見出し画像

「いろんな人に聞いてみた 「なんで勉強しなきゃいけないの?」」

「いろんな人に聞いてみた 「なんで勉強しなきゃいけないの?」」(WILLこども知育研究所 金の星社)

タイトルの通り、「なぜ勉強をしなければならないのか」という疑問を様々な分野の方に投げかけて、その方々の子ども時代を描いたマンガと、さまざまな回答が載った本。

・秋山 仁さん(数学者)
  辞書で単語を調べられる? じゃあ、だいじょうぶ!
・平野レミさん(料理愛好家)
  勉強なんて、やりたいときにやればいい。人生、なんとかなるよ!
・ヒャダインさん(音楽クリエイター)
  人生というゲームを楽しく攻略するために勉強が必要
・荒俣 宏さん(作家/博物学研究家)
  好奇心を満たして夢中になれること。それが、本当の勉強!
・池谷裕二さん(脳研究者)
  この本を見ているキミ、一回、勉強やめちゃえ!
・トラウデン直美さん(モデル)
  中1で大人の世界に飛びこんだわたしが勉強について思うこと
・伊勢﨑賢治さん(紛争解決請負人)
  今、時代が変わるとき! 新しい価値観で世界を生きぬこう
・葉一さん(教育系ユーチューバー)
  たのむ! 「バカだから」「ムダだし」と思いこむのはやめてくれ!
・根本美緒さん(気象予報士)
  かっこいい自分でいるために、勉強で自分をアップデート!
・大迫 傑さん(陸上長距離ランナー)
  小さな成功体験を積み重ねよう! それが、キミを成長させる

以前も似たような企画の本を見たことがある。「いろんな人」の人選がポイントだと思うが、約10年前の以下の本と比べると、荒俣宏さん以外は全て別の人である。

マンガもあり、読みやすいと思ったが、勉強しない子どもがこの本を読むのかなと思った。また回答の中に、「貧しさからぬけだすための勉強という手段」という話があったのが印象的だった。この回答は、インドのカースト制度を例に、固定された身分から解放されるための手段として勉強をとらえたもので、これはこれでありだと思った。

ただ、将来正社員になるためだけに大学に進学し、学問は二の次という日本の状況を考えると、勉強を手段としてしか考えない態度にもやや疑問を感じる。本来、勉強は面白いものであり、ある意味で物好きが勉強をして、勉強が好きでない人にはそれ以外の進路もあるという状況が望ましいのではないかと個人的には感じた。どんな親でも子には勉強してもらいたいだろうし、なかなかそうも言っていられないのかも知れないが。こんなサイトも見つけた。やはり、難しい質問なのだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?