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ジェーンエア(2011年版)

あらすじ
19世紀イギリス
両親が亡くなり孤児となったジェーンは叔母に引き取られるが叔母はジェーンを愛する事は無く、寄宿学校にジェーンを入れる
寄宿学校は無慈悲や神父や尼僧により支配されていた そこでジェーンは心優しいヘレンと親友になるがヘレンは劣悪な環境により亡くなってしまう
成長したジェーンは寄宿学校を出てお屋敷に住み込みの家庭教師の職に就く事になる
屋敷の当主ロチェスターは当初無愛想で威圧的であったが意志の強いジェーンに惹かれ、ジェーンもまたロチェスターに惹かれていく
そんな中屋敷の中で謎の事件が多発し、ジェーンは不安を感じる 訳を問いただすジェーンに対しロチェスターの口は重く何も語ろうとはしなかった
身分の差を乗り越えてロチェスターとジェーンが挙式を迎えたその日、2人の婚姻は無効だと名乗る男が現れる 男によるとこの婚姻は重婚であり、ロチェスターの妻は自身の妹だと語るのだった

(物語の重要な箇所と結末に触れています)

叔母や叔母の息子、そして寄宿学校で神父達からの虐待を受けながらも、自身の内なる世界を守り抜く強さ そして愛する男性に対しても常に対等であろうとする自立したヒロインの姿に、現代に生きる我々も多くの事を学ぶ事が出来るのがこのジェーンエアだと思います

ジェーンは自尊心をしっかりと持っており理不尽な事には怒りはっきりとNO!と言える強さを持っています その自尊心により寄宿学校に送られてしまいますが、彼女の自尊心は慈愛の塊のような親友ヘレンを引き寄せる事になります
小さい頃から学ぶ事への欲求が強かったジェーン それは身寄りのない彼女が後に社会に出て生きる力になります 
どの年代になっても学ぶという事の大切さ 
子供の頃多くの人にとって悩みの種でもある勉強というものは、大人になり世間の荒波を渡って行く際に、自分自身の武器であり盾を持つ事であるとジェーンの生き方を通して伝わってきます

ここまででも人生の教科書のようなジェーンの生き方ですが、恋愛に対してのジェーンの姿勢も彼女の信念が現れています

ジェーンは男尊女卑の世界、貧富の差が激しい世界にあっても自分自身と相手が対等である事を信じています
物語の設定ではジェーンは特に容姿が優れていない(演じるミア・ワシコウスカは魅力のある女優さんですが)とされていますが、ジェーンはその事よりも自分自身の内にある可能性を信じています
ロチェスターと愛し合いながらも彼に妻がいた事を知り、彼を愛しながらもきっぱりと身を引く、そこに自己犠牲的な要素は無く、自身の人生を自らを選択しようとするジェーンの強い意思を感じます

ジェーンは牧師ジョンとその妹達に危ないところを助けられ、彼らとの暮らしの中でやっと家族を持つ事が出来たと言う喜びに浸りますが、ジョンに求婚され妻は夫に従うべきだと語る彼をきっぱりと拒絶、ロチェスターの元に戻りますが、恩義を最大限に感じていた相手と自分の心や信念が合わないと悟ると決して自分の意志を曲げないジェーンの強さ
屋敷に戻ったジェーンは変わり果てた屋敷を見、ロチェスターが多くのものを失ったと知っても、ジェーンは自分自身の気持ちを大切にし彼を愛する事を選択します

映画やドラマや本の物語の主人公というのは現実に生きる我々が周りに家族も友人も恋人もいなくて孤独であっても、私達に寄り添い勇気を与えてくれる存在である
ジェーンもまさにそのような主人公であると僕は思います

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