株の売却益が4億7500万㌦計上されており、今期はその売却益が剥落しているのだ。あくまで反動減という格好で収益が落ち込んだに過ぎず、言い換えれば前期が恵まれ過ぎていたとも捉えられる。

 重要なのは、継続的な稼ぎとなる特許権使用料(ロイヤルティ)による収益推移。今1~6月期は12.8%増の13億1000万㌦と順調に伸ばした。バーテックス社の嚢胞性線維症薬、GSK社の気管支喘息薬関連が成長を続けている。

 今通期のポートフォリオ収入(ロイヤルティ+投資関連収益など)は27億~27億7500万㌦と見込む。前回予想から7500万~1億㌦ほど上方修正した。仏・セルヴィエの脳腫瘍治療薬「ボラニゴ」のロイヤルティ獲得、スイス・ロシェ社の脊髄性筋萎縮症治療薬「エブリスディ」のロイヤルティ追加購入、サイトキネティック社の肥大型心筋症治療薬「アフィカムテン」のロイヤルティ追加など種まきを進めており、加えてジョンソン・エンド・ジョンソンのクローン病治療薬「ステラーラ」の優位性が実証されるなど追い風も吹く。

 投資会社として金銭面で医薬品メーカーを支え、新薬開発に寄与するなど社会的意義は大きい。有望な医薬品に照準を合わせて確実に収益化する堅実なビジネスモデルでもあるため、今後も成長が期待できる銘柄と言えるだろう。
 

 

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