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「ただの性被害者、だから声をあげる」ーなぜ私は気候危機に取り組むのか。Vol.2

こんにちは、Fridays For Future Iwate/Japanのユキです。

私は性被害者です。性暴力をなくしたいから、気候危機に声をあげます。
自然が好きとか、動物が好きとか、そういう気持ちは正直あんまりわかりません。

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Vol.1では、イサオの熱い家族愛が語られていましたが、もう読みましたか?

私もそのバトンを引き継いで、環境問題なんて無縁と思って生きてきた私がなぜFridays For Future Iwateを立ち上げたのか...熱い想いを綴ります!


普通の人

高校時代の彼氏に、断っているのに性行為をさせられたことが何度もあります。痴漢にあったことも何度かあります。

大学にはあまりいかず、たくさん酒を飲み、バイト代は化粧品やスタバに注ぎ込んで、ゼミの担当に成績を決める会議で頭を下げてもらってなんとか卒業することができました。

私は、どこにでもいる普通の人です。


お花を持って立つだけ

大学を卒業しても社会人になれる自信がなかったので、大学院に進学しました。修士論文では、性被害に関する研究をすることにしました。自分の感覚でなんとなくわかると思ったからです。

それが2019年の4月。
ちょうどその頃、東京でフラワーデモが始まりました。

皆さんはフラワーデモをご存じですか?

性暴力事件の不当な無罪判決が相次いだことをうけて、その被害者らに心を寄せる #metoo #withyou の気持ちを込めたお花を持って立とう、というものです。


当時の私は、それらの判決を1つも読んだことがないのに、大学院生っぽいと思い、岩手でフラワーデモを始めました。

回を重ねるごとに人数は増え、呼びかけ人の私は、色々な方に「すごいね」と言われるようになりました。

全然すごくない私は、少しプレッシャーに感じました。


「嫌だった」というお気持ち

フラワーデモでは、話したい人が自由に自分の想いを話すことができます。これまでたくさんの方が自分の被害体験を話しました。

私も流れでマイクを握りました。
思ったよりも動揺し「〜の時の性交が嫌だった。」と同じような話を繰り返していたように思います。

きっと他の地域の方々も、判決文のどこが実際の被害状況とかいりしていて刑法のどこに不備があるのか、 といった理論的な話をされる方は多くないのではないでしょうか。

これまで耳を傾けてもらえなかった痛みや違和感を話されているのだと思います。隠さなくてもいい、茶化さなくてもいい、やっと自由に安心して話せるフラワーデモの場で。


フラワーデモが始まった当時、法曹界の人から「お気持ちで騒ぐな」「判決文も読めないバカ」などとバッシングがありました。

でもそのお気持ちが集まって、実際に刑法改正への動きを起こしました。


"すごい人"というプレッシャー

私がフラワーデモを始めてから、それまで下ネタでげらげら笑っていたような酒飲み仲間と、真面目に性の話をするようになりました。

一見無関心なように見えている人というのは、必ずしも無関心ではないのだと気付きました。そういえば私もそうでした。

もしかして、最初に声をあげる勇気がないだけなのではないでしょうか。
"なんとなく"しかわかっていないのに、声をあげていはいけないような気がしているのではないでしょうか。

私がフラワーデモを始められたのは、たまたま被害者だっただけで、お花を持って立つ"だけ"だったからです。

もし私が性暴力と無縁に生きてきて、フラワーデモが刑法改正を呼びかけるデモだったら、「関係のない法律の知識もない私なんて...」と、思いとどまっていたと思います。

きっとこれが、「すごい」と言われて感じたプレッシャーの正体だったのです。


地球壊れたら意味ないじゃん

フラワーデモの仲間から、グローバル気候マーチというイベントが開催されるとききました。興味も関心も全くなかったけど、付き合いで行くことにしました。

意識の低い私は、マーチではなくご飯が食べれるアフター交流会に参加しました。「野菜ばっかりだな~お肉とかないのかな~」と思いながら食事をいただき、主催の方とお話しました。

このまま人間が資源を使いすぎると地球は壊れると聞きました。

私はフラワーデモを通して、「性暴力をなくし、誰もが安心して生きられる社会にしたい」「そのためにもっといろんなことを頑張りたい」と感じていました。

でもそれを聞いて、地球に人間が生きられないなら意味ないじゃん。と思いました。


私は怠惰な人間なので、無駄なことはしたくありません。

自分の努力が報われるためには、その前提として地球を守らなければと思いました。

それが、性暴力をなくす努力に限った話ではないことは、皆さんもお分かりですよね?


すごくない私だから

全国でFridays For Futureというアクションが行われているのは聞いていましたが、岩手にはありませんでした。

「私は環境のことなんて全然わからないから...。」
そう思いながら目を背け、3ヶ月が経ちました。

そして、自分の矛盾に気づきました。

「すごい」人しか声をあげてはいけないなら、社会はずっと変わらないのでは?

すごくない私でもできるようなフラワーデモだったから、大きなうねりを起こして社会を変えたのでは?


だから、全然よくかわからないままにFridays For Future Iwateを立ち上げました。

自然を愛する気持ちがなくても、
絶対に守りたい大切な誰かがいなくても、
"なんとなく"しかわからなくても、

「なんかやばい」「なんとかしたい」っていうお気持ち自由に声をあげていいんだ、って示したかったから。

全然すごくない私もやってるんだから、声をあげるのにプレッシャーを感じる必要ないんだよ、って伝えたかったから。

そうすることでこそ、みんなで気候危機に立ち向かうことができると信じているから。


終わりに

なにも分からないまま始めたFridays For Futureの活動ですが、やっぱり始めてよかったと確信しています。
いろいろな人と繋がり、たくさんの情報が入ってくるようになりました。自然と知識も増えていきます。

わからないからやらない、のではなく、わからないからとりあえずやってみるのがいいのではないでしょうか。


さっそく「Fridays For Futureのこと、わからないから調べてみよう」と思った皆さんにおススメなのはこちらです。


ほかにも「こんな記事が読みたい」という要望があれば、ぜひコメントしてくださいね!

次回は、気候危機対策の要であるCOPに行ってきたFridays For Future Japan メンバーのレポートです。お楽しみに~

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