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native | FIELD assistant

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NPO法人フィールドアシスタントがお届けする、世界各地の人たちに暮らしの知恵を求めて話を聞くポッドキャスト「ラジオネイティブ(radio native)」を公開中。このマガジンは… もっと読む
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#ネパール

nativeとは

厳しい環境の中にこそ、美しい暮らしがある これは極地建築家・村上祐資の信念だ。地球上で「極地」と呼ばれる場所は、牙をむいた自然が目の前に迫り、人を容易には寄せつけない。だが、そんなところでも人は暮らしを続けている。日本の南極観測隊はもう60年以上、雪と氷の地で暮らしをつなぎ続けてきた。富士山の山頂で観測を続ける人、あるいはヒマラヤのベースキャンプで登山家を見守る人たちもいる。村上はそんな場所に出かけては、もう1000日以上、暮らしてきた。建築家としての関心は、極地の暮らしのな

暮らしをつなぎ続けるためのヒントを探る

その国を知る人と旅をする 今井 この2回、ネパールについての放送を振り返ってきました。村上さん、いかがだったでしょうかここまで。 村上 はい、僕自身ネパールは何度か通っていますが、改めていろんな発見が多い回だったかなと思ってるんですけど。今井さんネパールに一度行ってますよね。僕と一緒にジリという村まで来ていただいたんですけど、これからもしサティスが話してくれてたところに今井さんご自身が訪れるとき、改めてネパールをよく知るためかもしれないですけど、安全だけではなくて、ガイドさ

ネパールを形づくる力について

開けちゃいけない扉今井 ここ数回ですが、ネパールについて集中してお話を伺ってきました。最初は門谷JUMBO優さんにネパールでのアウトドアバッグ作りについてお話を聞きました。続いてのシリーズも同じ門谷さんに、今度はドキュメンタリーフォトグラファーとして追っているラウテ族というネパールの森を移動しながら暮らす民族についてお話を伺いました。さらにネパールのニレカアドベンチャーズの代表サティスさんには、アウトドアガイドの仕事について伺いました。そして前回まで、村上さんにゲストになって

居候してみて見えた、カトマンズの暮らしの裏側

共同生活と個室の南京錠 今井 前回からちょっとイレギュラーですが、極地建築家として世界の暮らしを見続けてきたフィールドアシスト代表の村上さんをゲストとしてネパールの話を聞いています。 前回は、2015年にネパールであった大震災の後、現地の村に入ったお話を聞きました。今回はネパールの人たちにとって家ってどういうものなのか、どういう暮らしをされてるのかというお話を伺いたいなと思います。 村上さんは、以前この番組にも出ていただいたカトマンズでガイド会社をするサティスさんの家に一時期

ネパールの震源の村で見た、共に生きる暮らし

電気も水も通らない山の村を訪ねて今井 門谷JUMBO優さんとサティスさんに、ネパールについてお話を伺ってきましたが、今回はちょっとイレギュラーで、フィールドアシスタント代表の村上さんをゲストとしてお話を伺いたいと思います。よろしくお願いします。 村上 よろしくお願いします。 今井 実は村上さんは南極や北極をはじめ、国内外の様々な極地に出かけて、人の暮らしをこれまで見てこられました。ネパールでも様々な暮らしを見てこられたということなので、今回お話を伺いたいなと思います。

目標を失って見つけた山という世界

これが私の次の仕事かもしれないサティスさん、2回目だったと思うんですけれども、サティスさんご自身はネワール族という民族で、おもにネワール族は商売をする民族だとうかがいました。ネパールでは各民族ごとに決まった職業があるのでしょうか? サティス いろんな族があって、その族の仕事があるんですよ。例えば、ネワール族は商売。グルン族だったら農業とグルカ兵っていう、昔のイギリスの傭兵の仕事をする人がいます。そういうように、いろんな民族に、自分の仕事があるんですよ。 その中でうちは首都カ

ネパールのガイド お客さんには見せない裏側

山の暮らしを見る旅行計画今井 ネパールでニレカアドベンチャーズというガイド会社をされている代表のサティスさんにお話を伺っています。 前回までいろんな民族の話をしていただきましたが、コロナ前には村上さんもサティさんと山に暮らす人々を訪れる計画を立ててみいたみたいですが・・・ 村上 そうなんですよ。最初にそういう道を歩くのを考えようと言っていたのはコロナのさらに前だったと思うんですけど、何かこんなことしたいんだよねとサティスに相談してたら、サティスが「良いルートがあるよ」って提

100以上の民族が暮らす多様なネパール

ネパールでニレカアドベンチャーズというガイド会社をされている代表サティス・マン・パティさんにお話を伺っています。 歩いて出会った民族、味、暮らし今井 前回なんですけれども、ネパールには100以上の民族がいると伺いました。特にサティスさんは、西から東までネパールを横断するような形で歩かれたということなんですけれども、どういう人たちがいらっしゃって、それぞれどんな特徴がある人たちなのか、教えていただけますか。 サティス そうですね。西から東まで横断したときですが、グレートヒマ

ネパールの大自然にいざなうガイドの役目

春と秋がトレッキングシーズン今井 今回からも舞台はネパールになります。ネパールでニレカアドベンチャーズというガイド会社をされているサティス・マン・パティさんにお話を伺います。 村上 サティス、僕らが出会ったの何年前でしたっけ。 サティス はっきり覚えてないんですけれども、多分12、13年前からですね。 村上 そうですよね。当時サティスは北海道のガイド会社で働いていました。夏の間、ネパールがモンスーンに入ってしまう時期に日本で働いていて、僕もその北海道でサティスと出会った

ネパールの遊動民族ラウテから学ぶこと

自分たちらしさを持つことの功罪今井 ドキュメンタリーフォトグラファーとして、ネパールでラウテ族という移動する民族を追う門谷JUMBO優さんにお話を伺います。JUMBOさん今回もよろしくお願いしますます。 JUMBO ナマステ。よろしくお願いします。 今井 改めてになるんですけれども、JUMBOさんはなぜネパールに通い続けて、なぜこのラウテ族を10年にわたって追い続けてこられたのでしょうか? JUMBO 一言で言うと、彼らがめちゃくちゃ魅力的だからです。 村上 いやあも

変わりゆく最後の遊動民族ラウテ

「自分勝手」を守ってきたラウテ族と、受けいれてきたネパール今井 ドキュメンタリーフォトグラファーとして、ネパールでラウテ族という移動する民族を追っている門谷JUMBO優さんにお話を伺っています。 JUMBO よろしくお願いします。ナマステ。 今井 これまで2回に渡ってラウテ族をご紹介いただきましたが、移動しながら暮らしていくのが一つ大きな特徴であるのと、木を切って器を作りそれを売って、周りの民族と交易をしながら暮らしていく、そういう暮らしをしている人たちがこの時代にまだい

800年間、森を歩き続けるラウテの人たち

移動生活と、迫りくる現代との摩擦今井 ドキュメンタリーフォトグラファーとしてネパールで移動する民族「ラウテ族」を取材されている門谷JUMBO優さんにお話を伺っています。 今回もJUMBOさんには、カトマンズから登場いただきますが、前回お話を伺ったラウテ族は、森の中を移動しながら木を切って器を作って、それを売って生活をしているというお話を伺いました。JUMBOさん、コロナ禍もあって今回訪れるのは2年ぶりぐらいになるんでしょうか。 JUMBO そうですね、2年半ぶりですね。

ネパールの森で移動生活を続けるラウテの人たち

モンスーンの森は霧の中今井 前回までも出ていただいたドキュメンタリーフォトグラファーの門谷JUMBO優さん。前回まではThe 3rd Eye Chakra Field Bag Worksというアウトドアバッグ作りについてお話を伺いましたけれども、今回からはJUMBOさんのもう一つの側面であるドキュメンタリーフォトグラファーとしての活動についてお話を伺いたいと思います。 実は、JUMBOさんは昨日まで、ネパールのある民族の村に出かけて取材をされていて、ちょうど首都のカトマンズ

震災をきっかけに変容するネパール

復興が望めない人たちによる意識の変化今井 ドキュメンタリーフォトグラファーであり、ネパールでThe 3rd Eye Chakra Field Bag Worksというアウトドアバッグ作りをされている。門谷JUMBO優さんにお話を伺ってきました。ジャンボさん今回もよろしくお願いします。 JUMBO よろしくお願いします。 今井 これまで3回にわたってThe 3rd Eye Chakra Field Bag Worksというアウトドアブランドについてお話を伺ってきたんですが、