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【決算】ヤラ・グループ 24年1~6月期 ゲームアプリ伸び増収増益

 中東でボイスチャットアプリを展開するヤラ・グループ(NYSE:YALA)の2024年1~6月期決算は増収増益。売上高が前年同期比4.7%増の1億6000万㌦、営業利益が44.5%増の5900万㌦、純利益が26.6%増の6300万㌦。

 ゲームアプリ事業の収益が拡大しており、5270万㌦と11.9%の大幅な伸長を見せた。主力はボイチャ事業だが、同社の成長エンジンはゲームアプリであると位置付けても良いだろう。

 ボイチャ関連の収益は1億710万㌦で1%増と堅調に推移している。4~6月に限って見れば5490万㌦と0.5%減少しており、頭打ち感が出ているように見えるが、結論としてはあまり心配しないで良いと個人的に考える。

 これは有料課金者数(ゲームアプリも含むが大半はボイチャアプリ)が10.3%減の1200万人と落ち込んだことが影響している。ただ、ユーザー1人当たりの課金単価が13.8%増の6.6㌦に伸びており、ユーザー数の減少影響を大部分カバーした。総花的に有料課金を募らず、深く刺さるユーザーにターゲットを絞り、ユーザー単価を高める戦略は決して悪手と言えない。こういった高単価ユーザーは根強く、アプリへの依存度が高いため安定的な収益基盤となり得るためだ。

 心配しなくてよい理由がもう一つある。ユーザー規模が生命線と言えるSNSプラットフォームにおいて、月当たりのアクティブユーザー累計数(4~6月平均)が14.1%増の3900万人と順調に伸びているのだ。ちなみに、新たなアプリを作って数をかさまししているわけではなさそう。

 2024年9月4日現在の同社株価は4㌦前後で、PERは5.9倍、PBRは1.1倍。不思議なほど割安と思わないだろうか? マネタイズに成功し、安定的に黒字を計上している。かつ、成長軌道をしっかり描いており、自己資本比率も9割弱と高水準で財務面は強固だ。にも関わらず株価が伸び悩んでいるのには疑問しかない。

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