セックス依存症のおかげで自転車が好きになった話

セックス依存症を診断されてからはや4ヶ月、自助グループでいろいろな話をしたり聞いたりしてきました。その中でひとつの気づきがあり、ものすごく腑に落ちたので今回はその話をしようと思います。

セックス依存症と自転車の結びつき

自己紹介の記事に書いた通りですが、僕はセックス依存症を持っています(セックスそのものに問題はない)。主な問題行動は覗きの類ですが、実を言うとそれに関連して、小学生の頃からマニアックなエロ本の探索行動に精を燃やしておりました。

小学校3年生くらいの頃から近所のコンビニでエロ本を立ち読みしては店員に怒られておりましたが、性懲りも無く繰り返していたので、同級生に目撃されることも珍しくありませんでした。学校ではいつも「お前コンビニでエロ本読んでんじゃねーよw」といじめられてもエロ本を読むのがやめられない子供だったのです。

そして5年生くらいになると、だんだん知ってる人に見つからないようにマニアックなエロ本を選んで(投稿素人写真とか聖水マニアとかそういう類の)エロ本を立ち読みするようになります。見つかっては場所を変えることを繰り返すうちに、だんだん遠くの書店へ足を運ぶようになりました。
これが自転車と僕の付き合いの始まりです。

小学生の頃から僕の主たる問題行動がいつでもできるわけじゃなかったので、普段はエロ本の立ち読みに耽溺(悪いことにハマってしまうこと)していました。すると近所から遠くへ、市内から市外へ行くのに自転車を使うようになります。学校が休みの日にはエロ本を立ち読みできる書店の開拓を始め、探索行動を繰り返していました。

そのうちにメインの問題行動を起こそうと(アクティングアウト)するわけですが、自転車はいつでも僕の悪友でした。探索行動では常に一緒で、そして普段は高校時代の通学の足に扮して片時も離れませんでした。

問題行動で培った地の利と自転車メンタル

僕は元来が鉄オタだったので、高校時代に電車でGOにハマって以来こういうことをよくやります。

自転車生活を楽しくしたのは電車でGOではありますが、元々の自転車の素質はセックス依存症によって現れた片鱗です。
よく「エロが原動力」という言い方をしますが、実際にはエロではなく「居場所」を求めた愛欲行動のひとつとしての問題行動だったわけです。

それが20年以上の時を経て自転車に目覚め、子供時代に探索行動をした地域でUberEATSをやるまでに変わりました。
あの書店にはあんなエロ本があったなぁ、ここの書店は店員の見回りが緩かったから良かったなぁ、など思い起こしながら配達に回り、毎日100km近く走っています。

ちなみに僕は最初からUberEATSで今みたいに稼げていたわけではなく、3年前の秋の登録当初は都内の坂に心が折れ、筋肉痛でメンタル崩壊していました。しかしこの仕事は楽しく稼げることを認識し、自転車のスペックを上げれば稼げるようになると信じて投資したのです。
当初の自転車はエントリーモデルの11万円のロードバイクでした。コンポを変え、ホイールを変え、ついにはフレームを載せかえるのを経て、さらにそれを2台体制にすることによって稼働日数が増えて稼げるようになったわけです。そこにコロナ禍の今、かつてエロ本探索をした地域がUberEATSエリア入りしたことにより、渡りに船となりました。
まさに問題行動により、自転車メンタルと地の利に恵まれる結果となったのです。

そして実はUberEATSを始める前、自傷的なセックスを繰り返していたことが一時期ありました。この時にも都内のハプバーにロードバイクで通い、夜更けに家に帰っては次のセックスのために体を休めるみたいな有様でした。
セックスを中心にした生活の中で自転車はどうしても欠かせないツールになっていたのです。

これが幼少期の自転車が悪友だった時代を体に思い出させたのかもしれません。いま思えばよく行ったもんだと思いますが、おそらく僕にとってこの荒れた生活は生きるために必要なことだったんだろうと思います。

ありがとうセックス依存症

コロナ禍であらゆる業界が縮小していく中、デリバリー業界は激戦の時代に突入しています。時期を同じくして僕のセックス依存症の診断があって自助グループに通うようになり、この符号には何らかの不思議な力を感じました。
自助グループでは、このような力を「偉大な力(ハイヤーパワー)」と呼びます。まさにセックス依存症の発覚したタイミング、そして子供の頃に問題行動を起こす時の自転車での行動力が花開いたこと、それがハイヤーパワーの為せる業だったわけですね。

僕がセックス依存症になったのは、まさしく自転車を好きになるためだったのです。かつて悪友だった自転車は今ではセックス依存症に立ち向かう戦友として、共に苦難を戦っています。自転車を信じ抜いた結果がもたらした賜物です。ありがとうセックス依存症。

セックス依存症も悪いことばかりではない、それがハイヤーパワーの教えてくれたことなんだと思います。この偉大な力に感謝し、今度はセックス依存症を盟友として人生を生き抜いていきたいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?