釧路町の漢字でない地名の漢字表記を勝手に考えてみた

北海道の地名ってアイヌ語由来が多く、難しい読み方をさせる漢字地名も多いですが中でも釧路町の地名は屈指の難易度で、初見じゃ読めないような地名ばっかりです。

今回は釧路町の字名の中で漢字表記ではない地名に "勝手に" 漢字をつけてみようかと思います。あくまで "とある漢字好き人間のちょっとしたお遊び" として見てくれると幸いです。

字名についてはこちらの北海道公式のURLからダウンロードできる、『道内市町村の沿革、字(町)名等検索システム』を基にしています。


既存の釧路町難読地名

最初に現在公式に存在する難読地名を挙げます(由来等は割愛)。

大字なし

鳥通 / とりとうし
達古武 / たっこぶ
雪裡 / せつり
雁来 / かりき

大字昆布森村

昆布森 / こんぶもり
伏古 / ふしこ
又飯時 / またいとき
来止臥 / きとうし
地嵐別 / ちゃらしべつ
幌内 / ぽろない
伏古籠 / ふしこもり
宿徳内 / しゅくとくない
嬰寄別 / あっちょろべつ
舳提辺 / えとろんべ
誉惑解

「嬰寄別」は「嬰」ではなく「⿰隺契」という別の漢字表記も見られますがこの漢字はUnicodeで符号化がされていないようです。いつかされる日が来てほしい、、

最後の「誉惑解」は現在でも読み方がわかってはいませんが、「ぽんまたいとき」と読むのが一番有力らしく、実際に小字には「ポン又飯時」があります。

大字跡永賀村

十町瀬 / とまちせ
浦雲泊 / ぽんどまり
跡永賀 / あとえか
冬窓床 / ぶゆま
初無敵 / そむてき
龍双霊 / おそうんくし

大字仙鳳趾村

入境学 / にこまない
賤夫向 / せきねっぷ
分遣瀬 / わかちゃらせ
老者舞 / おしゃまっぽ
知方学 / ちっぽまない
去来牛 / さるきうし
別尺泊 / べっしゃくどまり
古番屋 / ふるばんや
便内 / びんない
重蘭窮 / ちぷらんけうし
仙鳳趾 / せんぽうし
別太 / べつぶと

以上ですかね、忘れてるのもあるかもしれませんがその時はすみません。
中でも仙鳳趾村に難読地名が多いようです。

カタカナ名の地名を勝手に漢字表記にしてみる

釧路町の地名を知った時、「確かに合うっちゃ合うけどもう少し合いそうな漢字あるよねw」って思ってしまいました。というわけで今回はそんなラインを攻めてあえて「ギリギリ合いそうな漢字」を目指してやってみよう思います。一応言っておきますが、これから出す地名漢字表記はすべて「非公式」です。アイヌ語の説明は省略します。

大字なし

  • オビラシケ / 尾蒜敷
    ・・・釧路町の内陸部にある場所で、付近にはオビラシケ川が流れています。「ビラ」に「蒜(ひる)」を当ててみました。「シケ」は「敷(しき)」が近そうな気がしたのでこの漢字にしました。

  • モセウシナイ / 申牛内
    ・・・釧路市に隣接する小字で、付近には吉良ヶ丘があります。「モセ」に合いそうな漢字で読み方も少し近かったので「申」を当てて、あとはアイヌ語表記通り「牛」と「内」を当ててみました。

  • ムサ / 武佐
    ・・・釧路市に隣接する小字で、別保駅から南西方向に2km離れた場所にあります。車道はなく、どうやら徒歩で行かないといけないようです。西隣は釧路市武佐五丁目のようなので、無理に難しくしようとせず、そのまま「武佐」にしました。

大字昆布森村

  • チョロベツ / 治寄別
    ・・・昆布森村最大の小字です。「嬰寄別」に倣って、「チ」と「寄別」に分解して考えてみました。

大字仙鳳趾村

  • オタクパウシ / 宅波支
    ・・・仙鳳趾村の内陸部の小字で、西隣は厚岸町です。「お宅の~」とか日常会話でよく聞く言葉なので、ちょっとした遊び心も兼ねて「宅」にしました。「パ」と「シ」は合いそうな漢字にして、問題の「ウ」ですが、ここはとりあえず、「支」に取り込むという形にしてみました。

  • ヲタモエ / 歌母恵
    ・・・老者舞の西、尾根を一つ越えた海岸にある小さな小字で、国土地理院の地図を見るにどうやら行く道はあるようです。昔住人はいたのでしょうか。「ヲタ」は「うた」が一番近そうだったので「歌」、「モ」は悩みましたが「母」を見た途端「これだ!」みたいな感じになりました。

  • ヤワコタン / 和古丹
    ・・・飛び地のある小字で、西側は家が数軒、中央に根室浜中釧路線が通っており、一の沢(小字)を挟んで東側は海岸の崖や森林、草原などです。「和(やわ)らげる」が一番似合いそうだったので、この字にしたのと、既存の「茶々古丹」という小字に倣って「古丹」にしました。

  • フーレベツ / 風連別
    ・・・調べたところ、北海道公式の字一覧や、モ〇バーガーのネット注文等では掲載されていたものの所在はわからず、本当にあるかはわかりませんでした。名寄市には「風連町(ふうれんちょう)」があり、かつては「タヨロマ・フーレベツ原野」と呼ばれたそうなので、それに倣い「風連」、あとは北海道ではよく使われる「別」にしました。

  • ポンピラ / 誉費羅
    ・・・重蘭窮の南隣にある小字です。例の「誉惑解」に倣い「ポン」は「誉」、「ピ」は「合うっちゃ合うけどもっと合いそうなのあるよね」という印象を持たせるために敢えて「費」にしました。「金比羅」と近かったので「比羅」にしようかと考えましたが、シンプルな気がしたのでやめました。

  • ポンタラウシ / 品足牛
    ・・・別尺泊の北西に位置する海岸の小さな小字で、国土地理院地図では歩道のみ、建物はあるようですが、廃屋でしょうか。「ポン」はまた「誉」にしようかと考えましたが、仙鳳趾と去来牛のように「うし」でも違う漢字を使ってたりするようなのでここは違う漢字に。変換候補で「品」が出てきて、「これだ!」と思ったのでこれにしました。「タラ」は「鱈」が一番先に思い浮かびましたが、あえて「足る」の方にしました。

  • ユキラナイ / 行楽内
    ・・・別太から南東方向に1kmちょい離れたところにある海岸の小さな小字。地形図を見るに、海岸の崖にある谷のところだと思われます。どうやら徒歩・車にかかわらず行く道はなさそうです。「雪」が一番最初に浮かびましたが、シンプルな気がしたので「行」に変えてみました。

  • ポンベツプト / 本別払 / ポン別太
    ・・・誉費羅(ポンピラ)と別太の間にある小字で、中央部には別太川があります。「ベツプト」は「別太」とほぼ一致しているので、とりあえず最初に「ポン別太」。「ポン」はとりあえず「本」、「ベツ」も「別」ですが、「プト」はなかなかなく、最初に「仏」が思いつき、その後「払」に変えました(「乀」もあるようなのですが複雑すぎて逆になしだと思いました)。

  • ポンチフランケウシ / 八震窮 / ポン重蘭窮
    ・・・調べたところ、北海道公式の字一覧や、出〇館のサイトには掲載されていたものの所在はわからず、本当にあるかはわかりませんでした。「チフランケウシ」が「重蘭窮」とほぼ同じだったので、「ポン又飯時」のように「ポン重蘭窮」をとりあえず最初に考えました。長い地名ではあるものの、漢字表記が3文字ばかりであることに倣い、なんとかして3文字におさめようとしました。「ポンチ」としてまずは考えた結果、最初に思いついたのが「八(はち)」だったのでこれにして、「フラン」は「ふる」と読む漢字から考えて「震」に、あとは「重蘭窮」に倣って「窮」にしました。

  • ヲクトスベ / 奥度滑
    ・・・古番屋から南東方向に850mほど離れたところにある海岸の小さな小字です。国土地理院の地図によると、途中までは道はあるそうです。「ヲク」はもう「奥」しかないような気がしました。「スベ」も「滑」が一番合いそうだったのでこれに(「ヲクト」が「北斗」に似てたので「北斗滑」も一瞬考えました)。

  • フルセンポウシ / 古先宝 / フル仙鳳趾
    ・・・古番屋の南東隣に位置する小さな小字です。「センポウシ」は「仙鳳趾」があるのでとりあえず「フル仙鳳趾」としました。「古番屋」と隣接していることも兼ねて「フル」は「古」に、「ポウシ」は最初に「星」が思いつきましたが、似合わないような気がしたので「宝」にしました。

  • ショシャモナイ / 暑砂者
    ・・・行楽内(ユキラナイ)の南東に隣接する海岸の小字で、道は存在しないようです。増毛山地にある「暑寒別岳(しょかんべつだけ)」に倣って「ショ」は「暑」に、「モナイ」は一番近いと思った「もの」から考えて「者」にしました。

  • アシリコタン / 走古丹
    ・・・別太内部にある小字です。「コタン」は例のごとく「古丹」。「アシリ」は「走り」が近かったのでそのまま「走」にしました。

  • ポンルクシュポール / 奔薬方
    ・・・厚岸町に隣接する内陸部の小字で、国道44号と道道142号を繋ぐ道路の東側にあります。一見外国の地名にも思えるこの地名はなかなか悩みました。まずは「ポンル」は「奔」にして(「ル」は無理矢理)、「クシュ」は「薬」、「ポール」は「方」にしました(「ル」は無理矢理(2度目))。

おまけ

最後の奔薬方(ポンルクシュポール)について、厚岸町には「ルークシュポール」があるので、釧路町外ではありますがせっかくなのでこちらも "勝手に" 漢字表記にしてみようと思います。

  • ルークシュポール / 陸州訪
    ・・・小字についての説明は省略します。「ルーク」は近そうな「りく」から「陸」、「シュ」は「州」、「ポール」は「方」は敢えて避けて「訪」にしました(「シュ」を「諏」にした「陸諏訪」も考えましたがやめました)。

おわりに

釧路町にあるカタカナ地名を "勝手に" 漢字表記にしてみました。トップクラスの難易度を誇る既存の地名のレベルに合わせるのは難しかったですが、なかなかいい感じになったんじゃないかなーとは思います。

「この情報違う」や「この漢字の方がいいと思う」などあれば、コメント欄に書いてくれると幸いです。

読んでくれてありがとうございました。


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