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吃音の治療法の資料をひとつ掘り出してみました

吃音の治療法は依然として確立はされていません。
しかし、間違いなく確実な効果が出るという方法はあります。毎日、反復して最良の方法を行うというものです。良い喋りを学習して、話すことに自信をつけられるようになることが最終ゴールと言えそうです。

さて、ネット上をさまよっていたら、とある専門学校が吃音治療の1例としてリッカムプログラムを紹介していました。
少し、このリッカムプログラムというものを紐解いて、実際の治療に効果的かどうか、確かめていきましょう。

リッカムプログラムの手引き
https://www.uts.edu.au/sites/default/files/2021-04/%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%A0%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%81%AE%E6%89%8B%E5%BC%952019-3%E6%9C%88_amended-2021-04-13.pdf
を参考にさせていただきました。

そもそもリッカムプログラムとは何か。

リッカムプログラムは子供の吃音症状を対象とした行動療法です。

このプログラムにおいては臨床家の下で、親が治療の進め方を理解する必要があります。つまりは、自主トレーニングを正しく積めるようにするということです。
もちろん、それだけで終わりというわけではなく、臨床家としては経過観察を行うこととなります。

それでは、どのようなことをしていくのか。

臨床家は吃音の重症度を測定します。
この重症度の情報は臨床家と親とで、子供の症状についての理解をし合うのに効果的とされています。これを基に随時、問題解決のための方向性が示されていき、目標への到達状況の理解につながることになります。

訓練は、主に親が進めていくこととなります。
臨床家が行うことは訓練方法の伝授と経過の把握、管理にあります。

子供が言葉を発した際に、吃がある場合と、吃がない場合とで、親がとる行動があります。
吃がない場合に、親が言葉に出して褒めてあげる。
吃がある場合に、吃音のあったことを子供に知らせる。さらに詰まったりした言葉を、あらためて吃が無いように言い直すように促しを入れていく。

親の使う褒める、促し、知らせるといった言葉は、多少パターンを変えつつ、これの繰り返しで進めていくというものなのだろうと思います。
さまざまな注意点はありますが、そのあたりは省きます。
※リッカムプログラムは今回初めてみた内容なので、有識者がいましたら是非補足説明をお願いいたします。

訓練の趣旨は、子供により高い成功経験を与えて、喋ることへの怖さを減らすことにあるのだと思います。そのため、子供が楽しめないとダメですし、親も褒めるときの表情、声色に注意をする必要がありますね。

このリッカムプログラム、なんとエビデンスがあると聞きます。

ただ、エビデンスがあるとはいえ、この方法の合う合わないというものは出てくるとは思います。
ここでの問題点はいくつかあります。

1つは、成功体験を親がいくら積ませられるのか、それは失敗体験を超える体験となるのか、という点にあります。
吃音は小さな子供から成人まで、幅広く持つことのあり得る症状です。特に、保育園や幼稚園、小学校などに入ってからは子供同士のコミュニケーションは必然です。基本、避けては通れません。
そのため、親の手から離れてしまう時間にも、ひと手間かける必要があります。吃音に関する理解を園側や学校側の先生たちにしてもらうということです。
塞ぎこんでからでは遅いため、打てる手はどんどん打っておいて良いでしょう。ですが、当事者にとっては非常にデリケートな問題なため、同じクラスの生徒や児童、園児に伝えるときには十分注意して伝えるのかを決めていくことが重要です。

2つ目は「話し出しでリラックス、できてますか?」ということです。
吃音の治療を行うにあたって、肩の力を十分に抜く方法も必ず教えておかなければなりません。何せ詰まるときは息の吸い過ぎ、肩が上がり過ぎているなどの動作が出てきます。深呼吸させて落ち着く、落ち着いたら話し出すと良いでしょう。

リッカムプログラムは、それの手引き通りに進めることで、成果が出ることはあるかもしれません。しかし、リラックスし、緊張をほぐさないことには、出るものも出ません。そのため、リラックスさせる工程も混ぜつつ、行っていくのがより良い方法なのかもしれません。

それかリラックスとかの動作をいれなくても話せるようにするという方法かもしれませんが。

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