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シーズン前半戦 選手Rating 内野手編【F】

#2 内野手

 内野手はコンバートが難しい二遊間の選手を多く一軍に置き代打を出すことが可能な状況を作り、両コーナーには郡司やマルティネスといった打力のある選手をコンバートしたことで、内野手には二遊間における一定水準の守備力か打力のいずれかが要求されている。

43 水野 達稀 【評価】A

シーズン通算成績
月別成績

 田宮とともに今季の躍進の立役者の一人。ショートの打力不足と守備力不足の2つの問題を同時に解消した意味はとてつもなく大きい。
 打撃は、選球眼が悪く空振りも多いが、その分自分のスイングを崩さず空振りを恐れないのが持ち味。
 甘い球が来れば悠々とスタンドまで運ぶ力を持っており、追い込まれるまでのフェアゾーンに飛んだときの打率は.340、長打率は.550超と万波に近い数字を残している。
 また、足も速くリーグトップタイの7本の三塁打を記録しており、パワーとスピードを兼ね備えるフィジカルモンスターと言っても過言ではない。
 これから万波のように長期的なスパンでアプローチを改善していけば、更なる高みへと到達する可能性も十分に秘めている。
 守備面では、ショートで安定した守備を見せているのはもちろん、三遊間の打球に強く、レンジも想像以上に広い。交流戦で二つ負けに直結するエラーをしてしまったが、そんなことは気にならないくらいの貢献を見せている。
 それだけにリーグ戦再開直後に右足首の捻挫のために離脱を余儀なくされたのは相当な痛手だ。チームとして水野が戻ってくるまでをいかにして凌ぐかがこの先1-2か月間の大きな壁だろう。

4 上川畑 大悟 【評価】D

シーズン通算成績
月別成績

 開幕前に離脱し復帰直後こそ高い出塁率を記録していたが、徐々に調子が落ち5,6月はOPS5割台と物足りない。
 長打は二塁打1本、三塁打1本のみ。0ストライク時、1ストライク時ともに打率は2割と根本的にヒットを打てる形が失われている。その結果、追い込まれるまでのZone-Swing%(ゾーン内スイング%)は48.3%とリーグ平均を10%近く下回っており、スタイルそのものが消極的に。
 守備力には目を見張るものがあるだけに、とにかく水野が離脱している間打撃でショートのレギュラーを勝ち取り、水野を迎え撃ってほしい。

5 野村 佑希 【評価】E

シーズン通算成績
月別成績

 キャンプ・オープン戦と好調を維持しサードのレギュラーとして開幕を迎えたものの、大不振で一軍と二軍とを行き来することに。
 ヒットが欲しいあまり追い込まれる前にもかかわらず合わせてセンターから逆方向へのバッティングをするケースも目立っていたが、前回昇格時には
空振りをいとわないスイングを見せていたため心配はないだろう。
 ファームでは明らかに格の違いを見せつけている中で、課題は一軍でも同様に数少ない甘い球を確実に仕留め切れるか。ドンピシャのタイミングでバックネットにファウルを打つシーンが多いが、その狙った球をファウルにせず捉えきれればとんでもない打者になることは間違いない。
 同ポジションには、マルティネス、郡司、水谷、レイエス、清宮などライバルは強打者揃いだが、彼らを脅かすようなバウンスバックに期待したい。

21 清宮 幸太郎 【評価】E

シーズン通算成績
月別成績

 キャンプ直前の負傷で開幕に間に合わず。帰って来ても調整不足が目立ち、再度ファームで調整を経て現在は一軍に帯同中。
 気になるのはゴロの多さ。フェアゾーンに飛んだ全47打球のうちゴロアウト(失策出塁を含む。)が22個と40%強を占めており、これはゴロが多く長打の少ない上川畑や五十幡に近い数字だ。昨年までと比較して明らかにフライやライナーで強い打球を飛ばす形が出来ていないことを示している。
 持ち前のゾーン管理能力で6月は成績を回復させつつあるように見えるが、長打力と出塁能力を兼ね備える本来の姿からは程遠いのではないだろうか。個人的には野村よりも深刻な状況であり、ファームで調整すべきように思う。
 ここ2年はwRC+110を安定して叩き出しているだけに、戦力として計算できない現状は大誤算だが、焦って起用しても意味はない。

58 奈良間 大己 【評価】E

シーズン通算成績
月別成績

 開幕戦では相手先発小島との相性を買われスタメン出場し2出塁と活躍するも、その後は出場機会が限られ、持ち前の長打力も鳴りを潜める。
 思い切りの良い選手だが、とんでもないボール球にも手を出し、狙っていないと甘い球にも手が出ない。6月はZone Swing% 63.2、Chase% 49.1とゾーン管理が完全に崩壊していた。
 また、試合から遠ざかり狙った球が来ても捉えきれずファウルやポップフライになるという負のサイクルに入ってしまっている。
 その結果、2ストライクに追い込まれる打席が全体の3分の2近くを占め、三振も全打席の34%と明らかに多すぎる。
 内野はどこでも守れて二遊間では貴重な右打者という枠で一軍に帯同しているが、左投手相手に特別打っているわけでもないため、水野が帰ってくるまでに何とか対左投手だけでも結果を残したい。

38 石井 一成 【評価】C

シーズン通算成績
月別成績

 出場試合数は少ないが、セカンドの上川畑、奈良間、細川などと比べると頭一つ抜けた打力を見せていた。いい当たりが正面を突くことが多く下振れている印象。
 石井も野村と同様に追い込まれる前に狙った球を仕留めきれないことが長年の課題だろう。

3 加藤 豪将 【評価】D

シーズン通算成績
月別成績

 開幕から主に代打として難しい役割をこなしつつ、スタメン出場時の固め打ちでヒットを稼いでいたが、5月に入り17打席ノーヒット四死球ゼロで登録抹消。
 上川畑と同様に追い込まれるまでの成績が著しく悪く、ヒットを打つ形が安定していない印象。

56 細川 凌平 【評価】D

シーズン通算成績
月別成績

 ユーティリティとして6つのポジションを今季守り、スタメン出場は相手先発が佐々木朗希らエース級の投手のときと厳しい役割を与えられ、開幕から通じて一軍に帯同しながら打席数は46。
 野村や石井と同様狙った球をドンピシャのタイミングで打ちにいくもバックネットへのファウルというパターンが多く、浅いカウントで勝負に決着をつけることができていない印象。
 守備では外野では広い守備範囲と正確なスローイングで素晴らしい貢献を見せているが、内野ではまだ他の二遊間の選手と比べるとミスが目立つ。
 まだ高卒4年目のシーズンであり、ベンチで試合を眺める日々を送る時期ではない。一軍で感じたことを胸にファームでより大きくなって帰ってきてほしい。

9 中島 卓也 【評価】D

シーズン通算成績
月別成績

 今季は早いカウントで仕留め切りハードヒットを狙うという意図を強く感じ、追い込まれるまでの成績は実際に悪くないが、それでもやはり打撃面は相当厳しい。
 守備は全盛期からやや衰えが見えるものの、それでもそつなくこなし若手の見本となっている。
 現在の役割は主に代走と守備固めだが、代走で終盤に出るのであれば、もう少し盗塁成功率を上げたいところ。

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