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『THE MATCH 2022』今更語りたいの第一幕

天心武尊の試合決定が発表された2021年12月24日から7ヶ月、そしてTHE MATCHが終わって1ヶ月経ち、あの天心武尊試合決定の瞬間まで時が戻り、またあのワクワクドキドキが止まらぬ6ヶ月を過ごしたいと思う一方で、終わってしまった寂しさが残る最近です。
そこで、今更ですがTHE MATCHについてトヤカク言おうとこのnote執筆に至りました。
私個人の好き嫌いや勝手な見解、偏った意見などが盛り沢山になってしまっているかもしれませんが、いちファンの意見として興味が湧いたなどで読んで頂けると幸いです。また、選手名など敬称を略させて頂きますのでご容赦ください。

THE MATCH開催決定で抱いたワクワクと疑問

2021年、私の人生において最大最高のクリスマスプレゼントが届いた。『那須川天心vs武尊』正式決定という。日本中の全ての格闘技ファンが共通認識であると私個人では思っている。このプレゼントは、2022年6月まで様々な憶測や予想などが色々な人と出来ること、そしてこのプレゼントは2022年6月の試合の瞬間に初めて開封されるモノであるからこそ、このプレゼントは価値がある。そしてまた、格闘技ファンにとっては6年以上もの間、欲しくて欲しくてたまらない正式発表であったからこそ、何度も諦めかけた瞬間があったからこそ価値があった。
そんな天心武尊だが、「興行にする意味があったのか」「天心武尊の1カードだけで良いのではないか」「他のカードはどんなカードが組まれるのか」など様々なことが脳裏によぎったが、それは全て後に分かることである。
ここで私が抱いた疑問として、「どのような経緯で試合が決定し、試合のルール、試合の条件、それぞれが譲れなかった点、それぞれが譲歩した点など」アナウンスがない限り、憶測でしか語れない部分を詳細に発表されないことがあった。ここまで長い年月決定がなされなかったカード。お互いがお互いの試合を観戦しに来たことやマイクパフォーマンスやSNSでの発信など、我々ファンが目にすることのできるこの試合の歴史におけるターニングポイントはいくつかあったが、やはり裏の部分を知りたくなるのが人間の性であって、ここまでビックな事であるなら尚更だ。この裏の部分を正式に詳細にアナウンスしなかったことによってTHE MATCHという興行が吉と出たのか出なかったのかは関係者にしか感じることのできぬ事だが、アナウンスしていたことによってファンの感情の入り方は違っていただろう。

全試合勝敗予想

賭け事やギャンブルは一切やらない私ですが、The Match に関してはBeeBetで勝敗予想をさせて頂きました。より感情移入するために、そして選手に還元されればという思いからであります。

BeeBetではこの選手に勝って欲しいという思いで賭けた試合もありましたが、感情移入なしTHE MATCH全試合の私の勝敗予想はこんな感じでした。

大会全試合をしっかり勝敗予想してから見たのは初だったのでいつもよりも観戦が楽しかったのを覚えています。

[オープニングファイト]  那須川龍心vs 大久保琉唯

試合前予想は大久保の判定勝利


那須川が大久保のミドル、前蹴りなどに手を焼き、攻撃の当たる距離に入れず判定で不利になると予想。
プロデビュー笠原戦では接近下の回転の早い攻撃が目立ち判定勝利を上げた那須川。対して大久保は、実は去年のk1甲子園会場におり、大久保の試合を何試合か観戦しており、まず去年までアマチュアの選手がTHE MATCH出場決定が衝撃。タッパがあり長いリーチを上手く駆使して戦う印象。そして2人共に共通した印象として、パンチ蹴り膝全ての動きがそつなく出来る素晴らしい才能のある選手であると感じるが、逆に一撃の怖い攻撃が見当たらずKO決着が浮かびづらく未だアマチュア選手という印象が拭えない。
一撃で終わる怖い攻撃がないもの同士の試合となるとやはりファイトスタイルの相性として大久保有利という予想、実際、試合内容•結果ともに自分としては予想通りすぎる展開となり、物足りなさを感じる試合ではあった。


おまけ的な話ではあるが、この試合は発表直後に賛否が分かれるカードで多少話題となっていた。デビューして間もないもの同士、プロでの実績がないもの同士の試合をこのキックボクシング史上最大の大会に組み込まれること、そしてその当人が那須川天心の弟であること。「那須川ブランド」で出場できているなど、さまざまな声をデビュー2戦目にして浴びることとなった那須川龍心。ここでド派手な勝利を掴み那須川家たる所以を見せて欲しいと期待していたが、やはり那須川ブランドというより那須川天心というブランドなのだなと今大会のオープニングとメインを見て感じることとなった。
自分としては、この試合発表によって指摘されるべき問題はそこではないだろうと。大久保は6月17日のKrush.138にて石郷慶人選手との試合がすでに発表されていた。大久保のTHE MATCH 出場を聞き、まず引っかかったのはそこだ。結果として石郷は対戦相手変更を余儀なくされ、大久保はKrushに穴をあける結果となった。ここで石郷には豪快な勝利とマイクパフォーマンスまで期待していたが、結果はドロー判定。一方大久保は大舞台でしっかりと白星を飾り、なんというか選手としての器の違いが結果にそのまま出たのかなと。勝利したことで大久保にはプラスとなる結果だったが、逆にここでTHE MATCH のオファーを断り、Krush出場の方が選手としての株もあがりプラスとなったのではとも思うところ。どちらにせよ直前に試合が決まっている選手にオファー、そしてそのオファーによる試合欠場は未だに引っ掛かる部分。

[第1試合]  鈴木真彦vs金子晃大

試合前予想はダウンを奪っての金子判定勝利


この試合は鈴木の回転力と金子の一撃という試合で、拮抗しながらも打ち合いの中打たれ強い金子が貰いながらも1発当てダウン奪取でポイント的に金子と予想しながら観戦。
しかし、試合は鈴木の回転力が1枚も2枚も上のように思わされるものとなった。自分は鈴木の回転力の速さにはそこまで驚きはなかったが、目を引いたのはディフェンス。金子右STなどの攻撃が何発かあったかのように見えた場面もあったが、終始金子の攻撃をしっかり見れていてクリーンヒットを許さなかった印象が強烈に残った。


結果判定2-0となったが、金子をあれほどまで凌駕する鈴木の回転力とディフェンス力には脱帽するような内容だった。志朗戦、溜田戦などディフェンスの課題の残る試合がいくつかあっただけにこの試合での鈴木の評価は何段階も上がっただろう。

[第2試合]  志朗vs玖村将史

試合前予想は玖村の大差の判定勝利。


実は、玖村については2018年のKrushデビュー大川戦を現地観戦。その大会では1番印象に残った華のある選手であり、自分の中では玖村はかなり評価の高い選手。
対して志朗は、卒なくなんでも出来る選手。那須川と2度にわたる対戦、55kgトーナメント優勝、先の江幡戦などRISEでの志朗しか見たことのない方は志朗の評価の高さは納得する。だが、自分の中ではなんだかんだムエタイの選手という印象が抜けず、掴みなしのルールでK1のトップどころとは相性、噛み合わせが悪いのではと考えてしまうところ。


実際、試合ではお互いジャブの差し合いをはじめとしたハイレベルの攻撃の交換となったが、玖村がペースを取られたという場面はなかったように思う。2R終了間際の右クロスでのダウン奪取はあっぱれ。


ここからは余談だが、志朗は試合後インタビューで、「28-28のドロー判定でもおかしくなかったのでは」というなんとも言えぬ発言があった。一時格闘技界の話題を独り占めした「やばいだろ」こと梅野源治選手といい、やはりムエタイあがりの選手にはあっちの独特の判定の感覚があるのかなと感じてしまうインタビュー。ただ志朗は負けと判定基準を受け入れているのが伝わる当たり障りないインタビューであった部分が梅野とは大きく違うところだが、ここで、志朗が梅野ばりの演説インタビューを披露してくれていれば何か展開が、などと考えたりもしたりしなかったり•••

[第3試合]  江幡睦vs璃明武

試合前予想は江幡の判定勝利。

正直あまり2選手とも数試合しか拝見したことはなく、なんとなくの予想。
江幡は新日本キック所属の選手だが、新日本キックでの試合は見たことなく、RIZINでの良星戦、RISEでの風音戦、鈴木戦は拝見したことがある。特徴の挙げづらい選手という印象。しいて挙げるなら真っ直ぐ系のパンチからフックの繋ぎが上手いと言う感じか。対して璃明武は、バックスピンでのKOシーン、先のK1スーパーバンタム級トーナメントの2試合くらいしか印象にない。璃明武の一撃がハマればKOもあり得るかと考えたが、やはり江幡の豊富な経験が上を行き判定で持っていくかと言う結論になった。
蓋を開けてみれば、どっちに票が入ってもおかしくないような試合展開•内容でなんとも言えない試合となった。

[第4試合]  風音vs黒田斗真

試合前予想は黒田がダウンを奪っての判定勝利


風音は、直近ではRISE53kgトーナメント優勝から那須川との対戦のイメージを持つ方が多いと思うが、自分の中では大崎一貴に何度もダウンを奪われての大差の判定負けが未だに印象として強く、また回転力は早いが倒す武器を持っていない風音を過小評価している部分もある。対して黒田は、K153kgトーナメント圧倒的優勝のイメージが強く、左の攻撃(左ST、左アッパー、左ミドル、左膝)が素晴らしいという印象。
実際、風音の攻撃で怖いものはなく、黒田の左STはタイミングが合えばという場面が何度か見られた。この試合中終始思っていたことは、黒田がもっと左ミドルを多用すれば、ということ、そして黒田の左膝があまり判定に響かなかったことには少し疑問符が浮かんだ。
この試合もどちらに判定がついてもいいような試合内容ではあったが、ダメージを取るなら黒田のような気がした。

[第5試合]  笠原友希vs中島千博

試合前予想では笠原判定勝利


笠原は先のRIZINでの飛び膝の鮮烈KOが記憶に新しく、また那須川との対戦も記憶にある。20戦を超えるキャリアがある中で2敗というレコードには少し驚きがあった。対して中島は、Krushのイメージが強く、空手の距離になったら強さが光るが、距離が変われば並の選手という印象。この両者の情報はそこまで知らなかったが、中島は10戦未満の戦績ということでキャリアの差がひっかかった。
実際試合では、笠原がダウン奪取しての完勝となったが、実は中島にはPODの強さを見せつけてくれるのではという期待も少し持っていただけに残念であった。

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