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「ソニー技術の秘密」にまつわる話

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ここでは、ソニー株式会社の研究技術開発の要を果たし、「ソニー創成期の基礎技術」を確立させた 木原信敏 (きはら のぶとし) の著書『ソニー技術の秘密』に記された研究開発の歴史を振…
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#H型テープレコーダー

ソニー創成期の基礎技術を確立した、伝説の技術者が残した名著 〜 『ソニー技術の秘密』 にまつわる話を

■ ソニー創成期の基礎技術を確立した、伝説の技術者1946年 (昭和21)年に井深大、盛田昭夫により創設され、現在では世界的な大企業としてその名を世界に轟かせている ソニー株式会社(Sony Corporation) その創業期より数々の「世界初」「日本初」の製品を誕生させ、ソニー創成期の基礎技術を確立した、伝説の技術者がかつて存在していました。 1950 (昭和25) 年に発売された、国産初のテープレコーダー『G型テープコーダー』。 1955 (昭和30)年に、ト

ソニーの伝統となった、伝説の合同設計会議 〜 『H型』テープレコーダー試作機

『ソニー技術の秘密』にまつわる話 (12) 「日本初のテープレコーダーができたのだから、 飛ぶように売れるに違いない」 1950 (昭和25) 年5月、ソニー創業者の井深大、盛田昭夫 はじめ、東京通信工業 (現ソニーの前身、以下 東通工) の皆が国産初となるテープレコーダー『G型』の完成を喜んだのも束の間、いざ販売を始めてみると、目算とは大違い、「面白い、便利だ」とみな驚き、一様に注目するものの、誰も「買おう」とは言ってくれない苦境に立たされてしまいます。 販売に苦戦す

視聴覚教育の需要に応え、教育現場に広く普及。 柳宗理 による日本初のインダストリアル・デザインを採用 〜 『H型』テープレコーダー

『ソニー技術の秘密』にまつわる話 (14) 家庭への普及を目標に、東通工の技術者・木原信敏の手によって開発された『A型』テープレコーダーを原型として開発された『H型』テープレコーダーは、熱海の旅館によりすぐりの技術者を缶詰め状態にすることで、短期間で完成、国産初のテープレコーダー『G型』発売から一年を待たずに、1951 (昭和26) 年3月に正式に販売が開始されました。 「家庭に入る品物は、 デザインとしても秀逸であって欲しい」 というポリシーの元、『H型』テープレコー