世界の兄貴奮闘記⑤Jさんがまさかの結末 前編
俺が製造業の会社に働いて半年くらい経ったときに、和歌山工場からJさんという人が大阪工場に転勤してきた。
俺より5歳くらい年上で田舎の人って感じの穏やかな人柄の人やった。
その当時、Jさんと何人かの若手でよく仕事終わりにめし食いに行ったり、銭湯に行ったり、交流していた。
このJさんは地元の和歌山に彼女がおって、週末よく和歌山に帰っていた。
Jさんは長渕剛の大ファンで、俺は矢沢永吉の大ファンってことで、似たような歌手のファンてことで話もよく合った。
そんなJさんやったが、仕事で毎日ように当時の製造課長に怒られていた。
その製造課長が怒り出すと説教で半日から1日はつぶれる。とにかく説教が長いし、怒鳴り散らすので職場に響き渡り、同じフロアの関係ない人や、たまに来るお客さんも縮み上がっていた。
今考えると、パワハラの何ものでもない。そのパワハラが原因なんか分らんけど、俺がこの工場で務めた21年間で数百人辞めていった。
その製造課長は人間的には良い人やけど、パワハラは半端なかった。
そのJさんもその餌食になっていった。Jさんの役職は主任で主に設備管理の仕事をしていた。
俺はその当時は別の部署で働いてた。
パワハラを行っていた製造課長は俺ら若手男子を標的にしとった。俺もよく怒られてたけど、まだ可愛がっていただいてる部分があったのか、怒られてもちょっとマシな感じやった。
若手男子の間で、パワハラの餌食になる前に辞めようかという話は事前にしとった。
Jさんもうなずいとったけど、和歌山の田舎の方やったのと年齢的に20代後半で彼女がおったので、なかなか簡単に辞められへんかったんやと今になって考えることあるんやけど。
そんな感じで仕事しとってんけど、その後、とんでもない事件が発生した。
後編に続く
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?