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「2040年の未来予測」

「2040年の未来予測」(成毛眞 日経BP)

元日本マイクロソフト社長による、20年後の予測の本。第1章はテクノロジーについての話で、6G、自動運転、空飛ぶ車、無人店舗、医療とAI、エネルギーなどの可能性について述べている。第2章は未来の経済についての話で、年金、税金、医療費、退職金などについて述べている。第3章は衣食住についての話で、「遺伝子編集した魚を食べないともうもたない」(205ページ)、「アメリカの大学は富裕層以外は行けない」(217ページ)、「貧しくなる日本にシェアリングは不可欠」(232ページ)など悲観的な言葉が並ぶ。第4章は天災についての話で、温暖化、水害、地震、富士山噴火などについて述べている。

非常に幅広いトピックを扱っていることに驚かされた。総じて、悲観的な気分になるトピックが多かったが、「おわりに」で以下のように述べている。
「それでは、あなたは、どうすればいいのか。最後に、ひとつアドバイスをしよう。国を忘れることだ。日本国民であることを忘れろとか、国籍を変えろとかそういう話ではない。「あなたの力で国を変えよう」などと間違っても思うなということだ。」(268ページ)
「つまり、政治の世界も民間の世界も、飛び抜けて優秀な人材が日夜を問わず働いても、世界的ヒット商品のひとつ生み出せないのが実情だ。今、これを読んでいるあなたは、国を忘れて、これからの時代をどうやって生き残るのかをまず考えるべきだ。どうすれば幸せな人生を送れるかに全エネルギーを注ぐのをおススメする。」(269ページ)
「生き残るためには、幸せになるためには環境に順応しなければならない。生き残るのは優秀な人ではなく、環境に順応した人であることは歴史が証明している。環境に適応するには環境を知ることが不可欠だ。人間は想像力を超えた現実には太刀打ちできない。最悪の事態が想定できていれば、右往左往することはない。」(270ページ)

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