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居場所研究の難しさ

なんちゃって居場所研究を始めて、早4カ月
やはり、何度でも思ってしまう…

「居場所ってナニ…?」

「居場所」「場づくり」って本当によく聞くし、具体的な取り組みを対象に運営者の語りや利用者の様子を聞き取ったもの、運営の方針や空間的特徴、利用者への接し方を考察したものなど色々あるけれど、居場所の定義は各研究で異なり、基準を設けて定めているとしても、著者の立ち位置により用いる定義は違うという印象

・小学生の場合は「被受容感」「安心感」「自己存在感」「充実感」を感じる場所
・「本来感」(自分らしくいられる)を感じる場所
・ホッとできる場所、1人でいられる場所
・他者との関係性が感じられる場所
・大人に監視されない場所
・信頼できる関係性

(西中 2014: 石本 2010: 藤原 2010)


誰かといる場所が自分と社会を救う

それでも、居場所は1人でホッとできる「個人的居場所」誰かと一緒に過ごせる「社会的居場所」に大きく分けられるのだろう

「個人的居場所」は家だと自分の部屋、学校だとお手洗いなどが挙げられるらしい
個人的には、ここで挙げられている場所は物理的な空間「space」であり、個人的には非常に無機質だと感じる

対して、「社会的居場所」は学校や会社の大部分の他、サークルや趣味の団体、行きつけのカフェなどいわゆる「サードプレイス」のような場所を指す。
自分の肩書きや、家や学校もしくは会社のことは忘れて(?)、他者と共に過ごすことができる社交的な空間「place」である。

個人の時代(家族の中でも個人主義が目立ってきている)では、1人で過ごせる「個人的居場所」が重宝されるだろうし、実際「1人〇〇」という行為と共に、1人カラオケができるカラオケボックス、お1人様歓迎のお店などが充実してきている

しかし、行きすぎた個人主義(家族の中でも目立ってきている)は、人間関係の希薄化を招き、孤独死、多数の自殺者などの社会的孤立といった問題として表れてきた

自分がありのままでいられるという感覚は、「個人的居場所」よりも「社会的居場所」に関連すると言われていることからも、他者と交流してつながりを築くことのできる「社会的居場所」の重要性は高まっているだろう


子どもの居場所の定義が定まらない

そういった背景もあり、「居場所づくり」「場づくり」が広まってきたのだろうし、私自身や友人が「誰も自分をわかってくれない」と感じたことがあることから、孤立感の軽減に今必要な居場所を考えるために、子どもに焦点を当てた「居場所づくり」をテーマに決めた

しかし、子供(0〜18歳を指す)の中でも、乳児・小学生・中学生・高校生・大学生で居場所だと感じるための条件が異なるし、利用者の状況によっても変わると思われるので、「一体私はどうやって定義すればいいのだろうか?」と途方にくれ、今もコネコネしつづけている

現状、小学生の居場所をテーマに研究・調査を進めているので、西中(2014)の小学生の居場所感を構成する4つの条件「安心感」「被受容感」「自己存在感」「充実感」と、小学生の他者との交流を見るために石本(2010)の「社会的居場所」を採用することにしているが、まだ腑に落ち切っていない気もする

やっぱり、スッキリしない
けれど、簡単にスッキリしてはいけない生命線に関わる問題だからこそのスッキリしなさだとも思うし、大事な「スッキリしない」に取り組んでいる自分を褒めてやりたいとも思った




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