広義のボードゲーム、狭義のボードゲーム

思考がとっちらかっているが、そのまま考えていることを書く。初めに断っておくと、結論などはない。
だからなあに? といった雑談である。

ボードゲーム会に行くと、主催によって結構どんな会なのか方針が異なる。

いろんな人と交流するのが楽しみだったり、ボードゲームは「遊び」なので、そんなに難しいことをしたいと思ってなかったり、という人の方が多数派のように観察される。

要は、ちょっと楽しみたいだけ、なのだ。

しかしその、ちょっと楽しみたい、が意外とハードルが高いことに当人たちは気づいていない。もちろん軽いゲームで、頭の体操みたいなものはあれこれ出ている。ボードゲームというより「遊び」みたいな内容のものだ。これはこれで、やったら楽しい。それで十分だ、という需要の方が多いだろう。広義の「ボードゲーム」は、こういったものだ。

しかし、そういった人たちは楽しめれば別にボードゲームじゃなくたって、なんだっていい。かつて音楽が流行したとき、ファンというほどではないけれど、音楽を聴きますという層が山ほどいた。これと同じ。

商売をやるなら、この層の掌握は絶対必要だ。こういうタイプが、一番気軽にお金を落としてくれるからだ。マニアもやはりそうだが、こっちは絶対数が少ない。マニア相手の商売はいずれ立ち行かなくなる。
個人でボードゲームを制作する際は、どちらかというとこういった商人の感覚が求められるから、やはり無視できない人々だと考える。メインストリームは前者。

そもそもボードゲーム自体がニッチなジャンルだし、重いゲームはインストと準備に1時間かかることだってある。だるくて話を聞いてられない人の方が多いだろう。

それでも個人的には1~2時間くらいかかるゲームが好きだ。こちらの方がより、深い面白みを感じられる。軽いゲームより複雑になっているわけだから、当然の話である。狭義の「ボードゲーム」はこっち。

広義と狭義のボードゲームが一緒くたにされているから、齟齬が出てくる。
狭義におけるボードゲームにおける本質的な楽しみは、頭を使うことにある。
「あまり頭を使わなくても、難しいことをしなくても、短時間で気軽に楽しめる」のがメリットな、広義のボードゲームとは相容れない部分があるのだ。

それを踏まえて、ボードゲーム会の話に戻る。
主催が軽いゲームが好みだと、メインストリームなので人が集まりやすい。
そうでない場合、立地によって人が集まりやすければいろんなタイプがやってくるし、あまり交通の要所になっていない立地だと、基本的には一部のマニアがメイン層になる。要は、全然人が集まらない。

ニッチのニッチなんだから、そりゃあいない。しかも狭義のボードゲームが好きな人の中でも、さらに好みが細分化されていて、合う合わないがある。ツチノコみたいなものだ。みんな知ってるけど、誰も見たことがない。あなたに求婚する白馬の王子様、自分が助けに行ける囚われのプリンセス。夢の国にだって、そんなもんはない。あるのは絵に描いた餅だけ。

個人でボドゲ制作をしていると、前者の方がいろいろと都合がいいのは確かだ。

しかし好みとしては後者の方なのである。ボードゲーム会に行ったら、1つくらいは重いゲームを遊びたい派だ。そもそも人間としての属性がマイナ嗜好寄りなので、人と行動が被ったら違うことをしたくなってしまうタイプなのだ。そりゃあ、人付き合いも下手である(上手くなりたいという気持ちは常々持っている)。

都合よく両方のいいとこどりをするとなると、もはや引っ越ししかないのだろうか……。ボードゲームのために引っ越し。そこまでできれば本物かな。海外まで視野に入ってくるだろう。ドイツとか、フランスとか、アメリカとか。

今のところ、そんな予定はまったくないので、ご安心を。

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