見出し画像

【決算】アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)24年1~6月期 減収減益 

 穀物メジャー、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(NSYE:ADM)の2024年1~6月期決算は減収減益。売上高は前年同期比10.5%減の
440億9500万㌦、調整後セグメント営業利益は14.6%減の23億3800万㌦、純利益は42.1%減の12億1500万㌦、事業の収益力を示す調整後EBITDAは31.3%減の23億3000万㌦。

 主力の農産物・油糧種子セグメントの減益が響いた。農産物部門は物流コストの上昇や北米原産地の苦戦で利益率が低下。油糧種子圧搾部門も使用済み食用油の輸入増に押され大豆油価格が低下したことで厳しい商いとなった。穀物製粉セグメントはデンプンや甘味料のマージンが堅調に推移し、販売も増えた。

 セグメント別の営業利益は、農産物・油糧種子が42%減の13億2300万㌦、穀物製粉が1%増の6億500万㌦、栄養食品が37%減の1億9300万㌦。総処理量は3.4%増の2714万9000㌧。油糧種子が伸び、4.9%増の1825万9000㌧だった。トウモロコシは0.5%増の889万㌧とまずまず。

 どの業界もそうだが、流通の最上流に位置する生産者的企業は原料相場の影響を大きく受ける。今期は前期よりも地合いが悪く、減収減益は避けられないだろう。

 例えば大豆相場は2022年から右肩下がりで推移している。販売が伸びても単価安が足を引っ張り、売上高を稼ぎづらい環境だ。

 膨れ上がったコストをリアルタイムで価格に転嫁できれば、利益面は確保されるが、食品業界は往々にして流通の川下側に価格決定権がある傾向にあり、川上側がコスト増分を負担するきらいがある。

 日本では人口減が課題に挙がる一方、世界ではイスラム圏を中心に人口が増加傾向にある。食糧問題はますます深刻化するとみられる中、貴重なカロリー源を扱う穀物メジャーの存在感がどこまで強まるかに注目が集まる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?