娘の不登校⑤

　ジェイは娘のストーカーになった。ずっとついて回り寝る時まで一緒だ。娘が学校に行きお留守番する時は、おしっこを漏らしたり、窓辺から離れず、ずっと外を見ていたり…と、情緒が不安定になった。
その分娘が帰ってきた時の喜びようは凄かった。
　こんなにも娘だけにめちゃくちゃ懐くなんて…これは奇跡としか考えられない。順番的に次が私だが、ダントツの差がある。
　こんなジェイを、最初はシラ〜としていた娘も今では「ジェイ君可愛いね〜。」と抱きまくっている。
　ジェイの方も、わが家での暮らしが一年経ち、ずいぶん落ち着いた。娘が居なくても必ず帰ってくるのがわかっている。それでも未だに娘が帰ってきた時は『感動の再会』だ。
　娘は明らかに感情豊かになった。益々明るくなった。好きな絵にも積極的に取り組み出しSNS発信して楽しんでいる。
　ジェイが娘を救ってくれた。ジェイも娘に出会えて幸せだ。これも運命の出会いだ。
　ありがとね〜ジェイ！！
そして、これからは娘の人生も、ジェイの短い人生も
大満足であるよう…見守っていこうと思っている。
　
　今日もレポート用紙が散らかった娘の部屋で、ジェイは勉強机に向かっている娘の背中を見つめている。