供養🙏記憶の切れ端

zineにしようとしてやめた文章をアップします。
ここに書いてあることを全て忘れても、
彼といた時間は確かにそこにあったし、
私のなかから消えることはありません。
私は今の私が好きです。
彼との時間を経た私が。


ありがとう。

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記憶の切れはし

たとえば

サラダの野菜で描いてくれたかわいい顔

少し欠けたミスドのカップに注いでくれた豆乳ラテ

80本入りの線香をH&Mの前で半分こしたこと

ゆですきたスナップえんどう

ずぼんの裾をちょうどよく折ってくれた手

ベランダでたばこを吸う背中

部屋着にしていた茶色いTシャツの小さな穴

南向きの窓から吹く風、午後の陽射し

誕生日のケーキを6つも買ってきてくれたこと

水出しのペパーミントティー

なんでも素焼きにした夏

半額のバーベキューセット

山の向こうのたぬきがいる街の話

倉敷で食べたアイスクリーム

いつも机の上にあった蟹の箸置き

桜模様の揃いの箸

買いすぎたおさしみ

一緒に歩いた川辺、街

最後の日も履いてきてくれた靴と靴下

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