マガジンのカバー画像

夜雨の名画座

43
鑑賞した映画の記録。旧作多め。
運営しているクリエイター

#日本映画

夜雨の名画座一覧

ご紹介をした映画の一覧を作ってみた。 公開年代(たぶん)順。映画史的なところから何かが見えてくると面白いかな。 2024/09/21 現在 42本 1951/昭和26年 ◯ 巴里のアメリカ人 … 🎬️ヴィンセント・ミネリ 1952/昭和27年 ◯ 次郎長三国志/次郎長売出す … 🎬マキノ雅弘 1953/昭和28年 ◯ 怪談佐賀屋敷 … 🎬荒井良平 ◯ 次郎長三国志/次郎長初旅 … 🎬マキノ雅弘 1954/昭和29年 ◯ 裏窓 … 🎬アルフレッド・ヒッチコック

映画『駅前旅館』(1958)

こんばんわ、唐崎夜雨です。 お待たせいたしました、今宵みなさまにご紹介する映画は1958年のカラー作品『駅前旅館』です。原作は井伏鱒二、監督は豊田四郎。 上野駅ちかくの旅館を舞台に賑やかなそして哀感のただよう人情喜劇です。 その前に、1958年といいますと、 2月に第1回日劇ウエスタンカーニバルが開催。 4月に売春防止法が施行。 10月に東京タワーが竣工、12月に公開。 また10月にはフラフープが大流行しました ちなみに映画『駅前旅館』の公開は7月。劇中ロカビリーに触れてい

映画『怪談佐賀屋敷』(1953)

こんばんわ 唐崎夜雨です 日本の夏といえば怪談ですよね そこで今宵紹介する映画は 1953年の『怪談佐賀屋敷』  モノクロの 化け猫映画だニャ〜   あんまり身の毛はよだたないかな あらすじ 〜 ぜひ一龍斎貞水ふうに 佐賀鍋島家では正室にお世継ぎが生まれずにいた そこで殿様は新たに側室を迎えようと 宴席をもうけ城下の娘たちを城内へ招いた 宴席で殿様が見初めた娘は  竜造寺家の当主又一郎の妹であった 竜造寺家はいまは鍋島家の家臣であるが  かつては名のある戦国大名で  

映画『流れる』(1956)豪華な女優たちで描く花柳界の舞台裏

こんにちわ、唐崎夜雨です。 日曜の夕べは映画のご紹介。今回は昭和31年(1956)の成瀬巳喜男監督作品『流れる』。 原作は幸田 文。幸田文は文豪幸田露伴の娘さん。 幸田文は父露伴の死後、父の思い出を書いて文筆家となりますが、一時期、身分を隠して柳橋の芸者屋に住み込み女中として働きます。 どうしてそうなさったのか存じませんが、小説『流れる』はこのときの実体験から生まれた作品です。 しかしながら昭和30年代はもう芸者の時代ではないようです。銀座のホステスを描いた映画『夜の蝶』

映画『日本橋』(1956)露地の細道、駒下駄で

こんちゃ、唐崎夜雨です。 今夜の映画は泉鏡花原作の『日本橋〔にほんばし〕』(1956)。とうに過ぎてしまいましたが、春、ひな祭りのころになると見たくなる映画。 監督は『犬神家の一族』などで知られる市川崑。脚本は市川崑監督夫人でもある和田夏十。カラー映画。 映画『日本橋』は、淡島千景、山本富士子、若尾文子と三女優が芸者となりて妍を競う逸品。古今東西の女優でいちばん好きな女優は、淡島千景〔あわしま ちかげ〕。 淡島千景は宝塚歌劇の出身。1950年松竹から『てんやわんや』で映画

映画『青べか物語』(1962)

こんにちわ、唐崎夜雨です。 今日は日本映画の旧作をご紹介。 昭和37年(1962)公開の川島雄三監督『青べか物語』。脚本は新藤兼人。 山本周五郎の同名小説が原作。浦粕の地に滞在した作家の先生が、土地の人々を描いた小説。随筆のような味わいがある。 タイトルの「青べか」とはDVDジャケットにもある小舟。色が青いべか船で、青べかと呼ばれる。 浦粕の人々はべか船で漁に出る。作家の先生は青いべか船を地元の爺さんに売りつけられる。 あらすじ作家の先生(森繁久彌)は都会を離れ、東京近