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NPO法人フィールドアシスタントがお届けする、世界各地の人たちに暮らしの知恵を求めて話を聞くポッドキャスト「ラジオネイティブ(radio native)」を公開中。このマガジンは… もっと読む
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#フィールドアシスタント

nativeとは

厳しい環境の中にこそ、美しい暮らしがある これは極地建築家・村上祐資の信念だ。地球上で「極地」と呼ばれる場所は、牙をむいた自然が目の前に迫り、人を容易には寄せつけない。だが、そんなところでも人は暮らしを続けている。日本の南極観測隊はもう60年以上、雪と氷の地で暮らしをつなぎ続けてきた。富士山の山頂で観測を続ける人、あるいはヒマラヤのベースキャンプで登山家を見守る人たちもいる。村上はそんな場所に出かけては、もう1000日以上、暮らしてきた。建築家としての関心は、極地の暮らしのな

食に豊かさを与えてくれる友だち、それがふりかけ

愛されているからこその責任今井 私も以前熊本に行った時に、どんなスーパーに行ってもフタバの「御飯の友」を見かけたんですけれど、食べてる人たちの声は、どういう声が届いているでしょうか。 安部 「昔からよく食べてるよ」っていう話はよくいただきます。私も熊本に来てまだ10年なんです。でもいろんな人とお話しする機会があると、「御飯の友」って言うと「知ってるよ、昔から小さい頃から食べているよ」とか、あとはお子さんをもつお母さん世代の人から「子供が白いご飯だけじゃ食べないんだけど、これ

カルシウム不足を補うサプリ? ふりかけ誕生の秘話

ふりかけの元祖、フタバの「御飯の友」 村上 突然ですがみなさん、最近、ふりかけを食べていますか? ふりかけの発祥の地をご存知でしょうか。実は熊本なんです。「御飯の友」というふりかけが元祖になるんですけど、そのふりかけを、大正2年からとうかがっていますが、100年以上前から作り続けている株式会社フタバの代表取締役・安部直也さんにお話を伺います。 今井 さっそくですが、フタバの「御飯の友」はふりかけの「元祖」なんですか。 安部 全国ふりかけ協会という団体があって、15社ほど加

「自分らしく生きる」を目指してほしい

丸の内も、釧路川も同じだな今井 がってんさんと辻さんは今は別々の場所で、それぞれの仕事をされていますが、本格的な対談は3年ぶりということですね。この機会ですので、がってんさんから辻さんに、今だから聞いてみたいことはありますか。 がってん 亮多は38になったんだっけ? 辻 39になります。 がってん ちょうど体力が変わり始めるころかなと思うんだけど、今までどおり行かず、修正が出る頃だと思うんだけど、何か対応してる? 辻 まだ違和感のままにいますね。そう言えばがってんが4

復興。それは、心にゆとりを感じる瞬間が訪れること

暮らしをつなぎ続けるヒントを考えるポッドキャスト「ラジオネイティブ」を、テキスト版でお伝えします。今回は熊本県益城町の町職員で、まちづくりの仕事をされる桑原孝太さんの最終回です。 がらりと変わった公務員のイメージ今井 今回は桑原さんご自身についてお聞きしたいんですけど、桑原さんは益城町でお生まれになったんですか。 桑原 生まれは熊本県八代市というところだったんですけど、幼稚園に入る前までは福岡県の方に住んでいて、幼稚園に入る前に益城町に引っ越してきました。 今井 どうい

物の備えと、心の備え 熊本・益城町の避難所で気づいたこと

暮らしをつなぎ続けるヒントを考えるポッドキャスト「ラジオネイティブ」を、テキスト版でお伝えします。今回は熊本県益城町の町職員で、まちづくりの仕事をされる桑原孝太さんの3回目です。 忘れるべきことは何もない今井 熊本地震からもう5年が経って、私の住んでる街で、もし明日こういう地震が起こったらっていうことは、つい忘れがちなんですけれども、これまでの経験を振り返って普段からどういうことができると考えますか? 桑原 私自身も正直、自分が元々住んでた町に地震が来るってまったく想像し

避難者から生活者への変化 被災者から自然発生したボランティア

暮らしをつなぎ続けるヒントを考えるポッドキャスト「ラジオネイティブ」を、テキスト版でお伝えします。今回は熊本県益城町の町職員で、まちづくりの仕事をされる桑原孝太さんの2回目です。 一変した、町の風景今井 前回は益城町の「ちょうどよさ」についてのお話でしたが、やはり欠かせないのは熊本地震についてです。桑原さんはこれまでどのように震災とかかわってこられたのでしょうか。 桑原 私は震災当時、町職員だったわけではなく、大阪に住んでたんです。本震で私は被災し、いち被災者として、震災

震災から5年 熊本・益城町の「まちづくり」の今

暮らしをつなぎ続けるヒントを考えるポッドキャスト「ラジオネイティブ」を、テキスト版でお伝えします。今回は熊本県益城町の町職員で、まちづくりの仕事をされる桑原孝太さんの2回目です。 都市と自然に囲まれた暮らしやすい町村上 熊本県益城町の益城町役場で職員をされている桑原孝太さんにご登場いただきます。益城町といえば、みなさんもニュースで聞いたことあると思いますけども、5年前に大きな地震があって被害があった町です。桑原さんは今、その益城町の都市計画課にいてまちづくりに携わっています

【読むラジオ】#028 感じる経験をさりげなく しまなみ野外学校、がってんさんの伝え方

25年のカヌーガイド経験を生かして今井 FC今治の夢スポーツで野外教育に携わる木名瀬裕さん(がってんさん)とのお話も最終回です。がってんさん、そもそも野外教育の世界に入られたきっかけはなんだったんですか? がってん 今、52歳になるんですけども、もともと25年間ぐらい北海道でガイド業をやっていました。ガイドをやるきっかけがの一つが阪神淡路大震災だったんです。人と自然がもう少し近づけばいいなと思ってやっていたんですが、また東日本大震災があった時に、自分がどこまでそういうことを

【読むラジオ】#027 野外での経験が子どもたちにあたえるもの

自信を失う経験から、子どもたちの意外な関係が始まる今井 長年、野外教育に携わってこられて、がってんさんが子どもたちをファシリテートするときに、大切にされているエッセンスはどこにあるんでしょうか。 がってん 一番ですか・・・。僕は子どもたちにプログラムを伝えるのですが、時間が経つにつれ、そのプログラムが自分が思い描いていたプログラムと違うとか、思い通りではないことに気がついてきた時に、自信だけは失わないでいてほしいんですね。なので、ちょっとそうなったときには支えるように気をつ

【読むラジオ】#026 サッカーと野外教育の意外な共通点

これからはサッカーだけじゃない 岡田武史さんとの出会い今井 がってんさんは FC 今治の「夢スポーツ」に所属されているということですがどういった団体なんですか? がってん FC今治は JリーグのJ 3にあたるんですが、そこのサッカーを運営してる会社が夢スポーツといいます。 その中の野外教育や教育分野に所属しています。その中の「しまなみ野外学校」っていう部分になります。 今井 がってんさんはガイドとして活動されてるということですけれども、どういう役割を果たしていらっしゃるん

【読むラジオ】#022 変わりゆく小笠原に通い続けて

旅人ではいられなくなった瞬間今井)有川さんはそもそもどうやって小笠原と出会ったんでしょうか。 有川)私の先輩が受けるはずの仕事だったんですけど、ちょうどご出産されたということで、私関わりに受けたんです。それはライターの仕事じゃなくて、観光プロモーションビデオに出演するっていう仕事だったんです。それで父島と母島に行ったのが最初でした。 村上)いずれはライターの仕事で何かできるかなと思いながら行かれたんですか? 有川)もうその時は、行く機会があまりない所に行けるっていう、

【読むラジオ】#021 引き継いだ、小笠原を守る熱量

再拡大した野猫今井)今回は小笠原の「ネイティブ」の人たちについてお話を伺いたいと思います。貴重なアカガシラカラスバトを守るために小笠原の人達がとった道というのは、鳥だけでなく、原因であった野猫も守る道だったということです。この辺りから伺っていきたいと思います。 有川)今小笠原で外来種として一番脅威なのは野猫です。それは鳥や昆虫などを襲うからです。島からとにかく排除しなくてはということになったのですが、島の中から「猫を守って」とい声が上がって今の動きがあるわけでは実はありませ

【読むラジオ】#020 小笠原へ移住して分かったこと

活気に満ちた「若い島」今井)小笠原諸島にくらす貴重な鳥、アカガシラカラスバトの保護をめぐる動きと小笠原の暮らしを長年取材されているライターの有川美紀子さんに、元南極観測隊越冬隊員の村上祐資さんと一緒にお話を伺います。 前回、この鳥の保護活動に島の人が一丸となって取り組むきっかけとなったのが島で開いた国際会議だったという話を伺いました。 村上)僕は、聞けば聞くほどやっぱり不思議だなっていう感触が今も残っていています。その会議をきっかけに、どうしようかと皆さんが話し合われて、少