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スーパー高齢者伯母あさこの物語3

なにしろすごい伯母でした。もともと芸大の師範科をでてピアノの先生をしていた人で、今だにご近所の人を集めて歌の会を催しているというので、彼女の90歳のお祝いに訪ねて行きました。

近くに娘である私の従姉妹が住んでいるものの、普段は一人暮らしで家事も全て自分でこなし、庭いじりが大好きで、毎日家中の拭き掃除も欠かさない。彼女の催す歌の会では、楽譜も全部用意する。

私が子供の頃から、彼女が我が家にやって来ると、「さあ 歌いましょう!」という鶴の一声で、ピアノの前に座り、それから果てしなく歌わされるのですが、何せ曲がシューベルトとかモーツァルト!歌ったことのない曲だとその場で練習させられます。

今回訪ねて行った時も、私が歌うことをとても喜んでくれるのでシューベルトを持参していきましたが、まず歌の会でふるさと、ヤシの実、浜辺の歌、花、他フルコーラスで2回くらい歌い。さらに持って行ったシューベルトを披露し、私はもうヘトヘトだったのに、彼女はまだまだ果てしなく歌っている。

しかも、歌の会では、
「や」の発音はちゃんとYの発音をしてはっきりとね!
とか、

ここに休符があるところが楽しいのだから、ちゃんと休符にしてね!

と注意し、それでも皆さんがうまく音を切らずに歌っていると、その休符のタイミングで伴奏の音を切って、休符をうながすという指導までする。
この曲は、楽しい曲ですから、そんなおすまし顔では歌えませんよ。
とダメ出しもする

お達者とかいう次元を超えてるこの人。

90過ぎたらね、オマケの人生だと思ってるの。どっこも悪くないしね!健康で、なんでも食べるの。嫌いな物はなにもないの。そして全然ボケてないの、それがいいのよね。これから先は生きた分だけ得をするだけ!
それに私、まだまだ死なないと思うのよね

と自分のことを語る伯母。

確かにまったくボケて無い!どころか、行動のすべての抜かりがない!

私のお土産のお菓子は、包み紙が綺麗だと褒め、開けて喜び、食べて美味しいと言い、すぐさま幾つかを包んで従姉妹におすそ分けする。

芸大の卒業生の話になったらすぐさま同調会名簿を出してきて、細かい字の目次をすごい速さで調べて同級生や先輩を見つけ出す。

どうやったら90年間こんな風にいられるのか?

伯母あさこは2021年12月29日 96歳の生涯を終えました。
オマケは6年 きっと満足だったことでしょう

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