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わたしにとって日本語教師とは

今週の授業で専門学校の授業がラストになります。
学生のの成績も無事につけ終わった。
少し荷がおりた気がする。
あとは最後の授業を本気で楽しむだけ。

日本語教師としてお給料をもらい始めて5年半が過ぎます。

大学4年の後期から日本語学校で非常勤を半年。
卒業して新卒で専任講師で入社し、3年。
転職し非常勤を半年。
何とか生き抜いたフリー1年半。
この5年半はすごく充実していて、思い出いっぱい。

天職だった

「毎日刺激があって、外国人と一緒に働ける仕事がしたい。」 

ちょっと意味合いは違うが、毎日外国人と一緒にいながら働けたし
毎日刺激たっぷり!刺激がない日はなかった。 
そりゃー、大変な時もあった。
学生が喧嘩していて寮に止めにいったり、泣きながら学校に来た学生と授業が終わるまでずっと話したり、ときには怒ったり、一緒に泣いたりもした。

授業をよくするためにたくさん外部研修や勉強会に行った。

学習欲をくすぐってくれる研究は本当に私の刺激である。
参考書を読み漁ったり、論文読んだり、いろんな先生のやり方・経験の話を聞くのは楽しく、自分にとっても学生にとっても役に立った。
何より、自分が勉強会やセミナーで学んだことをクラスで実践したときに学生から「今日はとてもわかりやすかった!」と言ってもらえて、学生に還元できることがすごく嬉しかった。
「ちーちゃん先生の授業が一番わかりやすくて、楽しいから好き。」
専任を辞めるときに学生にそう言ってもらえたとき、どんなに苦しくても投資をしてよかったと思った。

毎日が楽しかった。

「先生という仕事は特殊だから、社会経験があることにはならない。」 

この日本という国でよく聞く言葉である。
そんなことはなかったと思う。
それはたまたま上司が民間で働いた経験があったから、
普通の会社で働くように仕事をさせてもらった。 

他の学校で専任をしたことがないから、わからないけれども
上司から「民間就職しても当たり前のことができるように育てたつもりだから、自信持って転職しろ。」と辞めるときに言われた。
だからかもしれないけど、今でも「教師なんです」というと驚かれる。
それはすごくありがたいし、どこにいても当たり前を当たり前のように感じられるのはホッとする。

他の仕事に就くことは考えられないくらい、毎日が楽しかった。

だから、ずっと天職だと思っていたし、これから先違う仕事をしたとしても思うことだと思う。

若返る仕事

自分は年々歳をとっていく。
でも、学生は若いまま。
年々、学生との歳の差が増えていく。

自分が習ってきたことは過去になり、学生から求められる物は永遠に「今」。

学生に置いて行かれないために、ずっと「今」を追い求めていく。
教え方だけじゃなく、物、アーティスト、服、流行り、お笑い、アイドルなどなど

学生にあったものを自分が求めていくと、どんどん自分も若くなっていると感じた。

周りからも「ちーちゃん、いつも元気だよね。」「先生、いつも元気だよね。」といつも言われていた。専任で毎日がむしゃらに働いていたときは信じられないコマ数で働いていたけど、そのときの方がめちゃくちゃ元気だった。 

きっと学生から元気をもらっていたんだと思う。 

日本人だからじゃ通用しない世界

よく「日本人だから日本語教えられるよね?」と言っている人がいるし、言われたことがある。語学教師はそんな甘い世界ではない。日本語教育も同じ。

日本語教師なる勉強を始めてから、痛感したのは「日本を知らない」こと。

海外に留学に行ったりすると、日本人は日本のことを知らないから日本のことを聞かれたとき困るし、帰国してから日本について調べたりするとよく聞くし、自分もそうだった。

自分の国なのになぜ知らないのか。

日本語教師の仕事は、ただ「日本語」だけを教えればいいのではない
日本のことを知っていないといけないし、調べ、学び続けなければいけない仕事。(日本語以外の言語教師もそうなんだと思う)

学習者の中には日本文化が好きで日本語も勉強している人もいる。
マニアックな人もいるから、マニアックなれというわけではないが
ある程度の日本文化の知識を知っておいた方がいい。
おせちのこと、季節の行事など。(この二つは特に役に立った!) 

私は専任になったときに「ちーちゃん先生なら何でも知ってる先生」になりたかったので、学生が気に入ったことは全部調べるようにしていた。 

特化していてもいい。
歴史に詳しいとか、日本のアイドルオタクとか、アニメとか。
学生との話のタネにもなるし、学習者のモチベーションにも繋がるし、授業でも使える!

簡単には日本語教師にはなれないと思う。
簡単になれると謳われていたりもするが、後々苦しむ世界でもある。
だって、学習者の評価があるから。
何人も学生に愛想を尽かされる授業をして、クラス崩壊しているのも見た。
崩壊したクラスを再構築するのは本当に大変。
(数回、再構築で担任になったことはあります。)

学生は先生をよく見ています。
どんな先生なのか、どの先生なら信頼できるのか、安心して質問できるのか、よーく見ています。

「まだまだ経験数が若いのに」 
「若造が何を言っているのか」
と思っている人たちは、マジで危ないですよ。
経験年数は若くても、その年数の濃さは人それぞれです
若くても、年数が少なくてもめちゃくちゃ学生から信頼されて、経験を持っている先生はたくさんいますからね。

若いからできわけではない

この業界の特有なのかわかりませんが、ご年配の先生方からよく言われるのは
「ちーちゃん先生は、若いからできる。」です。

意外とその若い人に「若いから」っていうのは、若い人を悩ませる言葉だと思う。
私はすごく悩まされました。(私だけかな?)

若いからICTが導入できる。
若いからパワーポイントが作れる。
若いから何でも吸収できる。
若いから若いから若いから。

何かの呪文でしょうか?

年齢があがるたびに、私にも何かできなくなることはあると思う。
でも、「若いから」って若い人に言い続けると、自分は若くないと決めつけることにもなるし、本当はできるかもしれないのにできない・やらないと自分に自分でできない理由という手錠と足枷をつけているのではないだろうか。

どんな歳で日本語教師になっても大丈夫です。 

でも、若いからできる仕事ではないです。

だから、「若いから」と言わないでください。

自分で何かを変えるきっかけになるかもしれません。

たくさんの人に若いからと言われてきたちーちゃんからのお願いです。

まとめ

日本語教師は刺激があり、新しいことを学び続ける必要があるけれども、楽しい仕事」です。

楽しい5年半でした。

私と出会ってくれた学生たち、学習者の方々に心のそこからありがとうと言いたいです。

キツい話も笑える話ももちろんあります!
たくさんあるので、おいおいラジオのほうで話そうかなと思います。



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