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狩猟日記 2019.12.6 カルガモ

朝、知り合いから連絡があった。

自分の家の池にカルガモがついている。しかし自分は仕事のためカルガモが撃てないから代わりに撃っていいよ。とのこと。

早速、パジャマの上に上着を羽織り、銃を担いで車に乗り込み出発。

池に着いてみると話の通りカルガモが何羽かいるようだ。木の陰に隠れ池の方を見る。双眼鏡を覗き込むと葦の茂みの中にカモの姿が見える。狙いにくいけど狙ってみるかなあと考えたとこでふと疑念がよぎる。

あれデコイじゃね?

デコイって鳥の人形のこと。鳥は仲間を見つけると安全だと思って近寄ってくるという。それを利用してカルガモ人形を置いておくことでおびき寄せるというもの。ここの池にはカルガモのデコイが置いてあるのだ。デコイを置いたのは電話をくれた主。本物じゃなくてデコイを撃ったとなるとカルガモ逃がしちゃう。

一旦木の陰から出て池の方を観察。飛ばれるかもと思ったが、移動したのが見えた。飛ばないで居座る気らしい。ならばと、木の陰からゆっくりと出て移動する。怪しげな人間がいるのはもうカルガモにバレてるのでこそこそしない。狙える位置に行くまでに隠れる場所はないし。怪しげな動きにならないようゆっくりと森を散策してますと歩き始める。

池より少し離れた木の影に立つ。カルガモ達はこちらを警戒しながらも対岸の岸に身を寄せじっとしてやり過ごすことにしたようだ。

その木はおよそ1メートルほどの背丈で二股に分かれており、カルガモの動きもみられ、銃もレストしやすそうだ。カルガモは間に木が挟まったことで安心感が増したようだ。少し気を抜いているのが羽繕いをしたことで見て取れる。木に空気銃をレスト。距離は30メートルほどだろうか。そういえば空気銃に空気入ってたっけ?と。確認して動くとカモが警戒してしまうので予想で180程度としておく。中央にカモのあたまを入れ、気持ち銃口を下げ胸に合わせる。頭、首、胸のうちどこかに当たれと。そして一発打つ。あたった。羽ばたくが飛べないようだ。隣にいるカルガモが驚いたが飛び出さないので、もう1羽狙うチャンスと弾を装填。狙いをつけたが引き金を引く前に飛んでしまった。

最初に撃った一羽は対岸で息絶えているようだ。

カルガモを回収しに行く前に移動の準備。

空気銃の困ったところは一度装填した弾は撃たない限り取り出せないところ。本当に撃つとなるまで私は装填しないのだけれど、今回のように撃てると思っても撃てない時がある。弾を装填したままの移動は暴発するかもなので絶対やめたほうがいい。弾を出ため一発。

マガジンを銃から外しケースにしまいカルガモ回収へとすすむ。まず対岸まで囲まなきゃいけない。私はカモキャッチャーというものを持っていない。釣竿にでっかい釣り針をつけてカモを釣り上げるというもの。用意しなきゃなぁと思いながら今まで持たずに来てしまっている。大体池端に寄っているカモを撃っているので回収できちゃう。川でも水深が浅くってそこまで苦労せずに取りに行けてる。ロープにペットボトルをつけてそれで引き寄せたりすることも。後は泳いで取りに行く。一回だけしかやったことないけど。昔はサーフィンのボードも積んでいたからそれに乗って取りに行けばいいやと思っていたけど今は乗ってないから考えないと。

とりあえず対岸へ行くために藪こぎをし進む。岸に寄せられていたカルガモを難なく回収し藪漕ぎしてまた戻る。

夕方になり車で通った小さな池にゴミが浮いている。いや動いたからカモかと家から銃をとってくる。ゴミはなくなっていたが、動くならカモの可能性高しと探す。一度池を離れ違う角度からと戻ってみると池の中央にカモがいる。コガモだ。もともとコガモがよくいる池なのだ。去年は全然だめだったけど、今年はついてくれるのか?

銃をセット、木にレストして機会を伺う。こちらに気づいているが警戒心薄い。コガモって警戒心薄めでちょっと抜けてるイメージがある。コガモのオスに狙いを定め一発。あたったように見えた。驚いて出てきたやつを一発。これは外れ。5羽ほどが飛び上がる。私も何回もコガモとやりあっている。学習した。動かずに木の影にじっとしているとコガモが水面に降り立った。降りてきたコガモにめがけて一発、これも外れ。今度飛び立ったやつは降りてこなかった。

コガモは飛ぶのを嫌がる。飛び上がっても他の池を探すために飛ぶのも嫌なのか、こちらが動かなければ戻って来ることがある。他のかもよりも戻ってくることが多い。

3発撃って1羽。回収に向かう。しかし見つからない。羽が散ったあとはあるがあまりに少ない。もしかしたらかすっただけだったのかも。と1羽のコガモが藪の中に逃げ込んだ。半矢にしてしまったのだろうか。しばらく探したが日の入り時刻となり見つけられなかった。どろぼうぐさまみれになったが結局手に入れられなかった。半矢にするのは嫌だったのに。悔しい。

今日はカルガモ一羽。

皮を剥ぎ肉ともつをとる。弾ははきれいに左胸を貫通していた、せっかくの胸肉が…。しかし胸首頭という直線ラインを狙って胸に当たったとは、運良く当たったからいいが狙いはイマイチだったな。

ハツと砂肝、撃ち抜いた胸肉に塩コショウをし、オレガノをまぶしてオーブントースターで焼いて食べる。シンプルでよし。

右胸とモモ肉はカモ鍋に。

醤油、砂糖、みりん、顆粒だしで汁を作る。鍋にネギを敷き詰め、きのこ、人参、水菜と野菜をたっぷり。野菜の上に薄くスライスしたかも肉を並べ火にかける。カモ肉に火が通ったら完成。

ガラから出しを取れればよかったのだが、なかなか時間が取れなくて顆粒だしに頼ってしまった。ネギとカモ肉との相性は疑うことなしに抜群。野菜の上に肉を並べ蒸し焼きとしたことで肉の出汁が流れ出さなかったので、カモ肉の風味を楽しめた。その分野菜にカモ出汁が少ししかうつらなかった。ガラから出汁をとるか、モモ肉は鍋のそこに入れたほうが良かったかも。まあ、美味しいです。

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