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夜雨の名画座

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鑑賞した映画の記録。旧作多め。
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2024年5月の記事一覧

映画『泥棒成金』(1955)

こんばんわ、唐崎夜雨です。 日曜の夕べは映画です。 というわけで今夜ご紹介するのは『泥棒成金』(原題:To Catch a Thief)。 アルフレッド・ヒッチコック監督の1955年の作品。カラー映画。 ヒッチコックは「サスペンスの神さま」と称されるほどサスペンス映画を多く撮っていますが、『泥棒成金』はサスペンス色はやや控えめで、ヒッチ流のロマンティック・コメディといった趣を感じさせる楽しい作品です。 また『泥棒成金』は、グレース・ケリーと南フランスの美しい風景をとらえた

映画『赤線地帯』(1956)売春防止法成立直前の吉原を舞台にした溝口健二監督の遺作

日曜の夕べは映画のご紹介、 と考えていたのに昨日は投稿できず、月曜になってしまいました。 荻昌弘さん、こんにちわ。唐崎夜雨です。 さて今日の映画は、 1956(昭和31)年の溝口健二監督作品『赤線地帯』です。 以前に投稿した市川崑監督『日本橋』、成瀬巳喜男監督『流れる』や川島雄三監督『洲崎パラダイス 赤信号』と同じ年の作品です。 『洲崎パラダイス 赤信号』は題材が似ているけれど、あちらは遊郭の中を描いてはいない。『赤線地帯』は遊郭の中のおんなを描いている。 そして、本作は

映画『クリスタル殺人事件』(1980)鏡は横にひび割れて

こんばんわ、唐崎夜雨です。日曜の夕べは映画のご案内。 本日は1980年のガイ・ハミルトン監督作品 『クリスタル殺人事件〔原題:The Mirror Crack'd〕』です。 1974年『オリエント急行殺人事件』、1978年『ナイル殺人事件』に次いで製作されたのが『クリスタル殺人事件』で、監督ガイ・ハミルトンはこのあとの1982年『地中海殺人事件』も監督をしています。 『オリエント急行…』『ナイル…』に比べると、『クリスタル,,,』はスケールダウンは否めなく、豪華スターの

映画『ゴスフォード・パーク』(2001)紅茶とディナーと殺人事件

こんばんわ、 柏餅は味噌餡に惹かれる唐崎夜雨です。 今夜ご紹介する映画はロバート・アルトマン監督の 『ゴスフォード・パーク』(Gosford Park)です。 イギリスのカントリー・ハウスを舞台にした群像劇で、この年のアカデミー賞では脚本賞を受賞しています。 アガサ・クリスティ風のミステリーに仕上がっています。 もともとロバート・アルトマン監督はクリスティ作品の映画化を望んだのですが、手垢の付いていない作品が無いので、そんなら創っちゃえということになったそうです。 しかし