「60歳までに「お金の自由」を手に入れる!」
「60歳までに「お金の自由」を手に入れる!」(榊原正幸 PHPビジネス新書)
元大学教授で、フィナンシャル教育の普及活動を行っている著者による、60歳までにお金の不安を解消し、いつでも辞められる自分を作ることについての本。いやじゃない仕事について還暦前後まで働くことで資産運用をする時間を稼ぎ、その後はやろうと思えばヤンリタ(Young Retirement)できる経済状況、つまり自分の金融資産残高が永久に枯渇しないようなシステムを作ることを勧めている。
「四つの基本的な提言」として以下を述べている(102ページ)。
できるだけ「早く」、遅くとも40歳~45歳までには「イヤじゃない仕事」に就きましょう!
25歳くらいから60歳くらいまでの長い時間をかけて、資産運用をすることによって、盤石の経済的基盤を構築しましょう!
60歳までに、遅くとも65歳までには「経済的自由」の基盤を確立しましょう!
60歳を過ぎたら、「お金のため、生活のために、仕方なく働く」ということを回避しましょう!
肝心の運用方法は、「安全・安心な投資先を選び、その会社の株価が一定の基準を満たして安くなったら購入。そのまま保有し続けて配当を得る。ただし、やはり一定の基準を満たして高くなったら売却して売却益を得る」というもの(230-231ページ)。この運用方法は何だかなあと思うような内容で、すぐ真似できそうもないが、この本はいろいろ言い回しが面白かったり、60歳過ぎじゃないと出てこないような話があちこちあって、面白かった。本の最後には著者のメールアドレスも載っていて、質問にお答えするそうである。本当だろうか。
「それでも60歳ヤンリタを勧める理由」
<一番大きな理由>人生の残り時間が少ないから
<二番目の理由>「ヤンリタなんて目指すな」は、若い人の話だから
<三番目の理由>60歳は若いけど、若くないから (45-48ページ)
ちなみに、「ピンコロ率」には諸説ありますが、おおむね20%弱のようですから、80%強の人は、「働けなくなってからはどうするの?という問題」にいずれ直面する(64ページ)
その仕事は本当に「死ぬまでやっていたい仕事」か? (74ページ)
重要なのは早く辞めることではなく、「イヤな仕事」を「イヤじゃない仕事」に変えること (99ページ)
「Exit Option」とは「出口を選択する権利」と訳せます。「盤石の経済的基盤」を構築してしまえば、この「Exit Option」を持てます。 (104ページ)
人間、60歳くらいになると、それまでイヤじゃなかった仕事でも、「イヤ」になってきます。(108-109ページ)
「お金持ち」になって、「どうなりたいのか」が本題です。(122ページ)
60歳前後を過ぎたらもう若くはないので、「お金と時間だけ」がある生活をすることをオススメします。(132ページ)
時間とは「命」である
イヤな仕事とは、命を切り売りしているのと同じ (138-139ページ)
就活サイトにエントリーする前に、次の二つのことをじっくりと考えてください。
・自分がどう生きていきたいか?
・自分にとって「イヤじゃない仕事」とはなんなのか? (150ページ)
大事なのは「最悪を避ける」こと (161ページ)
「人生100年時代」なんて来ていない!
男女とも、「健康なのは70歳まで」と心得ておいたほうがいいでしょう。(166-167ページ)
FIRA60(Financial Independence: Retire Around 60)到達までの進捗度を考える時に必要な要素は、次の三つの項目です。
リタイア後に、自分の世帯が満足する生活費は毎月いくらか?
自分が長期的に達成可能な運用利回りは年率何%か?
自分の世帯が受け取れる年金の手取り額は毎月いくらか? (174ページ)
「FIRA60」を達成するか否かにかかわらず、どっちみちこれからの時代は、資産運用は「ありき」なのです。(205ページ)
「運用能力」という「専門能力」は、ひとたび身につけてしまえば、失うことはないのです。(215ページ)
<成功するサイドビジネスの指針>
指針1 本業との関連性があって、自分の経験や知識が生かせる
指針2 自分が好きなことや、得意なことから選ぶ
指針3 その中で、自分だけが笑顔になることではなく、皆さんが笑顔になることをやる(220ページ)
副業の目標は「毎月10万円」(221ページ)
実は重要な「ナンピン買い」(241ページ)
「人生でやり残したことリスト」を作る(259ページ)
本を読むことの重要性~「読書は、最大の武器」~(261ページ)