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一瞬で心奪われたフィンランドプチ移住体験記 ~その2~

教育の魅力

フィンランドは1980年代に教育革命がありました。昔は、現在と教育制度が違ったので、50代以上の人の中には英語が話せない人もちらほらいました。けれども、今回私たちが関わった人のほとんどは、現在の教育制度になってから教育を受けた人たちだったので、ほとんどみんな、英語が話せました。

なぜ、そういう風に、世代によって教育背景が違うのかなというところをちょっと調べてみました。

フィンランドは、もともと農業中心のとても貧しい国で、女性や子供は社会のマイノリティでした。そんな中で、誰でも教育を受けられるようにすることが大事ということで、1980年代に教育改革があったようです 。

子供の教育は、機会の平等を大切にするだけでなく、教師一人ひとりが、しっかりと子供を見ることも大切にしています。学校から格差が生まれないようにするためです。なので、カリキュラムはガイドライン的な役割で、先生が何をやるかを決めています。また、子供たちの反応を見ながら、教育方法や教育内容を決めていきます。ここが、日本とすごく違うところなんじゃないかなというふうに感じました。


フィンランドの図書館 子供の椅子がかわいい。フィンランド語や他の言語が並んで置かれている。パズルなどのおもちゃも貸出無料。5分で貸出カードを作ってくれました。

教育は無料

教育制度も日本とだいぶ違います。

未就学児の保育園は多少お金を払います。日本と同じような形で、収入によって保育料が異なります。けれども、上限が基本的に現地通貨で5万円くらいなんですよね。なので、そんなに多くない負担で保育園通いをさせられます。あとは小学校から大学院まで教育が無料なんです。なので、子供たちだけじゃなくて、一度社会に出て仕事をしました、でもやっぱりちょっとこの会社にずっといるわけではないし、新しいスキルが必要だよなって感じた人も、大学院に戻って勉強しやすいです。大学院に戻った後、他の仕事に就いたり、大学院に通いながら仕事を続けるということもできます。

私たちが話した数十人のオフィスワーカーの人の大半は、コロナで出社は週1回、もしくは、会社に行かなくてもいいよみたいな人が大半でした。なので、仕事をしながら無料の大学院に通ってるみたいなこともあると聞きました。それが、すごく子供たちにとっても、社会人にとってもいいなあというふうに思いました。

ちなみに、教育費は、基本的に税金で賄われています。フィンランドは教育費の割合が結構高いようです。日本は低いというふうに聞きました。

ヘルシンキの本屋さんにもキッズスペースが。塗り絵、ぬいぐるみ、ゴロゴロできるスペースが心地よい。


一人ひとりに合わせる教育

先生は、子供たちに一人ひとりのペースに教育を合わせなきゃいけないっていう前提があります。ですので、フォローアップ(日本だと居残りみたいなか嫌な感じかもしれないんですけど、居残りという感じではなく)の時間が必要だったら、この後放課後にしますっていうのがあるそうです。また、必要に応じて留年をするっていうのがあって、学校の中で勉強が完結している。家では、ちょっとフォローはするけれども塾に行くっていうような考え方はないようでした。それからPISAっていう学力を判断する指数を測るものがあるんですけれども、フィンランドは世界の中で相対的に学力は高いです。

教師の役割

子どもたちをエンカレッジして努力することを後押しするのが教師の役割です。クラスの中で、落ちこぼれや出来損ないとかがいるんじゃなくて、一人一人が違っていて、その一人一人にかけがえのない価値があって、みんなが力を伸ばせるように努力を支援するのが教師の役割であると。なので、私たちが行っていた保育園でも、先生は何かを教えるというよりも子どもたちをエンカレッジして努力することを後押しすることを、日常保育生活でもよくやってくれていました。先生からそういう言葉が出てくるのが、とても新鮮な感じがしました。

言語教育

グローバル意識がとても高くて、ほとんどの人が英語を流暢に話せます。私はフィンランド語を話せませんでしたが、現地の生活で困ることは、ほんどなかったです。

基本的には、フィンランド語とスウェーデン語を学校で習って、学校によっては小学校の1年生~3年生くらいで、英語も始まります。みんな、習って話せて書けるのが当たり前、というのがすごいなあと思いました。

保育園のお友達宅で。黒パンにバターを厚く塗る子供たち。

学歴社会

フィンランドは学歴社会にも関わらず、日本の親のように、学歴を意識した行動が激化しません。なぜそうかというと、おそらく教育が無料なの当たり前で、無料の中にいろんなチョイスがあるからだと思います。学校の中でできるものをしよう、みたいな感じです。

また、教育の機会が平等なだけでなく、やり直しもきく。例えば、私たちが大学院に行こうと思って何年か働いたら、失業保険的なものが一定期間、6ヶ月から1年くらい出るんです。さらに、1年で終わる大学院のコースとかもあって、学費は無料。なので、雇用保険をもらって、生活のことを心配せずに、新しいことを学んで、キャリアを変えたり、ステップアップができるようです。

図書館はくつろぎスペース。ソファが点在。

早期教育

そもそもの前提がゆったりだと感じました。日本の小学生は6歳からですが、フィンランドでは、6歳はプレスクールといって小学校に行く準備の1年の年という風になっていて、7歳から小学校1年生が始まります。アジアのやり方とはだいぶ違うなというふうに感じました。PISAでは学力が高評価となっていて、留年も相談次第。意思決定が早いというところを感じました。

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