TOBの基礎知識① 公開買付けとは?
本シリーズの投稿にあたり
こんにちは、ヨッシーです。
ここ最近、東証の開示基準の厳格化や、親子上場問題、アクティビスト投資家の興盛等も相まって、TOB案件の公表が増加傾向にあると思ってます。
私自身も非常に有難いことに、時代柄か公開買付けにアサインされる事が多く、気づけば公開買付案件への対応についてはある程度胸を張れるくらいのレベルにはなっていました。
そこでこのシリーズでは公開買付けについて基本的な知識について一般の皆様向けに発信させていただきます。
私自身、M&A業界を志した際には「とにかくデカい案件がやりたい、、そうだ、公開買付けをやってみたい!!!」と考えており、未経験や新卒でM&A業界を志す皆さんにも同じような考えの方も少なく無いのではと考えており、そんな皆様向けにも有益な情報提供ができればと考えております。
また、私は上場企業のM&Aに関与する際にはネットの記事や掲示板も拝見しておりますが、間違った情報が多く発信されている印象を受けております。
そこで実務者を志す方々だけでなく、個人投資家の皆様向けにも分かりやすい内容を心がけて発信させていただきます。
このシリーズでは分かりやすさを最優先として文章作成しておりますので、業界関係者の方々には気になってしまう記載内容もあるかとはございますが、上記の前提の上で発信させていただいておりますので、どうぞ温かい目で見ていただけると幸いです。
TOB(=公開買付け)とは
ここでは公開買付けの対象となる企業を対象会社(もしくはA社)、公開買付けを実施する企業を公開買付者(もしくは、買収者やB社)と表記しております。
そんな中、皆様はニュースやドラマ、映画等の中で「TOB(公開買付け)」というワードを聞いて何を思い浮かべるでしょうか。
「そもそも、公開買付けって何!?対象会社はどうなっちゃうの!?」
「対象会社は上場企業ではなくなってしまうのか、、」
「そういえば対象会社の株式持ってた!市場より高い価格で買い取ってもらえてラッキー!!」
などなど、色々あると思いますが、公開買付けとは何かなんとなく理解しているものの、解説までできるのは金融業務関係者や弁護士の先生方くらいなのでは無いでしょうか。
ではまず、公開買付けは何かと聞かれた際のざっくりとした回答は「上場企業に対して一定の支配権を取得する際に、対象会社である上場企業の少数株主を保護するために、公開買付者に課されるの金融商品取引法にて定められた規制」です。
先日、知人から「なぜ、買収者はわざわざ公開買付けを公表して市場よりも高い価格で株を買い集めるのか?」と質問を受けましたが、その回答は単純に「法律で規制されているから」となります。
個別の案件によっても異なりますが、公開買付者サイドにFAとしてアサインされた際には、クライアントから何度か「出来れば安く買いたい、市場で買ってしまってはダメなのか?」等々、質問をいただいたことがありますが、都度「法律で規制されているので、それを逸脱することは推奨できませんよ」と説明しております。
また先日、X(旧Twitter)で市場内での大量買付けと公開買付けのメリットデメリットを並べた資料を投稿されている方がいらっしゃいましたが、そもそも公開買付規制が適用される場合には市場内での大量買付けの選択肢は取れないため、両手法を比較することにあまり意味はないのでは?と考えております。
個別の公開買付案件の概要を理解し判断するには
皆さんは興味のある上場企業が公開買付けによって買収されるかもしれないと知った際にどのように情報を収集しますか?
「新聞やネット記事を見る」「Yahoo!ファイナンス等の掲示板を見る」等々かと思います。
勿論、上記の方法でもなんとなく、案件の概要や状況は把握できるかとも思いますが、実務者の目から見るとそういった記事の内容は間違った情報も非常に多いと感じております。
私からは実務関与者であることも含めて開示書面を読む事を推奨させていただきます。
もしかしたら、開示書面を見たことはあるが、頁数も多くどこを読めばいいか分からず断念してしまった方もいるかと思っておりますので、次回以降に公開買付けにかかる開示書面の読み方についても解説させていただきます。
終わりに
書きたいことが多く、まだ自分自身の頭の整理が十分にできていないため、今回は一旦、ここで終了させていただきます。
次回以降もよろしくお願いいたします。