「50代の壁」
「50代の壁」(江上剛 PHP文庫)
第一勧銀の銀行員から作家となり、日本振興銀行社長となって破綻処理をした著者による、50代の過ごし方についてのアドバイスの本。著者の経歴が謎だが、波乱万丈であることは確かである。
私が、リストラ対象の50代に言いたいことは1つだけである。「意地を張れ」ということだ。ありていに言えば身勝手に生きろということだ。
会社がリストラを迫っても、ホイホイと受けるんじゃない。とことん会社にしがみつくべきである。今までの経験も実績もまったく評価せずリストラを迫ってくる会社に一泡吹かせるなら、居残って、意地を張り、身勝手に振舞い「異端」として会社内に居場所を作るのだ。(12ページ)
私の例は多くの人には当てはまらないかもしれないが、例えば今の仕事内容に不満がある人は、「5年後、10年後にやりたいこと」を念頭に置きながら、働いてみたらどうだろう。もしかしたら、今の仕事の延長線上に、将来やりたいことにつながるものがあるかもしれない。
私の信条に「人生に無駄なことなし」がある。どんな経験も自分の人生に生きる、生かせるということだ。(86ページ)
50代になったら、自分からいそいそと若い人に近づくことはない。インスタグラム、ツイッターなどなど、若い人と同じ次元に歩み寄ることはない。
とにかく孤独になれ。そして自分を見つめ直せ。都内にも、どこにでも座禅道場はある。かつてあったような怪しげな新興宗教のようなところで座禅を組めと言うのではない。ちゃんとした禅寺で座禅を組んで自分を見つめ直せ。
あるいは、そんな場所にわざわざ行くこともない。自宅で1人瞑想をすればよい。否、そんな形に囚われることもない。出勤の途中や取引先に行く時に、じっくりと自らを見つめればいい。電車の中でスマートフォンをいじる時間があれば、「Who am I?(私は何者なのか)」と問いかければいいのだ。
これであなたは間違いなく変わるだろう。若い人(部下)に自分から近づくな。むしろ孤独になれ。(104-105ページ)
あなたも気をつけた方がいい。
「のに」が頭に住み着くと、悔しさ、悲しさ、虚しさで心がいっぱいになる。
一生懸命勉強したのに、成績が悪い。真面目に働いたのに、出世しない。こんなに努力をしてきたのに、上司運が悪い、などなど。
とにかく「のに」を頭からなくしなさい。これがうつ病の原因だから。(150ページ)
名刺の棚卸の結果、あなたが「この人となら、会社を辞めた後も付き合いたい」と思う人を見つけたら、今からでも本音で付き合い、素のままの自分を相手に認めてもらうことだ。(184ページ)
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