性器ヘルペス(HSV)について
皆さんこんにちは
産婦人科医の内田美穂です。
皆さんの疑問に思っていることにお答えしていきながら、産婦人科を身近に感じていただくことでかかりつけの婦人科を探す際のご参考にお役に立てればと思っています。
今回は、「性器ヘルペス(HSV)」についてお話したいと思います。
また、診療時にいただくご質問にもお答えします。
Q. ヘルペスはどこから感染する?
ヘルペスと診断された方からよく「どこからの感染ですか?」と聞かれることがあります。
セックスで感染することが多いですが、セックス以外でも感染することもあります。
セックスでうつる場合は、感染源となるパートナーが無症状のこともあります。
また、口腔内にできたヘルペスがオーラルセックスによって性器に感染することもあります。
セックス以外では、ウイルスのついたタオルや器具などから感染することもあります。
症状について
ウイルスに接触して2~10日後に症状が出てきます。
典型例では、はじめに発熱をし、次に外陰部のできもの・痛み、足の付け根の痛み、排尿時の痛みなどがでてきます。
最初に発熱だけの症状が出ることがあり、風邪と勘違いしてしまうこともあります。
また、最初に痒みの症状だけが出ることもあり、カンジダと勘違いしてカンジダの治療をしてしまうこともあります。
痒みが出ていても外陰部には水疱や潰瘍などが目立たないことがあり、痒みの症状だけでヘルペスと診断することは非常に困難です。
検査方法について
ヘルペスの検査はありますが、陰性に出てしまったり、結果が出るのに時間がかかってしまう検査もあるため、基本的には診て診断します。
日常生活での注意点
感染力が非常に強いため、症状が出ているときはスキンシップなど直接病変部に触れることやタオルの共有なども避けるようにしましょう。
治療、再発について
抗ウイルス薬の内服が基本になります。外用薬もありますが、外用薬のみでの治療は推奨されていません。
ヘルペスは一度感染すると、体のなかにずっとウイルスが潜伏しています。
ストレス、風邪、月経などを契機に再発することがあります。
再発の場合も内服治療が基本となります。
年に6回以上再発する場合は、再発予防やパートナーへの感染リスク低下のため1日1錠1年間内服する”再発抑制療法”を検討してください。
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