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スタイルはそれぞれ自由なのだけど

私はヘアスタイルとかファッションとか、それぞれ好きなように、自由でいいと思っている派だ。

その中には当然好き嫌いもあって、たまに街中で「えっ」と思う人もいる。でも自分はそういうスタイルにしない、というだけのことで、その人はきっとそれでいい。

なのだけど、昨日は不覚にも思ってしまった。
「切ればいいのに」と。

昨夜わたしは、いつもの如くお風呂に行ってきた。そこで、腰ほどの長さの髪を、延々と洗っている人を見かけたのだ。

この日、私は風呂屋での、いつものルーティンを終え、締めの炭酸泉に入った。
何を見るでも、誰を見るでもなく、肩まで浸かったり半身浴したりしながら、かなりの時間をそこで過ごした。

が、“その人”はなんとなく視界に入っていた。あまりにも長い髪だったので、目についたのだ。

基本わたしはボーッとしていたのだけど、そのうち
「ん?」
「あれ?」
と思い始めた。

いつ見ても、何度見ても、“その人”は髪を洗っている。終いには、いつ洗い終わるのか気になって、目が離せなくなってしまった。

結局その人は、私が炭酸泉にいた30分以上、ずっと髪を洗っていた。頭を垂れるような体勢で、それはそれは入念に。

ずっとあの体勢でいるだけでも大変だと思う(おそらく60歳位)。私は風呂を出て、更衣室に移動しながら、要らぬ事を考え始めていた。

毎日あの調子じゃ、水道代、ガス代もバカにならないだろう。入浴時間も相当かかっているに違いない。毎日待たされる家族も大変なものだろう(最後に入っているのかもしれないが)。夏なんて髪を乾かすだけで、汗だくになるんじゃないか...

全て余計なお世話だ。

しかし、その思考は、私が髪を乾かしている間も続いた。そしてようやく髪を乾かし終えた時、やっと思考に区切りがついた。
そう、ようやく髪を乾かし終えた時に。

私は髪を乾かすのに、人の倍は掛かる。かなり酷いクセ毛なのだ。私より前からいた人は勿論、後から来た人も、ほぼいなくなっていた。

因みに皆んなは備え付けのドライヤーを使っている中、私はわざわざパナソニックの高性能ドライヤーを持参している。そして、そんなに苦労して乾かした髪は、浮世絵の荒波のように荒れまくり、平常時の3倍程にボンバーしている。

きっとそれに気づいた誰かが、こう思っているに違いない...
「ストパーかければいいのに」と。


結局、誰がどう思おうと、その人の好きなようにすればいいのだと、改めて我が身を振り返ったのでした。

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