レンタネコ

「レンタネコ」(2011年 日本)監督・脚本 荻上直子 主演 市川実日子)

リヤカーにネコたちを乗せて、多摩川沿いを歩く“レンタネコ屋”のサヨコ。
夫とネコに先立たれた一人暮らしのおばあさん、家族の中での居場所を失った単身赴任中の中年男性、客の来ないレンタカー屋で自分の存在意義に疑問を持つOL、など、心に穴ぼこの空いてしまった人たちがサヨコとネコたちとの出会いよって、心の穴ぼこを埋めていく

あなたは何ランク?」「あなたから見た私は何ランク?」
《高級外国車だから ランク、国産普通車だから ランク》というような価値観を疑うことなく淡々と仕事をしてきたレンタカー屋の店員にサヨコが問いかけた言葉にふとあることを思い出しました。以前、学歴や収入や身長など、自分に関するいろいろなデータを入力すると自動的に「あなたの価値は○○円」とはじき出されるアプリがあって、居合わせたみんなで面白半分でやってみたことがあります。学歴も収入も容姿も悪くないある男性は一億円という結果だったのですが、その人よりも「やべぇ、おれ十円だよ」と笑っている、明らかに条件の悪い男の人の方が女の子たちから断然モテていたという事実。(ちなみに私は「一万円」というなんとも中途半端な結果で地味に傷ついた。)

サヨコが ランクの車を ランクの料金で借りてみせたように、きっと誰の心にも数字だけでははかれない「誰が何と言おうと、私にとってはこれが  ランク」とか「理由はわからないんだけど、こっちの方がなんかしっくりくるんだよね」っていう自分だけの基準があるはず。

SNSやブログで他人から「いいね!」と言われたいがために、自分の心の中のランキングよりも世間的なランキングを優先してしまったりしないように、常に自分の心のコンパスに正直でありたいものだと思うのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?