『フィドルが弾きたい!』参考音源
聴き覚えで伝えられてきた民俗音楽では、どのような演奏(音源)から曲を習ったのかが重要になります。本文で挙げられているものや、巻末のリストなどから、出典となったアルバムを探してみました。本書と併せて、こうした伝統的な音楽家による素晴らしい演奏を参考にしてみて下さい。レッスンを受講されている方は、音源を聴いて耳なじんでおかれると有意義なレッスンとなること請け合いです。随時アップしていきます!
本書のデモ演奏は、音楽之友社HPから無料で、ダウンロードできます。
1.The Irish Washerwoman
Paddy Glackin, In Full Spate 3曲セットの3曲目(1:50〜) 1991年
東ゴルウェイのアギー・ホワイトの演奏 緑の本とはバージョンが違います。
2.The Walls of Liscarroll
『The Chieftains』1964年 この曲にThe Blarney Pilgrimを続けるとよく合います。
4.My Darling Asleep
アイリッシュバンド、Stockton's Wing (トラック36)1982年
4.My Darling Asleep/ 62.Garrett Barry's
パイプとフィドルのデュオ演奏。フィドラーはPaddy Glackin 1978年
5.Gillan's Apples
『Chieftains 2』 2曲目(2:30~)1969年
6.Harvest Home
Rose Murphy のボックス演奏、(トラック13)1977年
7.Jackie Tar
イギリスのフォークシンガーでギタリスト、フィドラーのNic Jonesの1977年のアルバム『 The Noah’s Ark Trap』(3:50~)
ジャッキー・ターの歌のバージョンその①
ジャッキー・ターの歌のバージョンその② バンド「The Jolly Roger」
コーラス:「It's high the cuckoo, ho the cuckoo, high the cuckoo's nest」は、ジャッキー・ターのBパートの冒頭の小節に合わせて歌うことができる by Pete Cooper。
関連して言及されているThe Cuckoo's Nestというタイトルのフィドルチューン、ケープブレトンのフィドラーの演奏
8.The Merry Blacksmith
Seamus Ennisのパイプ演奏(2:25~)
45.The Salamanca/ 9.Banshee
アイリッシュバンド、ボシーバンドのファーストアルバム フィドル担当はTommy Peoples 1975年
10.The Maid Behind The Bar
フォークグループThe Dublinersの1979年アルバムから(0:52~)
12.Bill Sullivan's Polka/ 11.O The Britches Full Of Stiches
フィドル演奏はSéamus Creagh 2曲セットになっています。1977年
13.Ballydesmond Polkas No.1/ 14.Ballydesmond Polkas No.2
Julia CliffordとDenis Murphyの兄妹によるフィドルソロ・デュオの記念碑的なアルバム『The Star Above the Garter』 1969年
16.Din Tarrant's
Juliaと息子Billyの共演。ジュリアの先生はパドリック・オキーフです。2曲目(1:05~)
17.Tobin's Jig
マイケル・コールマンの演奏 1921年
18.Morrison's Jig
この曲のタイトルとなった、アメリカ発レコードプレイヤーJames Morrisonの演奏
20.Off to California
アンディ・マックガンとパディ・レイノルズのフィドルデュオアルバム 1976年
Gではなく、Aの調で演奏されています。
21.Bonaparte Crossing The Rhine
「The Hot Asphalt」 の別名で呼ばれるこの曲の歌のバージョン。ダブリナーズの1979年のライブ動画でお楽しみ下さい。
22.The Galway's Hornpipe
マイケル・コールマンの演奏 1921年
23.The Rights of Man
Padraig O'Keefeのフィドルソロ。『Kerry Fiddlers』(2曲目 1:50~)1977年
アイリッシュバンド、De Dannan, Ballroom, フィドル担当はFrankie Gavin
26.Cooley's Reel
フィドルはFrankie Gavin、ピアノはチャーリー・レノン。1986年のアルバムのファーストトラックの1曲目。
28.Charlie Lennon's/ 29.Vincent Cambell's
ドニゴールの3組のアルバムの1組目の9トラック目に名無しのマズルカとして載っています。サイトに飛んで聞いてください。
33.Brayan O'Lynn
歌の方です。滑稽な感じがよく出ています。
34.The Connachtman's Rambles
フィドル担当は、Tommy Peoples (トラック6の2曲目)1978年
37.Polly Put The Kettles On
ナーサリーライム。この動画では、暖炉の火にやかんをかけたり外したりする様子が見れて面白いですね。
本文で言及されている、アメリカンオールドタイムのバージョン。1920~30年代にかけて活躍したノースジョージアのバンド、Gid Tanner&His Skillet Lickersのアルバムより。
41.The Cup Of Tea
Frankie Gavinのフィドル演奏(トラック2)1994年
Paddy Glackinの「やりすぎちゃった」バージョン。1977年
42.The Bank of Ireland
ロンドンのパブでライブ録音されたアルバム『Paddy in the Smoke』1968年
フィドル演奏はBobby Casey。緑の本ではシングルリール、こちらの音源では普通のダブルリールで演奏されているのに注意。
44.The Musical Priest
アンディ・マックガンとパディ・レイノルズのフィドルデュオ 1976年
46.The Morning Star
Denis Murphyソロ演奏。シュリーヴルクア地方の音楽の記念碑的なアルバム『The Star Above the Garter』 1969年
47. O'Carolan's Draught
バンドDe Danannの1977年のアルバムから フィドル演奏はフランキー・ギャビン
50.Toomore(The Cullen, The Gale Bridge)
ジョニー・オレアリーの79歳の時のアコーディオン演奏。フロアで踊られているのはセットダンスです。
51.The Cullen Slide(Tooemore)
3曲セットの1曲目。Matt Cranitchのフィドル演奏。
52.The Star Above the Garter
Julia CliffordとDenis Murphyの兄妹によるフィドルソロ・デュオの記念碑的なアルバム『The Star Above the Garter』1969年
54.The Tailor's Twist
James Morrisonのレコードアルバム(タイトル9) 1935年
56.Beeswing/ 56a.Beeswing(バリエーション)
Sean Maguireのフィドル演奏。幻の名鑑『Sean Maguire plays』
(トラック11、30:50~)1960年
現在のスコティッシュフィドラー、ポール・アンダーソン(Paul Anderson)の弾くビーズイングをお聴き下さい。2回目に緑の本にも掲載のショーン・マクガイヤが付けたバリエーションを弾いています。スコッティッシュスナップをたくさん入れて、クラシカルな”スコティッシュ”に演奏しています。
57.The Kid on the Mountain
Tommy Peoplesのフィドル演奏。『The High Part of the Road』 1976年
58.The Rocky Road to Dublin
歌の方のバージョン。
トラベラーズのワゴンで、ティンフィドルを弾くビンセント・キャンベル。ビンセントは、歌の方のバージョンを弾いています。2パートの構成で、Bパートの最後の小節が3カウントではなく、4カウントあります。
59.The Butterfly
この曲を作曲したトミー・ポッツ自身の演奏 1972年
ケビン・バークのソロ演奏。2006年のライブ録音。
61.Tom Billy's
Julia CliffordとDenis Murphyの兄妹によるフィドルソロ・デュオの記念碑的なアルバム『The Star Above the Garter』1969年
バンドDe Danannの1977年のアルバムから フィドル演奏はフランキー・ギャビン
62.Garrett Barry's
Vincent Griffinの演奏。『Traditional Fiddle Music from County Clare』1977年
64. Braian Boru's
本書のバージョンの元となったチーフタンズの演奏。
67.The Palm Trees of Kerry(The Hills of Kerry)
アイルランドのフォークシンガー、パディ・ライリーによる歌。彼は、「ダブリナーズ」のメンバーだったこともあります。フィドルの伴奏入り。
68.Ace & Deuce of Pipering
John & James Kellyのダブルフィドル。1976年の演奏。
72.Paddy Ryan's Dream
マイケル・コールマンの演奏 1921年
Kathleen Collinsの演奏。『Traditional Music of Ireland』(トラック4)1995年 このアルバムは、CD化にあたってトラックが反転し曲名が一致しないので気をつける必要があります。
Vincent Griffinの演奏。
75.The Jug of Punch/ 76.Eddy Kelly's
Kathleen Collinsの演奏。『Traditional Music of Ireland』(トラック9)1995年 このアルバムは、CD化にあたってトラックが反転し曲名が一致しないので気をつける必要があります。
77.Bonnie Kate/ 78.Jenny's Chickens
マイケル・コールマンの演奏 1921年
東ゴルウェイのアギー・ホワイトの演奏
ケビン・バークのソロ演奏。
79.Paddy Fahy's (Pete Cooper's!)
Seamus Creaghのフィドル演奏。『 Come the Down』1993年
80.Another One of Paddy's
Lucy Farrのフィドルソロアルバム『Hart&Home』 (トラック14)1980年
掲載曲以外の音源
The Blarney Pilgrim
パイプの演奏。(1:40~)
Andy Irvine とPaul Bradyによる 1976年のアルバムから。2曲目。
The Kesh Jig
Bothy Bandのファーストアルバムのファーストトラック。 フィドル担当は、Tommy Peoples 1975年
John Ryan's Polka
Planxtyのアルバム、(トラック11 3曲目 2:00~)
デカプリオが主演の映画タイタニックで有名になったポルカ。映画ではアメリカのカリフォルニアのバンドGealic Stormが担当しました。
The Kerry Polka
1975年のチーフタンズの演奏
Elizabeth Kelly's Delight
1975年に録音されたジョン・ケリーのフィドル演奏が残されています→こちら
パディ・グラッキンのアルバムの演奏も聴いてみましょう。
Lucy Farr's Barndance
Sliabh Aughty(マーチ)、Bllinakill(ラウンドポルカ)
Martin Hyesのアルバムから 2020年
Mountain Road (reel)
Willy Clancyのパイプと、作曲者本人であるMichael Gormanのフィドル演奏。彼らがイギリスに住んでいた頃に作られたアルバム 1956年
ドニゴールのトラベラーズのファミリーである、ジョン・ドハティによるフィドルソロアルバムから。フィールドワークの研究者によって行われた1970年代の録音です。
The Bucks of Oranmore(reel)
Sean Keanのフィドルソロ チーフタンズのアルバムから 1973年
Ballyhoura Mountains / Lucy Farr's Polka
ピート・クーパーのフィドル曲集『Irish Fiddle Solos』- 64 Pieces for Violin 2004年 Schott社
楽譜が必要な方はこちらをお買い求めください。MelBayから出ていますが、同じ内容です。
The Mason’s Apron (reel)
東ゴルウェイのアギー・ホワイトの演奏
ショーン・マクガイヤーの演奏
The Top of The Maol/ Knocknaboul Polka
『Kerry Fiddles』は、1950年代にパドリック・オキーフと弟子のジュリア・クリフォードとデニス・マーフィーを録音したもので、70年代にレコード化されました。
パードリックの弟子ジュリアとデニスは、同名のKnocknaboul Polkaを2曲セットにして弾いています。
マット・クラニッチ(向かって右)も同じセットを弾いています。
Padraig’s Lark in the Morning
マット・クラニッチのバンド、1999年アルバム、Gleanntán Sliabh Notes
Eleanor Plunkett
ターロック・オカロランのハープの曲。
Sí Bheag, Sí Mhór
ターロック・オカロラン作曲のハープの曲。フィドルはイギリスのフィドラー、Dave Swarbrick
ショーン・オリアダによるチェンバロ?のソロ 1971年
The Chieftains 5 1975年のアルバム フィドルはショーン・キーン
Inisheer
シェットランドの若手フィドラー達によるバンド、Fiddler's Bid のアルバムから。素敵なハモりの演奏は、シェットランドフィドルの伝統です。
Kerry Polka
The Chieftains 5
It is not day yet(Níl sé 'na lá)
日はまだ暮れない、朝までここで飲もうと、失恋の歌が歌われている。
アイルランド以外の参考音源
スコットランド
Devil Among the Tailors
The Fairy Dance
アイルランド、ドニゴールフィドラーのミッキー・ドハティ(2:30~)
アメリカンオールドタイム
Turkey in the Straw
Pete Cooperの教則本のデモ演奏。
アパラチアン山脈の古老フィドラーヘンリー・リード(1884-1968)の演奏
(米国議会図書館アメリカンフォークライフセンター蔵)
Natchez under the Hill
オクラホマのサウスポーフィドラー、Dwight Lamb率いるストリングスバンドの演奏。Turkey in the Strawの元曲といわれている。
Robinson County
Pete Cooperの教則本のデモ演奏。
Critton Hollow String Bandによるハンマーダルシマーの演奏。
アーカンソー州生まれのL. O. Birkheadと R. M. Lane他3人のフィドルとギターの演奏。 1931年コロンビアレコードより。
Elk River Blue
この曲を作ったウエストヴァージニア州のフィドラー、Earnie Carpenter自身の演奏。1986年のアルバム。
Pete Cooper先生のオールドタイムのバンド演奏。アーニーよりもゆっくりな演奏。
シェットランド
Lasses Trust in Providence
The Bonnie Isle O'Whalsay
トム・アンダーソンと弟子のアリー・ベイン他による、シェットランドの金字塔的なアルバム『The Silver Bow』のファーストトラックに収められた5曲セットの最後の曲。
Da Auld Resting Chair
この曲の作曲者であるトム・アンダーソンと弟子のカトリオナ・マクドナルドとの共演。第二フィドルでハモりが入るのもシェットランドのフィドルの伝統です。
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