自己紹介② 学生時代と出版の仕事
Zap.(ザップ)と申します
「なにもの?」と思っている方に向けて、自己紹介しています。
前回は、現在の仕事について(2021年現在)触れましたので、今回は礎となった過去の仕事や経験について綴らせていただきます。
◆学生時代『イラスト投稿』
御多分に漏れずアニメや漫画、ゲームが大好きで、その手の雑誌をたくさん読んでいました。そして、それらにはたいていイラストや4コマ漫画などを投稿できる読者ページがありました。
絵を描くのが大好きだったので、ハガキにイラストを描いて(※1)毎号のようにゲームイラストなどを投稿していました。
採用されると雑誌に絵が載って全国の本屋に自分の絵が並ぶのが、ものすごく嬉しくてすっかりハマってしまい、熱心に送り続けました。
ついには毎号必ず載っている常連投稿者になった雑誌もあって、かなり長い期間投稿を続けていました。
(※1)当時はまだネットがほとんど普及していなかったので、ハガキまたはハガキサイズの紙に、ミリペンで線画を描き、色鉛筆やコピックなどで色を付けて投稿してました。バリバリのアナログ作業です。
この経験が、自分の絵を人に見せる原体験だったように思います。
採用されて嬉しいだけでなく、間違いに気づいたり、上手い人と見比べて恥ずかしくなったり反省を繰り返しながら勉強になりました。
今ならSNSですぐにできますね。いい時代です。
◆浪人『美術予備校』
絵が好きだったわりに、進路についてちゃんと考えておらず、まわりにもいなかったので、なんとなく漠然とデザインかアニメの専門学校に行こうと考えていました。
高校の進路相談で「美大受験をしてみれば?」と助言があり、タイミング的には遅かったのですが絵に真剣に取り組んでみようと思い直して、高校卒業後に親に頼み込んで美術予備校に通わせてもらいました。(感謝)
結論を言うと、美大には入れてません。
最初に描いた石膏デッサンはらくがきレベルでしたし、本当に無知でひどいものでした。
それでも、約1年一生懸命サボらず描いていたら、予備校の先生曰く「絵は合格レベルに届いている」まではいけました。
デッサン以外にも平面構成や色彩など基礎的なことはここで学びました。ここでの経験は、今でもとても役に立っています。
このころ胸に秘めていた思いは、「凡人でも頑張れば絵で生活できるようになる」を体現したいというものでした。
今でこそ数多くのHowtoや講座がネットで観られますが、当時は書籍を読み漁るか、絵画教室に通う、同人活動を通じて仲間と切磋琢磨するなどでしょうか。個人ではとにかく情報が手に入らないのがつらかったです。
◆就職『とりあえずやってみる』
もう一年浪人して美大目指そうかと考えていたころ、常連になっていたゲーム雑誌から「ゲーム塾やるから参加しないか?」とお誘いを受けて、参加を即決意しました。
さくまあきら氏(※2)を講師に迎えたゲーム塾で、当時まだ少なかったゲームクリエーターになりたい若者向けのとても貴重な合宿でした。
ためになる講義を受けて、その後短いゲーム企画を1本作る課題が出されました。最終日に優秀者が発表されます。
結果は、入選。企画内容は「敵モンスターの総数が決まっていて、本当にせん滅するRPG」だったと思います。(問題点は多々ありますが)
その後、さくまあきら氏の個人事務所から連絡があり事務所見学のお誘いをいただきました。もちろん即「行きます!」と返事をしました。
厚かましくも何度か、お邪魔しているうちに、さくまさんご本人にデザイン会社をご紹介いただき、ここでも「やります!」と即決しました。
あっさり何かのデザイン会社に就職が決まりました。
(この時点では、どんなものをデザインする会社か全く知らない💦)
そして、初めて仕事をしたのが、元祖えのんこと榎本一夫氏(※3)のデザイン会社でした。
(※2)さくまあきら氏:RPG『桃太郎伝説』やボードゲーム『桃太郎電鉄』シリーズ生みの親。
(※3)榎本一夫氏:『ジャンプ放送局』えのんや『スーパー桃太郎電鉄』貧乏神のモデル。有限会社バナナグローブスタジオ創業者
◆出版系デザイン会社
ここからは、仕事で得た知見や体験談などを綴らせていただきます。
出版系デザインは、前述の会社含め、フリー時代や別の会社でも手がけましたのでそれらもまとめてこの項で触れさせていただきます。
出版系デザイン会社の主な仕事は?
・本や雑誌の表紙やカバーデザイン
・本や雑誌の本文誌面デザイン
・ロゴデザイン
・パッケージおよび取扱説明書デザイン
・広告デザイン
・キャラクターグッズデザイン
などなど
いろいろ本や雑誌、フィルムコミック、ポスター、ロゴタイトル、パッケージ、グッズ、広告など業務内容は多岐にわたります。
最近はプロモーションムービーなどの動画作成も行うようです。
私が関わった代表的なもの
・週刊少年ジャンプ:表紙絵のラフ作成
漫画家さんに表紙イラストを描いてもらうための指針となるラフ絵を描く作業です。3案ほどをデザイナーと相談で作成し、担当編集者さんに選んでもらいます。選ばれたラフ絵は漫画さんに送られてそれに沿った絵が上がってきます。
なぜこの作業が必要なのか?
①文字を入れるスペースをあらかじめ確保するため
②忙しい漫画家さんの時間を節約するため
③雑誌の顔である『表紙』のクオリティを安定させるため
などの理由があります。
OKが出ると、私のラフ絵は当時連載していた漫画家さん(※4)の手に渡っていたので、今思えばちょっと緊張しますね。
(※4)当時、尾田 栄一郎さん、村田 雄介さん、久保 帯人さん、岸本 斉史さんらが連載されてました。
・Vジャンプ:誌面レイアウト
・アニメ雑誌:誌面レイアウト
ゲームやアニメの紹介ページをデザインしていました。
写真やイラストと記事構成ラフを基に、読みやすく見栄えのする配置をして、記事に必要な文字数をライターさんに伝え、上がってきた原稿とページデザインを合わせて印刷会社に渡します。
・フィルムコミック:デザイン&誌面レイアウト&描き文字
アニメの絵を漫画のコマのように配置して、読み物に再構成する本です。
16mmアニメフィルムをデザイン用紙に映しとったり、「バーン!」や「ドカン!!」などの手書き擬音も作成します。
・ゲーム雑誌、攻略本:デザイン&誌面レイアウト
ゲームキャラクターを大きく誌面に載せたくても解像度が粗くてギザギザしてしまうので、イラストを取り寄せる必要がありました。
それと、この仕事の難点はネタバレです。やろうと思っていたゲームでも発売前に最終ボスを見てしまうことすらありました。
・『ドラゴンクエストV』ゲームパッケージ:アシスタント&版下作成
パッケージはゲームの顔なので責任重大です。
初めて関わらせていただいたのは、パッケージ裏の巻物イラストと、印刷に使用する白黒の原稿『版下』の作成です。
・『スーパー桃太郎電鉄DX』ゲームパッケージ:デザイン&取扱説明書
パッケージ、ラベル、取扱説明をすべて手掛けた仕事でした。パッケージはさくま氏のアイデアを基に前作を踏襲したデザインしました。
この仕事で通常の4色印刷にプラスして蛍光ピンク(KP)と金の6色使用した記憶があります。(たぶん)
狙い通りの効果があったか、今考えると微妙だったかもしれません。
【出版系デザインで学んだこと】
誌面レイアウト(エディトリアル)デザイン
・読む人のことを考える
・視線誘導と見せ方とリズム
・0.25ミリを手作業で行える精密な技術
タイポグラフィの基礎
・フォントの選び方
・文字間隔&行間隔、文字修飾、長体平体斜体などの役割
・文字サイズ、ジャンプ率の役割
4色~多色印刷の基礎
・CMYKとRGBの違い
・印刷に必要な基礎的な技術と用語
・印刷の得意な色と不得意な色
版下作成・紙焼き
・白黒原稿の作成
校正
・不備の発見と修正方法
解像度・画像処理
・解像度と印刷品質
・画像の切り抜きと色補正
・レタッチの初歩
漫画描き文字
・状況や勢い、熱量を考慮した文字デザイン
長くなってしまったので、今回はここまでにします。
次は『初めてのゲーム仕事』と『アニメーター時代』を中心にお伝えできればいいなと思っております。
読んでいただいた方に少しでも興味を持っていただければ嬉しいです。
Zap.(ザップ)
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