確定診断と治療方針~腹が座れば迷わなかった

脳ドックをしたら、予想外の病気が見つかった前回。
色々考えるものの、まずは詳しい病院に見てもらおうと向かったものの
結局間違いないらしいとの診断に余裕がなくなっていた私。
そこから何をしたのでしょうか?それを書いていきます。

確定診断までに必要だった検査

MRIを見る限りほぼ間違いないだろうという診察でしたが、
確定させるためにはもう少し検査が必要でした。
また、現在進行中なのか、それとも寛解中なのかも見なくてはなりません。
保険適用内ではMRIは1日に複数部位撮影ができないのと、体の負担などを考えて、3つの検査を3回に分けてする事にしました。

数々の検査

まず、最初にMRIをその病院で再撮影しました。
単純撮影と造営撮影の両方を、頭部と頸部に分けて撮影します。
多発性硬化症は、脳だけではなく頚髄部に病変ができる事もあります。
そのため、頭部MRIだけでは病変部分を見落とす可能性があるため、
頸部も撮影するわけです。
また、造影することで現在進行中の病変があるかどうかを確認する事ができます。

次に、髄液検査を行いました。
多発性硬化症は、炎症性の病気です。
そのため、進行中の場合、髄液に影響が出てくることがあります。
また、造影的には進行中には見えないものの、髄液に影響が出てきている場合、この後進行中の病変が発生する可能性もあるようです。

かかった費用

そして、これらの検査は当然高額です。
保険を適用しても、1回あたり1万円程度支払っていました。
とはいえ、疑いの時に先生から説明してもらった話。
もし、治療をする場合には薬代が相当かかります。
今はカプセル剤を朝晩飲むという治療ができるのですが、
その場合、1カプセルあたり4,074円かかります。
つまり、一日8,000円以上かかるわけです。
当然毎日飲みますので、1月分なら24万円です。
これが、ずっと続きます。
多発性硬化症は、治る病気ではないので、ずっと飲み続ける必要があるのです。

検査をしていく中で考えていた事

そんな現実の中、検査をしていく中で色々な事を考えていました。
余裕がない頃に考えていた事が、次の通りでした。

これからのこと

そもそもこれからどうなるのだろう?
この疑問を一番長く考えていたと思います。
仕事もある程度上手く行くようになってきて、
少し失敗することもあり、一旦仕切り直しかと思っていた矢先でした。
昇進を目指すにも、こんな大病をしていたら難しいのではないか?
そもそも、仕事を続ける事が出来るのだろうか?
そんな不安を押し殺しながら、淡々と仕事をする毎日でした。
当時は全く集中できていませんでしたね。

どれくらい「普通」でいられるのか

また、どれくらい「普通」でいられるのかな……
これも結構考えたことです。
仕事柄、PCをよく使うので、運動障害がでるなら足の方がいいのかな、とか。
片足なら杖を突けば歩けますし、両足でも車いすを使えば移動はできます。
ただ、当時娘が2歳だったこともあり、色々してあげることも出来なくなるのかな……とか。
手に出てしまうと、今の仕事を続けることは難しいでしょう。
そうなると、他の仕事……といっても、片手であれ不自由であれば、
その選択肢は大きく限られます。
ましてや、まだ娘も小さく私自身もまだまだ仕事を頑張らなくてはならないのです。

色々調べると見えてきたこと

そんな不安をどうにか振り払いたかったので、
この時期はとにかく病気について調べました。
そして、知れば知るほど不安が少しずつ軽くなっていったのです。

不安は知識で軽減される

病気になった時点で、最悪の状況は色々調べました。
でも、少なくとも今は最悪の状況には至っていなかったのです。
ならば、どうすれば「今」を少しでも長く維持できるのか、
治療はすべきかやめるべきか、
金銭的負担をどうすれば良いのか、
とにかく知識を集めました。
そして、知識が集まれば集まるほど、
自分の現状がいかにありがたい状況だったのかを理解して
不安はより軽減されて行きました。

調べれば調べるほど

多発性硬化症について調べれば調べるほど、
私のように四肢障害がみられる前に発見されるなど、
どれほど幸運な事だったのかという事が分かりました。
普通、発見されるのは、片腕や片足が突然動かなくなって、
病院に運ばれて発見されるのです。
脳ドックで偶然見つかったなど、
ただでさえ患者の少ない病気で起こることなど、
滅多にないのです。
今でも私は本当に幸運だったと思います。
偶然見つかったこと、
あらゆる情報を教えて下さる先生に出会えたこと
そして、私が生まれ生きてきた国が日本であること。
これら全てが本当に幸運な事でした。

腹が座れば迷わなかった

情報の下地ができて、確定診断のための検査も終わりました。
あとは、先生の診察を受けて実際の状態を確定される日が来ました。
この日までに妻とも話をして、1つの答えを準備していました。

確定診断の日

確定診断の日は思った以上に落ち着いていました。
検査のため、半月ほど時間があいて、色々調べることができたからでしょう。
そして、診察室に呼ばれて、先生と相対し……

「多発性硬化症で間違いありません。ただ、現在進行中ではありません。」
「ここまで早い状態で見つかった事は本当に幸運でしたね。」

先生から告げられた言葉は今でも覚えています。
病気が見つかった最悪の中で、最善の状況は維持できていた。
それが私の状況でした。

準備していたからこそ言えた決断

「で、これからについてですが……」

先生が続ける言葉。以前にも説明いただいていた事の確認でしたが、
今は進行中ではなく、手足に問題も発生していないため、
治療をするかしないかは選べる状況であること。
治療をした場合、手足に運動障害が出る可能性を下げられるが、
高額な費用が掛かること。
治療をしなかったからと言って、今後発症するかどうかわからないこと。
但し、発症した場合、治療をしなかったら何らかの機能障害が残るだろうこと。
一つ一つ丁寧に説明してくださりました。

でも、この時私は、既に決断していました。
だから、迷うことなく口にしました。

「私は、治療をしたいです。少しでも可能性を減らせるなら、
子供もいることですし、治療をしたいです。」

なぜこの選択をしたのでしょうか?
この選択をした理由を次回記事にしたいと思います。
ただ、この記事の核心部分は1コイン程度の有料にしたいと思っています。
今回の記事を読めば、ご自身でも調べられるものではあります。
なので、ご自身で調べて決断をすることも可能です。
それでも何らかの理由で私の決断を参考にしたい場合、
確実に、毎月数万円分のメリットが得られることはお約束します。
また、多発性硬化症に限らず、難病の診断を受けた人には参考にできる内容ですので、もしよろしければ有料部分もご覧いただけると嬉しいです。

それではまた、次回に。

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