世界の兄貴奮闘記⑥Jさんがまさかの結末 後編
毎日のように誰かがパワハラ課長に説教されてる。怒声が工場内に響き渡る。
俺はこのパワハラ課長と一度、つかみ合いの喧嘩になったことがあるけど、他の人たちは基本的に大人しい人が多かったから、何も言えない人が多かったので餌食になっていた。
俺はいつでも辞めたろうと思ってたからある意味堂々としとった。
逆にそれが良かったかもしれんねんけど、あんまり、そのパワハラ課長に説教されることがなくなった。
Jさんは毎日のようにパワハラを受けていた。俺はJさんが心配になってきて、昼も食うてないから、サンドイッチを買って渡した。
Jさんはありがとうと言ってすぐにしごとに戻った。俺は用事で次の日会社を休んだ。
その次の日、Jさんが会社を休んだ。その日の夕方、部長に全員呼ばれた。
「Jが自殺した」と唐突に言われた。俺ら若手に衝撃が走った。
車のマフラーにホースをつないで車内に排ガスが蔓延して、排ガス自殺をしたようだった。
パワハラで一人の尊い命が失われた。自殺のすべてがパワハラともいえないかもしれんけど、Jさんは色んなものを背負い過ぎて、しんどくなっとったんやと思う。
でも、死んだらあかん。誰に何言われてもしんどかったら逃げたらいい。
死ぬくらいやったら、プライド捨ててでも逃げろ。
もう根性や我慢の美学が通用しない。どんな状態でも生きろ。
生きとったらええこともいっぱいある。俺も死にたくなることいっぱいあるけど、与えられた人生を生きている。
死んだら人生が終わる。楽にはならん。自殺は絶対あかん。
自分だけだはなく、周りを不幸にするだけやから。
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