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#026 緑色のマニキュアをつけたドラ・マール

 人物画を観ながら私は考える。この目は何を見詰めているのか。視線の先にあるものは何なのか。この人は何を考えているのか。
 そして、次に考える。
 この作品の人物が見詰めているものが何かという点で、作家がこの作品を観る人に期待しているものは何なのだろうか。
 作品の構図、色使い、筆使いなどをぼんやりと眺めながら、作者は何故この絵を描いたのか、空想の世界で遊ぶのは楽しい。

 ピカソの『緑色のマニキュアをつけたドラ・マール』。いま、国立西洋美術館で開催されている「ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」でこの作品を観て、私は釘付けになった。幸いにも、人は多くなかったので、私はドラ・マールと少しばかり長い時間を掛けて対話してきた。

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