戯曲ディスカッションツアーレポート〜総括〜

2016-12-12 ブログ再録

戯曲ディスカッションツアーにスタッフとして同行させていただきました!
こちらはそのレポートです。

内容としては、「優秀新人戯曲賞」の公開審査に九州の若手劇作家・演出家を連れていくというツアーで、
事前に戯曲を読み込み、ディスカッションを行い、その後、実際の公開審査を見学し、またその後ディスカッションするというものです。
今回は福岡、大分、北九州から1名ずつの演出家たち、私と高崎さんのFPAPチーム、そして東京の劇作家である鈴木アツトさんというイケメンの計6名が集まりました。

場所は、座・高円寺。おっっっしゃれなホール!!

この公開審査の進め方とディスカッションの進行はほとんど同じもので、
①一作品ごと、優れている点や魅力について語る
②一人2票を持って投票し、2作品に絞る
③少しまたディスカッションした上で、最終的に受賞作を決める
という流れです。

200作品以上が集まり、そこから選ばれた5作品ですから、どれもおもしろかったです!
戯曲読むの苦手だけど、スラスラ読めてしまいました。


各作品の細かいことはこちらに頑張ってメモを書き起こしてみました↓↓

※戯曲ディスカッションツアーは「戯曲ディス」、実際の公開審査は「公開審査」みたいな感じで書き分けています。


楽しかったけど、頭使った、疲れた…
色んな人の思考をぐわーーと受け続けた一日でした。

全体的な印象としては、かなり公開審査は拮抗していて、みなさんお気に入りの作品に優劣がつけられない様子。
全体的なレベルが高い、がしかし、突出した作品もない、ということで、お名前をこれまで何度も拝見している有名劇作家のみなさんが、揃って頭を抱えている様子を眺めるという貴重な体験でした。
審査員全員が男性ということで、女性の視点も欲しかったなという印象も。
ただ、やはりみなさまお話が上手いのと圧倒的語彙力にひれ伏すばかりの時間でした。


限られた時間の中で受賞作を決めないといけないということで、最後の方には優劣以外の話にもなり、最後には多数決での決定となりました。
怒涛の流れで決まったのでついていけなくなったりもしましたが(笑)
みなさんも、多数決で決まった後に一瞬シーンとなって、でも「ここでまた議論始めたら収集付かない、もうこれでいこう!」ということで決定されました。
いや、仕方ないんですけどね。戯曲賞って難しいなと心底思いました。
「新人」の定義も曖昧だけど、別に学生演劇祭のように挑戦心を評価する場でもないので、きちんと批評されていたのだとは思います。



自分と違った目線や意見ばかりで、とても刺激的な時間でした。
皆様ありがとうございました!


これまで観てきた舞台を始め、小説や音楽など、自分が知ってる作品に似通った場所を見つけて勝手に類型化したりとか
(「渇いた蜃気楼タイプ」とか宇多田ヒカルみたいとか、上の説明でも書いたんですけど)
あと、あまりにも今まで「一度も演劇を観たことがない人に届けるべき作品」みたいなことばかりを考えてきたので
私は触れただけを勧められる自信がまだないなぁとか、プラヌラはウケそうだけどどこまで演劇の力を示せるだろうとか、
そういうことばかりを考えてしまっていたのだなと再自覚。

また、戯曲賞を取ること、こうして競い合って選ばれることは、この「みんな違ってみんないい」みたいな演劇界でくすぶるなかで突破口になる、のかな?なんて思ってたけど、実際に選ばれる過程を観ると、「この過程こそが大事なのでは」という「みんな違ってみんないい」思想に戻ったり…笑

でもやっぱり難しいんですよ!ルール無いんだもん!戦争物特集ならカミと蒟蒻の評価が高いのはわかるけど、違うもん!上演するという条件がないぶん、上演不可能なこと書いてもいいんだもん!
いやーーー、やっぱり芸術をルール無く比べるのは難しいんだなぁ。
ダメなものはダメだけど、ある程度まで行くと「人の好き好き」みたいになるのはどこでもいっしょだなぁ。


でも、選ばれた過程が大事なのは本当にそうだと思ったので、頑張ってメモりました。
ぜひぜひ、それぞれの作品ページに目を通していただければと思います。