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『決闘者』 無法時代の終焉を背景に人間の本性や不安を浮かび上がらせていく秀作西部劇

決闘者 無法時代の終焉を背景に人間の本性や不安を浮かび上がらせていく秀作西部劇

 <このnoteは、復刻シネマライブラリーで発売したBlu-rayの特典として封入したブックレットにわたしが書き下ろした解説です。主演のジョック・マホニーは、かつてターザン俳優として知られていましたが『テキサス平原児』『ネヴァダの男』など西部劇にも出演しました。元女優のマーガレット・フィールドと結婚しましたが、その時の連れ子が後のサリー・フィールド。マホニーは彼女の義父です。マホニーの出演した『決闘者』は練られた脚本によって、人間社会の暗部に迫った秀作で、これまでのヒーローものとは趣を変え、いわば寓話的な要素も入れつつ、いかに人間社会の秩序が脆いものかをあぶりだしていきます。派手なガンファイトがあるわけではないのに、ドキドキする展開、筋の読めないストーリーが何とも言えません。アンチヒーロー役のディル・ロバートソンも好演、全体的にまとまりがあって完成度の高い作品です。購入いただいた方に感謝の意を込めてnoteでは有料記事に致しました。ご興味のある方、DVD盤のみお買い求めになられたファンの方に読んでいただけますと幸いです> ※一部加筆・修正

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