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#14 難読地名を生み出そう①

鉄道・地理の趣味において、難読地名というのはオタクを惹きつけます。

架空鉄道等でも、難読地名を作ることで趣と個性を与え、作品に奥行きが出るのではないかと思います。また、地名は地域ごとに特徴があり、広範囲の架空鉄道等を制作している人にとっては、地域差を生み出すことにもつながります。

私は関東人なので、名古屋市や大阪市は独特な地名が多いと感じますし、京都や奈良の地名にはなんとなく、歴史や情緒を感じます。


ここでWikipediaの難読地名の記事にある分類を引用すると、難読地名になりやすい理由として、

・あまり知られていない文字が使われている場合
と、
・文字の読み方が一般的な読み方と異なる場合
その下位分類として、

・通常の音訓にない読み方となっている例
・音訓が変化している例
・表記と読みが本来無関係な例
・日本語以外の地名に漢字が当てられた例
・よく知られた語と違う読みをする例

が挙げられています。

なおこの記事では随所に明確な定義がないことや例外が記されているほか、独自研究が含まれているおそれが指摘されています。裏を返せば、難読地名の曖昧さ、地名というある種人間の営みの幅広さ、豊さを体現しているともいえます。


問題なのが、難読地名は作ろうと思えば、際限なく難しくできてしまうという点です。
例えば、「海」=「やま」「魑魅魍魎」=「ねこ」「他下佐木」=「たかさき」など、読み方を無関係にしたり、漢字自体を難しくしたり、当て字を用いたりすれば、簡単に難読地名を作れてしまうわけです。


しかし現実の例をみると、「飛鳥」=「あすか」、「百舌鳥」=「もず」、「倶利伽羅」=「くりから」というものもあります。一見すると突拍子もない地名ですが、

飛鳥→古来から存在する奈良県の地名。
百舌鳥→モズは100種類もの鳥の鳴き声の真似が出来ることから。
倶利伽羅→サンスクリット語由来の仏教用語。倶利迦羅不動寺に由来。

と、歴史や由来のどちらか、もしくはその両方が存在します。

こうした意味のある難読地名は、難解ながら町名に、地図に、鉄道路線に落とし込んだとしても馴染みます。馴染まないように見えても、意味がわかれば納得は出来ます。

百舌鳥を有する阪和線
倶利伽羅を有するIRいしかわ鉄道線


また、難読地名の周囲は不思議と平易な読みの地名が多く、これは全地名に占める難読地名の割合によるものでしょう(近鉄の奈良県内には難読駅名が集中していますが、これは奈良自体の歴史によるものであると思われ、また本州の中で見れば割合は小さいです)。

つまり架空鉄道等で難読地名を作るためには、

1.地名に意味を与え、
2.その割合も考える

ことが重要なのではないかと思います。

なお倶利伽羅駅の東隣も石動(いするぎ)駅という難読地名ですが、倶利伽羅とは性質の異なるものです。倶利伽羅は漢字自体が難しく、石動は読み方が難しいものです。

この架空鉄道等における難読地名への考え方は、あくまで私なりのリアリティの追求や特色を出すためのものになります。架空鉄道等のいいところは自由度です。難読地名の意味や割合などを考えず、自分なりの世界を生み出すこともまた大事なことなのかなと思っています。

次の記事では、実際の私なりの難読地名の作り方をまとめていきます。

引用したサイト↓

難読地名 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/難読地名

阪和線の路線図(pdf)
https://www.jr-odekake.net/station/pdf/teisya_02.pdf

路線・駅 | IRいしかわ鉄道株式会社
https://www.ishikawa-railway.jp/station/index.html

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