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Fender LEAD Series 使用アーティストの動画色々(追々記:2023/12/16)

 Fender LEAD Seriesをライブ等で使用しているアーティスト、根本的に少数です!しかし居なくはない、というわけで動画を集めてみました。何かの参考になれば幸いです。


Steve Morse

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 まずは発売当時の宣伝媒体に出演のあった、当時Dexie Dregs、後に自身の名義のバンドやDeep Purpleでも活躍しているSteve Morseから参りましょう!


 1曲めのPunk Sandwichで発売まもないと思われるローズウッド指板でワイン(シースルーレッド)のFender LEAD2を弾くSteve Morseの姿が!Steve Morseといえば、後にErnie Ball Music Man社製の自身のモデルのもとにもなったFrankenstein Telecasterで有名ですが、正直LEAD2との共通点があまりに少なく、宣伝目的以外は考えられない気がします。Steve MorseとLEAD Seriesとの広告における関係は後発(1981年発売)のLEAD3においても継続されており、いっそのことFrankenstein LEADでも作ればもっと使ってもらえたのかもしれませんね!


Elliot Easton

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 次はThe Carsのギタリスト、Elliot Eastonです。レフティーで白のマッチングヘッドな通称LEAD1/2を弾く姿が1982年頃のFender社カタログ上で認められます。


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 動画の画面キャプチャでは仕様の詳細がよくわかりますね。通称の由来にもなったように、フロントピックアップはLEAD2のようなスラントマウントのシングルコイルピックアップ(おそらくはX-1)、リアピックアップはLEAD1や3に搭載されていたLEAD Original Humbuckerという仕様ですが、トグルスイッチもLEAD Seriesでは通常の2個のところ1つ増設されて計3個と、一体何をどう切り替えていたのかまったくもって不明な仕様です。このギターは後にあと数本のレフティーLEADとともにHard Rock Cafeに寄贈されていたりします。


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 向かって左のが仕様から察するに動画内で使用されていたLEAD1/2ではないかと思うのですが、酷い変色に加えピックアップを白に交換したとみるか、はたまたそもそもこれは別のギターでこういう色の別個体だったのかは謎です。中央が白のLEAD1、向かって右はメイプル指板でワインのLEAD2ですね。いずれもレフティーなのでそれだけでレアと言えます!


 さて、ライブの動画を紹介する前に、まずはこの動画をどうぞ。4分8秒あたりからElliot Eastonが所有していたと思われるLEAD1/2(フロントピックアップがシングルコイル、リアがハムバッキングピックアップのLEAD1とLEAD2のハイブリッド的なモデル)に加え、赤いLEAD2と白のLEAD1が出てきます。ぼろぼろになってハードロックカフェに寄贈された状態しか見たことがなかったので往時の画像を見ることができ感慨深いです。21分30秒あたりにStratocasterが出てくるんですが、そいつもフロントピックアップをスラントさせ、リアにはLEAD Original Humbuckerを搭載しトグルスイッチ3個という仕様になってます。他にもGreco社のBoogieとかを所有していたようで、LEAD1/2のピックアップ配列の由来は案外そのあたりから来ているのかもです。


 ライブ動画も貼ります!「Fridays」という1980年4月11日から1982年4月23日まで米国ABCで金曜日の夜に放送されたライブ番組の動画です。ヴォーカル/ギターのRic Ocasekとヴォーカル/ベースのBenjamin Orrも似た仕様の白いギター/ベースを持っており、みんなでお揃いにするべく仕様が決定されたのかもですね。


Rory Gallagher

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 Rory Gallagherの使用ギターといえば、やはりあのボロボロに塗装の剥げた1961年製Stratocasterが有名ですが、それ以外にも多くのギターを所有しており、その中に実はLEAD Series(Official SiteにはLEAD2と表記)の所有、そして使用が確認されていたりしました!


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 仕様には変遷があるようです。ヘッドデカールの部分にはLEAD2とあるように見えなくもありませんが確認しづらいのです。ただ、新規作成の上交換されたであろう黒の3プライピックガードの形状より1か2であったことは間違いありません。ハムバッカーを2つ搭載していますがメーカーや機種名は不明で、ダブルホワイトということと年代からDiMarzio社のものではないかという推測はできます。トーンノブは本来のアウトプットジャックの位置にずらされ、本来のトーンノブの位置にはピックアップ切り替えスイッチがあるように見えます。アウトプットジャックはボディーサイドに増設されており、木部切削も含めた割と大規模な改造が行われているようです。


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 上の画像はOfficial Siteからの転載で、雑誌等でも紹介されたことのあるものです。現存しているものだろうと思われますので、これが最終的な仕様と思われます。また、ネック裏は塗装が剥がされているそうです。画像の時点での改造内容ですが、リアの1ハムバッカー仕様でピックアップはDiMarzio社のSuper Distortionとのことです。トーンノブの位置変更はそのままですが本来のトーンノブ位置には一度穴開けがされた上で塞がれているようにも見えます。

Rory名義のTwitterアカウントによれば、1983年にフランスはパリのthe Parc de la VilletteにおけるライブでLEAD1を使用していたようです。

 残念ながら動画ではないのですが、3時間に及ぶライブ音源がありました!耳の良い方であれば所謂Large Humbuckerをフロントとリアに搭載した改造LEAD1によるプレイを例のStratocasterと判別できるかもです!


BONO

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 1982年頃のライブでU2のBONOがメイプルネックの黒いLEAD2を使用しています。


 男前ですね!声もいいし歌もうまい!LEAD2サウンドはちょっと聞こえにくいかもです。


David Byrne

 Talking HeadsのDavid Byrneが1980年のライブでローズウッド指板でワイン(シースルーレッド)のLEAD2を弾いています。

 ネック側のピックアップを選択しコードを鳴らしていますが、他のギタリストがバンド内に居ないため、LEAD2の音色がよく聞こえますね。
※2023/12/16追記


藤井一彦

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 次は国内!The Grooversの藤井一彦です!近年はLEAD2を弾く勇姿が見られなくなって残念ですが、ピックアップをBill LawrenceのL-250に換装したLEAD2(トレモロユニット付きのは筆者もリスペクトの上レプリカに挑戦しました!)の音をご確認ください!


 正直素晴らしいライブ動画がいくらでもありますね!藤井一彦はその他頭脳警察なんかでもLEAD2を使っていたりなので要チェックです!動画の中で最も多用されているボディーカラーが黒のトレモロユニット付きLEAD2ですが、もともとは忌野清志郎のローディーの方が所有していたものとのことで、一時期はネックをローズ指板のLEAD3のものと交換して愛用していたようですが、最終的には所有者の方に返却したと言われています。ただ、他にもインターナショナルカラーのモナコイエローのLEAD2や、ローズ指板のネックのもとになったチェリーサンバーストのLEAD3なども所有されており、以前福岡でのThe GrooversライブのアンコールでモナコイエローのLEAD2が登場したときには感動しました!


大江慎也

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 次にThe Roostersの大江慎也です。

 ぶら下げている、という感じで音はちょっとわかりにくいかもですね。ただ、ローズ指板で黒のLEAD2というのは大江慎也とのイメージ的な紐付けが強く「大江慎也モデル」などと呼ばれていたりします。

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 本機は後に塗装を剥がされたナチュラル仕様となってしまうようです。


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 そしてその後白にリフィニッシュされていたようです。


スクリーンショット (52)

 また、Player LEAD2の黒も入手したようです。


 それぞれの音の違いがわかりやすいですね。


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 THE CRAZY RIDER 横浜銀蝿 ROLLING SPECIALの翔です。ひょっとすると国内アーティストで最も人口に膾炙しているのはこの方かもしれません。


 2020年結成40周年を記念して再結成されたTHE CRAZY RIDER 横浜銀蝿 ROLLING SPECIALでもLEAD2を弾いているのを知って驚きました!ただ、曲が嶋大輔の「男の勲章」で、別の意味でも驚きました(笑)!上の動画では当時ボディーに貼られていたはずの横浜銀蠅ステッカーが無くなっているので、よほど上手に剥がしたか、同仕様のきれいな個体を再入手したかではないかと。


赤坂小町(Princess Princess)

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 Twitterで頂いた情報です。上の画像を教えていただき、驚いて検索したところ動画もありました。


中山加奈子はメイプル指板のLEAD3、渡辺敦子と岸谷(奥居)香はローズウッド指板のLEAD2を弾いています。渡辺敦子と岸谷(奥居)香はデビューの頃にベースとギターのパート変更をしたそうです。ボディー色はどちらも赤ですが、他の機材も基本的に全て赤なのでバンド名を意識したものではないかと思われます。音ですが、いわゆる当て振りのようでレコーディングにもLEADを用いていたかも含め不明です。
※2021/11/4追記

【了】






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