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歌ってみたを始めてみたい人に捧ぐ完全マニュアル-前編

これを読み終わる頃には「歌ってみたをやりたいけどなにもわからない」から、「なにをすればいいのかわかった!」くらいにはなることでしょう。

先日クライアントと話す機会があったのですが、私はそこで気付かされたことがあります。
『歌ってみたをこれからやってみたい人って、そもそもの用語とか何もかもがわからないから検索すらできないんですよね』
この一言、当然といえば当然なのですが、言われてみたら実際そうだな、と。

というわけで、この記事はそんな “なにもかもがわからない” 人が読めるマニュアルのようなものにしたいと思います。これを読めばオッケー!困ったら読み返しにくればだいたいわかる!的なやつ。
めちゃくちゃに長くなる予定なので、理解している項目はすっ飛ばしてもらって構いません。

合わせて下記記事も読んでいただけると。基本的に本記事は以前書いた記事を更に掘り下げるのが趣旨です。


専門用語を使うときは簡単な説明も混ぜていこうかなと思うので、これなんやねん、が少なくなると良いなと思います。

繰り返しますが、めちゃくちゃ長いです。画像より文章多めです。短編小説読むくらいの気持ちで読んでください。

また、このNoteでは広告収入などは一切ございません。めっちゃ役立ったと思ったら、私にご依頼の相談をください。喜ぶ。

録音するための機材

・マイク

マイクとか持ってないんだけど、そもそもなに買えばいいの???
っていうところからだと思うんですよね。

なので、まずは私の独断と偏見で、歌の録音に必要な機材をピックアップしていこうかなと思います。
事前に伝えておきたいことがありますが、別にこれから紹介する機材がないとダメということはありません。スマホ1つあればそれでもいいです。
ではなぜ機材が必要かというと、よりクリアな音で記録できるから。これにつきます。

まずはマイクから。

定番。オーテクのAT2020。コンデンサーマイクです。
コンデンサーマイクとは、ざっくり言えば電源が必要だけど小さな音まで拾えるマイク、です。小声でささやくようなのもキレイに拾えます。
配信者が使ってるのはだいたいこのタイプ。
10,000円少々なので、趣味の初期投資としてはまあそんなものではないでしょうか。

近年評価の高いメーカー。個人的にオススメ。
16,000円弱にはなりますが、頻繁に歌の録音や配信を行うのであれば、すぐに元は取れるのではないでしょうか。

おまけ。こちらはダイナミックマイク。
電源いらずで高耐久。音量の大きな素材を録る時によく使われるタイプです。
ボーカルレコーディングでもジャンルによっては使用されることがあります。一般的な宅録ではコンデンサーマイクをおすすめしますが。
1,000円。ヤバすぎ。このメーカーはクソ安ですが信頼性はあるので大丈夫です。

上記はある程度ちゃんとやりたい人向け。何度もいいますが、いきなりこれ買わないとできないということはないです。
次はマイクを繋ぐ機械、オーディオインターフェース!

・オーディオインターフェース

名前は聞いたことあるって方が多いのではないでしょうか?
ざっくり言えば、高品質で音を入出力するための機械です。様々な端子もついているので、PCに直接刺せないようなものも使えるようになります。

18,000円。
基本的な端子と機能はあるので、入門用として必要十分だと思います。
とりあえずこれがあれば、ほぼすべてのマイクが使えます。録音などでも困ることはないかと。
windowsであれば、ソフトウェア上の不具合も特になかったので、その点でも安定して使用できます。

こちらも入門機。13,000円。
上記と同じく、必要最低限はあるので困ることはないはず。
こちらの機種は使ったことがないのでノーコメントで。

音楽と配信を一生の趣味にする!!!!っていう強い意志がある方はこれがオススメ。100,000円。
私や名取さなとお揃い。それ以上の説明はいらないでしょう。
PC内部で自由に組めるミキサーなども機能として使えるので、ドラム録りなどをする用途でなければ大体の場面で事足ります。

・それ以外の選択肢

上記以外でも、現在は様々な選択肢があります。
その一部を紹介しますね。

こちらもコンデンサーマイクですが、USB接続で直接PCに接続できるのが特徴。
少々お値段も張りますが、オーディオインターフェースを用意する必要がなくなるため、結果的な出費は同じくらいかなと。

配信時に便利な機能がたくさん入ったソフトウェアを使用できるので、配信がメインの方にはこちらのほうがオススメです。もちろん歌録りでも使用できます。
録音用のソフトウェアも有償版のものが付属するので(単品定価15,000円ほど)現状一番安牌かもしれませんね。

後々本格的な楽曲制作などを行う予定がないのであれば、初期投資としては上記が一番いいかもしれないです。


こちらは著名なストリーマーが使用していることで有名なのではないでしょうか。
配信には言わずもがな、歌録りでももちろん使用できます。

使い方なども、シェアが多いため検索すればすぐ出てくるのもメリット。

・周辺機器

これはあればいいな程度のやつ。
必須ではないけれど、よりクオリティを上げたい方はいずれ買うことになるであろうものたち。

ポップガード。
息を吹き付けたときの音を軽減するアクセサリーです。ぱ行の発音時などに効果的。
ストッキングなどでも代用できます。

マイクとの距離感調整のためにも持っていると色々と捗る。


リフレクションフィルター。
部屋の反響音が入るのを軽減するために使用されます。
そこそこガチな音源を録るようになってきたら検討してもいいのではないでしょうか。


オーディオインターフェースとマイクを使用する際に必要なケーブル。
マイクで使用するケーブルは、基本的にはXLRケーブルという規格です。
安価なものだとミニプラグ(イヤホンのやつ)などもありますが、それはおいておきます。

USB接続タイプのマイク以外では必要になるので買っておきましょう。

各種スタンドなどはそれぞれの環境もあるので、ここでは紹介いたしません。
ハードの初期投資としては、およそ新品価格30,000円前後でみておくと、後々後悔することはないのではないかと。
もちろん、別に毎週活動するわけではない、というような方は、もっと安価なものから始めても構わないと思います。


ここまでで簡単なQ&A

Q、録音したいけどなにがあればいい?
A、マイクとオーディオインターフェース。あるいはUSBマイク。最悪スマホ内蔵マイクでも可。

Q、初期費用の予算はどれくらい?
A、当分新しく買い直す必要がないのは30,000円前後。高ければいいというわけでもないのでそこは注意。

Q、初期費用高くない?
A、安物買いの銭失いにならない程度のものをオススメしています。似たようなのでもっと安いのはあるけど、使ったことがないので無責任にオススメできない。

Q、録音環境ってどれくらい整えればいい?
A、無理なくできる範囲で問題ないです。まずは楽しんで。

Q、よくわからないから一番オススメなやつ教えて
A、PreSonus社のRevelatorってマイク。これだけあればだいたいできる。

Q、ヘッドフォンとかって必須ですか?
A、必須ではありませんが、続けるのであれば所持しておいても良いでしょう。購入の際は、開放型ではなく密閉型を選ぶようにしてください。開放型は外に音が漏れるので、歌の録音には向きません。

Q、なにもかもがわからない。
A、私に直接訊いてください。教えます。


録音準備

・ソフトウェアのインストール

これは事前に記載しておきますが、この記事ではPCで録音する方法について記載します。
スマホでのやり方は “スマホ 歌ってみた 録音” とかで調べてください。単純に経験がないので書けない。すまないと思っています。

さて、まずは録音に必要なソフトをインストールします。

冒頭でちょこっと出てきた記事内でも解説していますが、ここでは完全無料のDAWを使用します。
DAWってなに?????ってなりますよね。
DAWというのは、Digital Audio Workstationの略称です。音を操るソフトくらいの認識で問題ないです。

さて、Studio One Prime というDAWをインストールするわけですが、まずは上のリンクに飛んでみてください。公式サイトにいけるはずです。
同ページ内に下記のような部分があると思うので、まずはそちらを見ながらアカウントの作成、登録とダウンロードまで行っていただければ。

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基本的にサイト内に書いてあることをそのままやれば、入手に苦労はないのではないでしょうか。私がここで説明するよりわかりやすく書いてあると思う。

無事にダウンロードができたら、次はインストールです。
これも、色々出てくるとは思うんですけど、よくわからなければすべてデフォルトのままインストールしていただいて問題ありません。

本当はインストール画面も一緒に合わせて説明できればと思うんですけど、現在進行系で使用しなくてはならないのでできない。申し訳ない。
“studio one インストール やり方” 等で検索すれば、詳しいものが出てくると思います。
困ったらとりあえずなんでも検索!だいたい出てくる!この記事もそんな感じで出てきたところで行き着いてくれたら嬉しい。

とりあえず、登録とインストールは無事終わったことにします。


・マイクの設置、音量のセッティング

ここ!この部分が最終的に録れる音にものすごく影響してきます!
最重要項目といっても過言ではない。マイクの良し悪しよりも、よっぽど重要な部分
なので、きっちり学習していただけたら幸いです。

まずはマイクの位置。
検索した方はもういろいろな記事をご覧になったかと思います。口から15cmの距離がベストとか、いやいや、もっと近いほうがいいとか、あるいは遠いほうがいいとか。

これに関していってしまえば、正解はありません。
この距離、この角度だから間違いなし!完璧!なんてものは存在しないです。なぜなら、ジャンルによっても歌唱者によっても収録環境によっても結果は異なるからです。

なんて言ってしまうと元も子もない。そういう事を言いたい記事ではないので、とりあえずの位置決めとして、これを参考にしつつ調整すればいい感じになることが多いよ、というものを紹介します。

それはというと。
口からの距離は約15cm。顔のやや上側の位置にマイクを設置する。

言葉だけだとイマイチよくわからないですよね。画像にすると以下のような位置関係。

歌唱時のマイクセッティング位置

ありがとういらすとやさん。

コンデンサーマイクのイラストがなかったので、手持ちマイク形状のもので代用していますが、大まかにはこんな感じ。だいたいの意図は伝わると信じています。
スマホ録音のときも、似たような位置で試してみると良いのではないでしょうか。
また、当然ではありますが左右の位置はど真ん中に置いてくださいね。

真正面ではダメなの?となると思うんですけど、別にダメではないです。
そのうえで少し上向きから録ることをおすすめする理由は以下のようなもの。

・破裂音(ぱ行のような音)の軽減
・吹かれ(発音時の風が当たる音)の軽減
・不要な低域の軽減
・うつむいて歌唱することがない(できない)ため

逆に口よりも下側に設置すると、中低域が多めに録れるなどの効果があります。録った声がキンキンする方は、正面や下側も試してみてください。

距離に関しても、近づけるほど中低域が増す(近接効果)傾向があります。
逆に適性より遠いと、低域と高域が落ちていき、遠目の音が録れます。
ボイスドラマなどのシチュエーションを連想させるものでは有効ですが、歌の録音ではバランス良く録音されていることが好ましいです。

バランスのいい音とは、という点についてはここでは触れません。

マイクの位置、距離を決めたら、1曲通して同じ場所で歌うこと、を忘れないでください。
距離や左右の位置が変わるだけで録音される音も大きく変わってきます。後々補正はできますが、基本的には録った時点の音がすべてだと思っていただきたいです。


音量に関しては、曲中で最も声を張る部分でクリップ(音割れ)しない音量が好ましいです。
音量が小さめ、は対処の余地がありますが、音量が大きすぎ(音割れしている)は基本的にリテイクです。

マイクセッティングに関しては実際に試していただければと思います。

録音時点の音で作品の良し悪しが決まる

これだけは本当に覚えておいてほしいことですね。

Q&AⅡ

Q、録音するソフト何使えばいい?
A、Studio One Prime。無料です。

Q、マイク、どこに置けばいい?
A、ここに書ききれないので上の文章読み返してください。

Q、入力音量とか適当でいい?
A、絶対にダメです。音割れさせるくらいなら小さめに設定しておいてください。

Q、完璧な音で録れなきゃダメなんですか?
A、そういう意味ではないです。ある程度以上のものを収録する方法論です。そしてそれはいい結果に繋がります。


ここまでが前半です。
録音を始めるまでの準備編みたいな感じになりましたね。

もうすでに歌ってみたを投稿されている方には、全て知っていて当たり前の情報だったかもしれません。あるいは、なにかしら気づきがあったかもしれません。

後編では、実際のソフトの使い方、歌い方、MIX依頼をする場合の方法などを解説いたします。


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