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国際協力の仕事って、何やってるの?

いつも、答えるのに困る質問がある。

「結局、すすって今、何やってるの?」
「仕事何やってるんだっけ?」

答える時、「国際協力」というワードを使うと、突然、みんなとの距離を感じることが多い。

「あ、なんか私とは縁のない世界っぽい」
「難しい話になるのかな。この話やめて、盛り上がる話したいな」
想像だけど、勝手な決めつけだけど、表情からそんな感情を受け取ってしまう。

あ、これ以上話しても、伝わらない、
そんな風に感じることが多い。

先日行われた企画メシ2021第1回でも「自分の職業→〇〇〇〇」と自分の職業を解釈するワークがあった。

「あー、苦手なやつだ・・・」

実は、このワークやるんじゃないかな、と予想して、事前に準備していた。

国際協力→「違うと出会う」を作る
という回答を使った。なんだか納得がいかない。

自分が誇りを持っている、自分が選んだ仕事について、人に説明できない、というのは、すごくもどかしい。

知らない間に、人のせいにして、説明するのをあきらめていた、自分の仕事。
大好きな仕事だからこそ、胸をはって、人に伝わるように話せる自分になりたい。

ずっと頭を悩ませてきたことだから、すぐにできるようにはならないと思うけど、そんな自分になる過程の第一歩として、このnoteに思いを記していきたい。

まずは、自分なりの解釈から、
考えてみる。

人と人とのつながりを支えたい

これが、採用面接で話した、志望理由だった。(つながりを作る、と言えなかったのは、私の自信のなさの表れ・・・)

大学生の時、初めての海外長期滞在をしたインドネシアで、現地の人が、私を受け入れてくれたのが本当に嬉しかった。
大きな不安を包み込んでもらえたようだった。

受け入れてもらえたのは、日本人に良い印象を持ってもらえたのは、私個人の行動がよかったとか、そんな単純なことではなくて、これまで日本の人とインドネシアの人、いろんな一人ひとりが交わり、その積み重ねで生まれたものではないだろうか、
そう思った。

これから、いろんな人が、いろんな場所で、受け入れてもらえるように、その土台となるようなつながりを一つひとつ支えたい、そう思った。
・・・ということを自分の経験として話した。

面接だったから、ちょっと斜に構えてはいるが、結構本音に近い気がしている。

でも、もう少し、
この仕事を選んだ理由とか、
この仕事が今、好きな理由とか、
この仕事で変えていきたい世の中とか、
面接で話せなかったことも、考えてみたい。

わたしの仕事

そういえば、そもそも、私の仕事が具体的に何なのか、説明していなかった。

「国際協力」というと、真っ先に途上国への支援をイメージされるかもしれないが、
私の会社では、途上国に限らず、国際社会を対象として、留学生受入、国際交流、研修、多文化共生、日本語教育など、様々な人材育成事業に取り組んでいる。

この中で私が担当しているのが、留学生受入支援。
留学生の募集選考、滞日中のサポート、帰国後のフォローアップなどに携わっている。

留学生一人ひとりがそれぞれの目標に向かって日本で勉強する姿、日本人と関わり、架け橋のような存在になっていく姿、その姿から、日々私たちが学ぶことは本当に多い。

ただし、毎日のように留学生・現場と接点があるわけではない、
毎日、国際社会の発展のことを考えられているわけではない、
毎日の業務は、事務作業が8割くらいで、やっていること自体は他の業界ともそこまで変わりないんじゃないかなとも思う。
(働いたことないから勝手なこと言えないけど)

目の前に積み重なる仕事を見て、なんだか虚しくなってくることもある。

日々の喜び

じゃあ、留学生との接点のない、事務作業の中で、私はどこにやりがいをもって、仕事をしているのか。

自分の仕事の先にいる、留学生を想像する。
国際協力に携われている、という喜びを改めて感じる。

このきれいな理由も嘘ではないけど、日々感じることとしては、少し違う気がする。

仕事の何が好きかというと、私は同じ業界で、一緒に働く人との、ふとした時の雑談、コピー機の前でするどうでも良い話、そんな何気ない時間が大好きだ。
つまり、一緒に働く人、が好きだ。

私の業界にいる人は、違う文化・環境で生きてきた人に、たくさん接してきた経験が多いからか、違う考え方や価値観を持っている人と接する時に、どっしりとした寛容さと、相手の思いを想像しようとする傾向があると思う。

単純な偏見で決めつけずに、この人はどうしてこういう行動したのだろう、この行動の裏にどういう思いがあったのだろう、
自然とそんな風に考えている。

だから、
留学生が集合時間に遅れた→悪い人
には必ずしもならない。

もちろん、日本で生活していく上で気を付けていくべきことは伝えるが、その人が生きてきた文化の中では、集合時間に遅れる、許容範囲の感覚が違うかもしれない、遅れた理由には、この集合よりも大事と判断されるような事柄があったかもしれない。

そんな風に、自分の基準や常識で決めつけてしまわない柔軟な人が多く、ちょっとした話にもそれがにじみ出るから、話していて、すごく心地が良い。

例えでは、日本人と外国人、という形で出したが、これは日本人の中でも同じだと思う。

日本の中でだって、それぞれ違う人生を生き、違う価値観、違う前提の上でみんな生きている。
もちろんその人をすべて知ることはできないから、時には偏見を持ってしまうことはあるけれど、それが偏見かもしれない、と認識はしておきたい。

誰に対しても、勝手に決めつけずに、暖かな想像力をもって、相手を受け止める、
自分も、そんな風に行動できる人になりたいな、と思うし、そういう人が世の中に増えたらいいなと思う。

あなたのボールをキャッチしてもらえる、暖かな場所を

なんか違う理由があるかも、と思って考えていたら、最初の志望理由と同じようなところに行きついてしまった。

要は、いろんな人との関わりを積み重ねる中で、暖かく受け止めることができる人が増えるといいな、ということなのかなと思った。

記事を書きながら、思いついたイメージがある。

野球のキャッチャーだ。

投球を受ける、あのどっしりとした構え、
「絶対に受け止めるから思いっきり投げてこい」
そんな目線で、ピッチャーとアイコンタクトをとる。

これかもしれない、
野球にそこまで詳しいわけではないので、キャッチャーの役割も調べてみた。

キャッチャーの技術として「フレーミング」というものがあるらしい。
ストライクゾーンに際どい投球を、キャッチャーの取り方によって、ストライクに見せる技術だそうだ。

これを見た時に、
より、しっくりくる感じがした。

会話の中で、誰かが上手に受け止めてくれることで、その場の他の人の判断に影響したりする。
そんなイメージに似ている。

まだ完成形ではないけれど、とりあえず、私の仕事をこんな風に解釈してみようと思う。

「自分の職業→一流キャッチャー候補生 兼 育成支援」

さて、どうしたら、この仕事の話を、
まずは聞いてもらえるように、
興味をもってもらえるように、
身近に感じてもらえるように、
伝わるように、話せるだろうか。

まだまだ考えることはたくさんだ。

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