⭐ 見つめるのは、あなただけ

あなたからの便り
嬉しく、涙がこぼれます
どれだけ待ちのぞんでいたか
ことばにすることはできません

あなたが去ってから
わたしは、二つに裂かれ
ひとつは、あなたを、追いかけ
ひとつは、足にクギをうたれ
こころの半分で、あなたを、うらみ
もう半分のこころで、
あなたとの蜜月を反芻してきたのです

あんなに身近にいたのに
あなたの偉大さと愛に、気づきませんでした
あまりに大きすぎて、空気のように、見えなかったのです

あなたがなさった あらゆることへの気配り
もてなしと配慮は、万事周到で、水が流れるようでした
あなたのこころは、深すぎて、測ることなど思いもつきませんでした
あなたが示す世界に、理解がついていかなかったのです

あなたが真っ直ぐ建てられた木の上から消え去ってから、
わたしは、寝食を忘れて、祈りました
あなたの帰還と復活を
どれだけの年月、叫んでいたでしょうか
どれだけ、こころをしぼって祈ったでしょうか

やっと報われるのですか
やっと、ゆるされるのでしょうか あの夜の裏切りと離反を
あたらしい鶏が、新しい祝祭の一日を、鳴いてくれるのですか

あなたの便りを開けていいですか
こわさに負けては、開けられません
開けます

[  黄金の鍵  ]

わたしは、救われたのですか
それでいいのですか
それとも、次のページを開ける鍵ですか

あなたの計画に間違いはないのです
知っています
どちらでも、喜んで、従います
あなたがわたしの唯一の主人であり、守護者であることを知っていますから
あなたがわたしを愛してくれていることが、分かっていますから
もう、何も恐れるものは、ありません
行きます
あなたの足跡を頼りに 踏みかためて この先へ
黄金の鍵をふところにいだいて
けっして迷いません

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