秋塾づくりの裏側のお話
先日開催したFEIS秋のプログラム『秋塾』は、例年のプログラムを刷新したにもかかわらず、4つのコミュニティから20名弱が集まる場となった。0から作った割にはまずまずの結果となっているが、その裏側では色んな苦悩やご縁があった。普段はブラックボックスに包まれている、裏の部分をお届けしていきます。レポート第2弾。
▼始まりの日
2019年8月20日。夏の一大合宿を終えた僕たち学生スタッフは、次なる秋のプログラムに向けての打ち合わせをしていた。僕たちFEISは今年で4年目を迎える、意外と年季のある団体である。4年もプログラムを提供していると、良くも悪くも「お決まりの型」というものができるようだ。
昨年までの秋プログラムでは、
FEIS卒業生(過去参加者)からロールモデルとなる人たちを招聘し、キャリア相談会を行ってきた。諸先輩方は4年間のFEIS活動を通じて生み出した、いわば無形の資産である。今だからこそできるプログラムであろう。
だが、夏のプログラムを終えて「さあこれから頑張ろう!」と意気込む参加者たちに必要なのは、本当にお悩み相談なのか。相談する機会は時期として早すぎやしないかと思った。改めて「今の参加者に必要なものは何なのか」をスタッフ同士で議論した。
▼葛藤と迷い。
とはいえ、プログラムを刷新することへの不安や葛藤は大きかった。
今年度のFEIS学生チームは、僕(高山)としょーや(木原)とざわけん(大澤)の3人で、それぞれが掛け持ちの活動を持っていた。加えて、京都と大阪間のリモート体制でもある。
「大きなコストをかけてでも新たなプログラムを開発したい」という気持ちに対して、チームには難しい状況があった。
しかし、
初めこそ葛藤していたものの「どうせなら、やって後悔しよう」という価値観が一致し、僕たちは挑戦的な(というよりは、面白いと思う)方へと足を踏み出した。
こうして、
「これから挑戦していく人が直面する課題、それを解決する場。」
そんな位置づけで新たなプログラム作りが始まった。
秋塾の始まりはここから。
▼最初の試練と励み
歩き出したのは良かったものの、葛藤している間に割と月日は流れていた。
動き出しの遅れた僕たちに、「集客」という最初の試練が立ちはだかる。
夏のプログラム参加者には事前に日程を伝えられていたが、外部向けの発信が遅れてしまった。既にアルバイトや先約を埋めてしまった知り合いが出てしまったのである。ちょっと焦りだしたのがこの頃。
そんな中でも励みの1つになったのは、同じ志をもった団体の活躍だった。プログラム当日も2人遊びに来てくれたが、ヨリアイというコミュニティがある。1周年を迎えるにあたり、ちょうど記念パーティを企画していた頃だった。
創設者たちが知り合いということもあり、1年ほど陰からこのコミュニティを見ていた。彼らの行動や企画したイベントを見ていると、教育と地方というキーワードは違えど、想いや追いかけているものは同じように感じる。そういった団体が大きく成長し、愛されているのは、大きな励みになる。
▼悪魔的な試練
新プログラムの作成と集客に食らいついていた9月、最大の試練が降りかかる。数少ないチームの一員で、カメラマン役の「ざわけん」こと大澤が、無理がたたって体調を崩してしまった。(無事今は回復している。)
さらに、「なんでこのタイミング?」という所で高山が電撃入院!
(病院食の美味しさと、看護師さんは患者にとってエンタメ的存在であることを学んだ。)
(あと、おじい おばあ との共同生活はちょっと面白かった。)
ポップに表現したが、当時のノリでいうと全く笑えない状態だった。
明らかに人手不足な状況に追い打ちがかかり、正直開催をあきらめかける瞬間もあった。これは今だから言える話。
しかし結果的に、僕らはこの危機的状況によって
「諦めなければ道は開ける」という金言を身をもって味わうことになる。
▼考え方を変えて、試練の克服に挑む
『どうすれば成功させられるか。』
そう考えざるを得ない状況だった。諦める選択肢はなかったが、今のやり方だと達成できないことは自明だった。だがそれゆえに、新しい一手がなければ達成できないと理解すると、自然と頭はアイデア脳に切り替わった。
僕たちは2人でできることを考え、実行した。全て自分たちで作ろうとするのをやめ、仲間を信じて託す選択を取りまくった。
声をかけてみると、多くの仲間が協力の手を差し伸べてくれた。
コンテンツを作ってくれる仲間、当日のお手伝いをしてくれる仲間、広報の呼びかけを手伝ってくれる仲間、色んな仲間の助けを受けることができた。
おかげ様でFEISは、4つのコミュニティから20名弱の参加者が集まり、そのうち10名近くは民泊で朝まで語り合うという、非常に熱気を帯びた2日間を迎えることができた。手伝ってくれた人たちには本当に感謝しかない。
▼ふりかえってみて、前を向く
振り返ってみると、山・谷どころか山しかない2か月だった。でもそれは、
「あきらめなければ、熱意と仲間がそこにあれば、逆境は乗り越えられる」と学ばされた2か月でもあった。どれだけ濃密な日々を過ごしていても、過ぎ去ればあっさりと記憶は頭の中で薄らいでいく。今回開催報告を書く機会を通して、改めて学んだ気づきを噛みしめている。
そして、そこから思うことは、
マジで仲間大事。仲間ほしい。
ポジショントークにしか見えないが、FEISは可能性のあるコミュニティだなと思っている。「思っている」というより、今回を通して「思った」。
頼りがいのある仲間と大人たちがいて、熱量を持った参加者たちがいる。
あとは1人ひとりが描きたいものさえ持てれば、なんでも挑戦できる。
そんなコミュニティを1人で作ってはいけない。
実現可能性はやる気と根気でどうにかなるけど、そこには持続性も再現性もない。一緒に未来の仲間を作る第三の秘密基地を作りましょう。
これから本気で仲間集めに取り掛かっていきたい!
コーヒーを飲みながら、そんなことを考えていました。
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